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自然災害が頻発した2018年、不動産投資の天災リスクが増している?

自然災害が頻発した2018年、不動産投資の天災リスクが増している?

不動産投資をする上で1つの課題になってくるのが、今後の天災リスクにどのように備えるかです。日本は特に地震が多く、地域を問わず天災リスクを100パーセント避けるのは難しいと言えます。ここでは、天災リスクの現状や安全性の高いエリアの選び方などを解説していきます。天災リスクをカバーする保険についても見ていきましょう。

台風、洪水などの被害で不動産の天災リスクが増加している

2018年は全国各地でさまざまな災害に見舞われました。例えば、6月に大阪で起こったのが大阪北部地震です。マグニチュード6.1、最大震度6弱のこの地震では4万棟以上の建物が半壊や一部損壊などのダメージを受けたと言われています。7月には台風7号と梅雨前線の影響による豪雨が西日本を襲いました。この豪雨で特に大きな被害を受けたのが、四国地方や中国地方です。多数の死者、行方不明者を出した西日本豪雨では2万棟以上の建物が被害を受けています。

また、9月に上陸した台風21号の影響も大きく、全国各地で被害が相次ぎました。この台風でも1千棟以上の建物が損壊の被害に遭っています。同じく9月には北海道を震源とするマグニチュード6.7、最大震度7の北海道胆振東部地震が起こり、ニュースでも被害状況が報道されました。不動産が地震や台風、災害による火災などの被害に遭うリスクは建物の構造によっても変わってくると考えられていますが、耐震力・耐火力が1番高いのは鉄骨鉄筋コンクリート造の建物です。その次が、鉄筋コンクリート造の建物になります。ちなみに、一般の民家に多い木造住宅は耐震力や耐火力が1番低い建物に該当します。

このような耐震力、耐火力のランク分けから考えると、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションなどは天災リスクが幾分低くなる可能性があるでしょう。一方、リスクが高くなるのが木造の中古住宅です。新しい耐震基準が採用された1981年より前に建てられた木造住宅は、特に地震による倒壊リスクが高くなる恐れがあります。木造の中古住宅は価格が安いため、不動産投資でも人気がある物件の1つです。ただ、このような物件を購入するときは天災リスクが高くなることを理解しておく必要があります。高齢化は全国的に進んでおり、70代、80代の夫婦が以前に建てた古い家に住み続けるケースも少なくありません。

高齢者が亡くなったり、施設に入ったりして売りに出される中古住宅は全国的に増えています。空き家が社会問題になっていることなどからも、天災リスクが高い中古住宅が増えている状況がイメージできるはずです。中古住宅を安く手に入れてリニューアルをするリノベーションなどは全国的に人気ですが、古い家を活用する場合は相応のリスク管理が不可欠になってきます。各地で相次ぐ台風や豪雨は地球温暖化の影響も指摘されていますから、不動産の天災リスクは環境の変化によって今後も増大していく可能性があります。

安全性の高いエリアはどう選べばよいか

不動産投資の天災リスクを少なくするには、建物が建っている土地の環境に目を向けるのも1つの方法です。実際、地震や洪水などはリスクが高いエリアと低いエリアにある程度分けることができます。安全性が高いエリアを選ぶには、不動産が位置する地域の環境を調べる必要があるでしょう。例えば、地震のリスクを調べるときには朝日新聞社のサイトから利用できる「揺れやすい地盤」などが役立ちます。地震の揺れで建物が倒壊するリスクは、地盤の強度によっても変わってきます。この「揺れやすい地盤」では、住所からその土地の地盤の強度をチェックすることが可能です。地形の種類や揺れやすさを示す表層地盤増幅率などが表示される仕組みになっており、地震のリスクを知る手がかりが得られます。

また、その土地の天災リスクは「国土交通省ハザードマップポータルサイト」でも調べられます。このサイトには、住所から天災リスクをチェックできる「わがまちハザードマップ」や地図を使って知りたい場所のリスクを調べる「重ねるハザードマップ」などが用意されています。どのような天災リスクがあるかは地域によって大きく違います。こちらのサイトの機能を使うと、その地域でリスクが高い災害の情報が得られます。例えば、水害や土砂災害のリスクが高いエリアの場合は、公開されている洪水や土砂崩れのハザードマップにアクセスができるようになっています。また、海岸沿いのエリアでは津波のハザードマップなどにアクセスできます。

不動産投資の物件は、長期的な視点で天災リスクをチェックすることが必要です。今後予測される災害リスクを知りたい場合は、自治体や民間企業などが公開している液状化マップなども確認しておくと安心です。液状化マップは、一般的にボーリング調査の結果などをもとに作成されています。埋め立て地などは一見地盤が強そうに見えても、将来液状化現象に見舞われる可能性がゼロではありません。液状化のリスクが高い土地は地震の揺れの影響を受けやすく、土砂災害などの被害に遭う可能性もあります。こういった土地にある物件は大地震や台風、集中豪雨などで一気にダメージを受けることが多く、不動産投資には不向きです。不動産投資をする上では、できるだけ天災リスクが低いエリアの物件を選びたいところです。インターネットを駆使して、地域の環境をチェックするのが安全なエリアを選ぶアプローチになるでしょう。

保険でどうリスクをカバーするか。利回りはどう変わるか

天災リスクは、保険商品を利用することである程度はコントロールができます。例えば、民間の保険会社が発売している地震保険や火災保険などは不動産投資のリスク管理にも役立つ商品です。ただ、このような保険に加入すると、必要経費として保険料を計上しなければなりません。したがって、不動産投資の実質利回りが少し変わってくる可能性があります。保険金の対象になる災害が発生しない場合、保険料の分だけ経費が多くかかります。しかしながら、こういった必要経費は損害保険料として収入から控除することが可能です。リスク管理に適した保険に加入することは、災害が発生しなくても相応のメリットは得ることができます。

保険商品には、1つでさまざまな災害がカバーされるものがあります。実際、火災保険として販売されている商品で水災や風災などがカバーされるケースは少なくありません。補償される災害を自分で選べることも多く、物件のリスクに合わせてベストな保険商品を選択できるようになっています。例えば、ある保険会社が発売している商品は火災保険でありながら雪災やひょう災なども保険金給付の対象です。雪やひょうによって屋根瓦などが破損したときなどでも保険金が給付されるのがこの保険の特徴です。豪雪地帯や台風、集中豪雨などが多いエリアではこういった保険商品が不動産のリスク管理に役立つでしょう。

保険は、いろいろな特約をオプションで追加できるケースが増えています。また、地震保険なども後からプラスできることが多いです。必要に応じて保険をカスタマイズしていけば、天災リスクが高い中古住宅で不動産投資を始めるときにも臨機応変にリスク管理ができるでしょう。リスクが高い物件を購入して不動産投資をする場合は、対象になる災害が多い保険を選ぶと安心です。

【まとめ】天災リスクへの備えは物件の購入前から始めるのがベスト

不動産投資を成功させる上でも、天災リスクへの備えは物件の購入前からスタートするのがベストです。不動産投資にはいろいろなリスクがありますが、必要な準備をすることで予想外のトラブルを抱える可能性は低くなります。物件周辺の土地のチェックや保険商品の情報収集などは早めに始めておいて損はありません。購入してから慌てないように、しっかりと準備を整えてから不動産投資にトライしましょう。