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今ひそかに熱い!小型風力発電投資

東日本大震災を機に、多くの人が再生可能エネルギー発電投資に興味を持つようになりました。その中でも、非常に有名なのが太陽光発電ですが、ここにきて、小型風力発電投資も注目されだしています。
理由は、太陽光発電に比べて売電価格が高いため、より投資効率が高いという点と、太陽光発電よりも安定して電気を作ることが出来るためです。この二つの特徴に注目しながら、小型風力発電投資の魅力についてまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

 

小型風力発電投資とは何か

風力発電というと、多くの人は、海沿いの土地や大きな平野の真ん中に置かれている風車を想像するのではないでしょうか。このイメージは全く正しく、風力発電の風車というのはまさにあの大きな風車です。
一方で、今回紹介する小型風力発電投資は、この風力発電の小型版といえるでしょう。受風面積が200平方メートル以下、風車の直径が16m以下、出力規模が20kW未満を小型風力発電といいます。
風車の直径が10m前後ということで、そこまで小さいわけではありません。大きさのイメージとしては、10階建てのマンションと同じぐらいと思ってください。また、表記として「小型」と「小形」がありますが、どちらも同じ意味になります。この記事では「小型」で統一しました。

風力発電の大きさとしての国際基準は、出力で判断されます。1kW未満をマイクロ風車、1~50kW未満を小型風車、50kW以上を大型風車と定義しています。日本では、1~50kWのうち、更に20kWまでを小型風力発電と呼び、補助金などを出して浸透していくような政策をとっているのです。

この小型風力発電投資ですが、様々な分析から見てみると、どうやら少し前まで注目されていた太陽光発電投資よりも対投資効果が高いのではないかということがわかってきました。

 

小型風力発電の特徴① 売電価格

小型風力発電投資が太陽光発電投資よりも対投資効果が高い大きな理由は、やはり売電価格が大きいということでしょう。これは2017年における売電価格ですが、ここまで違います。
2017年の太陽光発電の売電価格 2017年の小型風力発電の売電価格
21円(税抜) 55円(税抜)
なんと太陽光発電の2.5倍以上の価格差があります。小型風力発電は、太陽光発電よりも、設備などの費用が掛かると一般的に言われていますが、この売電価格のおかげで投資対象としても十分にメリットがあるのです。実際の投資物件事例をご紹介しましょう。

北海道にある風力発電
販売価格 3,750万円(税抜き)
システム容量 19.5kW
想定利回り 12.18%

青森県にある風力発電
販売価格 2,780万円(税抜き)
システム容量 19.20kW
想定利回り 12.02%
このように、想定利回りが12%を超えている投資物件が出てきます。

一方で、太陽光発電の投資物件はどのようになっているでしょうか。

宮崎県にある太陽光発電
販売価格 2,179万円(税抜き)
システム容量 88.45kW
想定利回り 9.47%

三重県にある太陽光発電
販売価格 2,018万円(税抜き)
システム容量 79.92kW
想定利回り 9.59%

栃木県にある太陽光発電
販売価格 2,250万円(税抜き)
システム容量 98.00kW
想定利回り 11.57%
太陽光発電の想定利回りは、9%中盤から10%前半。時に11%を超える物件もありますが、リスクが大きい場合もあります。これらの投資対象物件は、販売価格が大きいため、1%程度の違いが大きな価格の変化として返ってきます。

風力発電も太陽光発電も、どちらも10%以上の利回りを見込めるということは、投資した金額をすべて回収するために、だいたい9~10年かかる計算です。販売価格が2,000万円前後である太陽光発電に比べ、販売価格が約2倍の3,000万円~4,000万円の小型風力発電における投資効果は、同じ投資効率であれば、手元に残る金額も2倍になります。こうした効率が維持できるのは、売電価格が大きな影響を与えているのです。

 

小型風力発電の特徴② 安定感

太陽光発電に必要なものは太陽光であり、風力発電に必要なものは風力です。太陽光は曇りの日や雨の日には発電できませんが、風力発電はあまり天気に影響を受けません。当然、風が吹いていない日には発電できませんが、風力発電は、もともとどのような天気・気温であっても風が一定に吹き続けている土地に備え付けます。

また、太陽光発電は当然夜の間は発電できませんが、風力発電であれば24時間電気を作り続けてくれます。結果的に、太陽光発電と小型風力発電を比べたときに、同じ容量でも発電量が全く違う場合があります。もし、理想的な環境が続けば、年の利回りが20%を超えることも少なくありません。

つまり、太陽光発電に比べて、発電できないときというものが少ないのです。結果として、最初にシミュレーションした通りに発電してくれることが多いといえます。この安定感は、投資商品としての価値を引き上げてくれているといえるでしょう。

また、太陽光発電とは違い、風力発電はメンテナンスが必要となります。そのため、投資シミュレーションの時には必ずメンテナンス費用が含まれて計算されているのです。こうしたバッファを含めた計算がなされているというのも、非常に心強いものです。風車を掃除する、設備の調子を確認するといったことは、業者に依頼しておけばいいということになります。

小型風力発電投資をするなら気を付けておきたいこと
小型風力発電投資を行う際には確認しておきたいことが3点あります。

 

① 風力発電に適した土地は少ない

太陽光発電は、ある程度の大きな土地があれば十分に高い対投資効率を見込めますが、風力発電はただ土地さえあればそれでいいというものではありません。風力発電を効率的に行うためには、できる限り同じ方向から、風速6m/s前後の風が吹いていることが適切な条件といわれています。この条件を満たすような土地というのは、日本全体としてはあまり多くありません。
そもそも山がちの地形であり、平野が少ないということ、そして基本的には西から東へと風は吹いているのですが、時に北から、時に南からの季節風が吹いています。このような安定した土地を探し出し、適切な風力発電設備を設置することは、まだまだ専門の知識が絶対的に必要なのです。

 

② 徐々に価格は下がってきているが、設備費用はまだ高い

小型風力発電に注目している人は増え続けています。そのため、生産の効率化が図られてきているため、設備の価格は下がりつつあります。とはいえ、まだまだ小型風力発電機の本体価格が高い状態です。土地代などを含めると、小型風力発電と認められる20kWをぎりぎり下回る設備(18~19kW後半の設備)を導入するとなると、3,000万円~4,000万円ほどの費用が掛かります。
一方で、太陽光発電であれば、その半額程度の1,500万円~2,000万円を上回ることは少ないといった価格帯に収まるでしょう。初期費用がかさむというのは、投資という点からすると、少し気になるかもしれません。特に発電事業投資は、20年前後の長期間にわたって行われることを前提とするため、もし稼働し始めてすぐトラブルがあった場合、大きなリスクとなりえるでしょう。

 

③ FIT(固定買取価格制度)の動きには注意

小型風力発電投資における売電価格は55円(税抜き)であり、太陽光発電投資における売電価格である21円(税抜き)と比べると大きな違いがあります。この違いを保証している制度がFIT(固定買取価格制度)です。このFITですが、政治的な動きによって決められています。

2017年における申請を行った小型風力発電の施設は、当然55円(税抜き)ですが、2018年に作られたものについては値段が変わってくるのです。基本的には、FITは下がる方向で議論が進んでいます。小型風力発電には対投資効率が高いとはいえ、これは、売電価格が55円だから言えることです。2018年にはいくらになっているのか、2019年、2020年と進むにつれてどうなるのかについては、必ず業者に確認してください。
ただし、一度決められた金額については変更がありません。つまり、2017年に申請を行い55円で売れると決められているものについては、仮に2018年には30円となったとしても、20年間はずっと55円で売り続けることが出来ます。

 

まとめ

近年非常に注目された太陽光発電投資ですが、FITによる買取価格が徐々に低下してきており、十分な利益を上げることが出来ないと考えている人にとって、小型風力発電投資は非常に魅力的な投資先といえるでしょう。
FITの売電価格や安定的な発電力など、太陽光発電投資と比べても、3%前後の高い利回りを期待できる商品です。一方でリスクも存在します。物件が少ない、イニシャルコストが大きい、FITの動きが不安定といったリスクを必ず確認し、自分にとって最も魅力的な小型風力発電投資の物件を探してみてください。