ホーム > 資産防衛 > 【世界経済】米中貿易戦争の今後が不安!日本への影響とは?

【世界経済】米中貿易戦争の今後が不安!日本への影響とは?

ビジネスや経済に敏感な経営者にとって、米中貿易戦争の今後は気になるところでしょう。世界経済の中心であった米国と急成長を続ける中国の貿易問題は、日本経済にも大きく関わってきます。G20サミット後に米中貿易戦争が休戦となるかどうかが焦点の1つでしょう。長期戦になる可能性や日本経済への影響などについても説明します。

G20サミット後「米中貿易戦争」は休戦となるか?

金融と世界経済に関する首脳会合を行うG20サミットには、20を超える参加国の首脳が参加しています。その中には米国や中国、日本の首脳も参加しています。他にも、招待国の首脳や国際機関の代表なども参加するため、非常に重要なサミットといえるでしょう。このG20サミットの目的は、世界経済を力強く成長させていくというものです。当然、世界経済に大きな影響力を持つ米国と中国の貿易戦争である「米中貿易戦争」についても話し合われることになるでしょう。

ビジネスや経済に敏感な経営者などの間では、G20サミット後、米中貿易戦争が休戦となるかどうかが注目されています。米中貿易戦争は米国と中国の2か国だけの問題ではありません。日本を含む世界中の国々とって無視できないものです。グローバル化によって、経済やエネルギー問題などが複雑に絡み合う中、世界経済について活発に議論を交わせるG20サミットは貴重かつ重要な場です。米中貿易戦争が休戦となるかどうかは、G20サミットに関わっている首脳陣次第といっても過言ではないかもしれません。

しかし、1つ忘れてはならないのは、貿易戦争自体はそれほど珍しいものではないということです。それは米国と中国の貿易戦争についても同様です。それぞれの国家が自国の利益を優先し、貿易を行っています。これは当然のことであり、世界中の国々の利益という観点が疎かになるのも仕方のないことかもしれません。世界中の国々の利益を考えるG20サミットの方が特別といえるでしょう。

世界経済は金融や開発、エネルギーなどが複雑に絡み合ったものです。理想としては、すべての国々が安定的に経済成長することが望ましいですが、極めて難しい問題なのは事実です。G20サミットでは米国と中国の首脳が会談に臨むことでしょう。両者が、自由貿易の重要性を再確認し、保護主義に偏りすぎない姿勢を取れば、米中貿易戦争は休戦と呼んでも良い状態になるかもしれません。米国と中国が互いの要求に、どの程度譲歩できるのかが焦点です。貿易問題を巡る緊張が一時的でも緩和されれば、世界経済が大きく良い方向を向く可能性もあります。

今後、長期戦になる可能性もあり

G20サミットのように20か国の首脳や国際機関の代表者などが話し合う会合は、米中貿易戦争の休戦ではなく、長期戦に繋がる可能性もあり得ます。会談をした結果、休戦ではなく、長期戦を行うという結論に達することもあるからです。米国や中国が自国の利益を優先し、相手国への譲歩をしなかった場合、米中以外の国々が尽力して関係悪化を回避しようとしても難しいかもしれないのです。特に中国の知的財産に関わる制度や産業政策などは、米国を刺激しやすく、簡単に答えを出すことのできない難問となっています。

また、会談中は上手く話し合いが進んでいるように見えても、会談後に状況が変わる可能性もあります。例えば、中国の首脳が会談で休戦に前向きな姿勢を見せても、会談後に国内で強い反発を受ければ、長期戦に方針を転換することもあり得るのです。これは中国だけにいえることではありません。米国の大統領といえど、すべてを自分1人で決めることができるわけではない以上、国内の意思の統一が不可欠でしょう。G20サミット後も、米中の関係に不透明感が残り、世界経済の先行きが予測しづらい状況が続くかもしれません。

米国と中国が互いの輸入品に関税をかけ合う貿易戦争は、米国にとっても中国にとっても貿易の鈍化を招きます。世界経済への悪影響だけでなく、米中貿易戦争を行っている両国にとっても経済的なデメリットが予測されます。それでも米中貿易戦争が始まり、継続している理由は、相手国の巨大市場から得られる利益を失っても、軍事分野やハイテク分野での優位性を確保するメリットが大きいと両国が判断しているためです。米中貿易戦争の休戦にも長期戦にも、メリットとデメリットが存在し、その複雑な情報を分析して判断するだけでも、長期間かかる可能性もあります。

貿易戦争というと、貿易赤字問題などだけを指していると考える人もいるかもしれません。しかし実際は多岐にわたります。米中貿易戦争に限っても、知的財産の問題や人権問題なども関わっているのです。これほど多岐にわたり、国の行く末にも大きく関わってくる問題が、早期に解決すると考えるのは楽観的過ぎるかもしれません。

例えば、中国は米国という巨大な市場で利益を上げるよりも、自主開発を推進した方が長期的に見て国家のメリットがあると判断したこともあります。元々は貿易問題に端を発した米中貿易戦争ですが、インフラ投資やハイテク技術開発などにも戦線が拡大し、問題が絡み合って複雑さが増している状態なのです。そのため米中両国とも、休戦するための手段を模索しつつも、長期戦の構えも見せています。

米中貿易戦争の激化で被る日本経済への影響は?

日本は米国の同盟国であり、米中両国と貿易を行っています。当然ながら米中貿易戦争の激化で、日本経済も影響を被ることになります。

米中貿易戦争の激化によって日本経済が大きな打撃を受けると予想される理由は、日本の自動車産業と米中両国の関係にあります。

例えば、日系企業が中国で自動車の生産を行っているケースは少なくありません。もし米中貿易戦争が激しくなった結果、中国経済が悪化した場合、日本の自動車産業が大きな影響を被る可能性があるのです。自動車産業は日本が誇る産業の1つであり、日本経済への影響力が強い分野です。

また、日本の自動車産業は米国とも深く関わっています。米国に自動車を大量に輸出しているため、もし自動車の輸入に関税をさらに課せられれば、打撃を受けることは避けられません。

自動車産業だけでなく、世界中で貿易の縮小が見られるようになれば、様々な分野においても影響を被ることは免れないでしょう。貿易で赤字を抱えている米国としては、その赤字を削減するために行動を起こすことは当然といえます。

一方、日本も国内の産業を守るために米国などと交渉を続けています。米中貿易戦争の激化で影響をまったく受けないというわけにはいきませんが、その被害を緩和させようと働きかけているのです。

米国にとって、中国だけでなく、日本も貿易赤字を縮小するために交渉しなくてはならない相手です。日本は、米中貿易戦争の激化の結果、米国への対応を迫られています。自動車に対する追加の関税を避けたとしても、同じ議論が再燃する可能性は十分あります。なぜなら米国の貿易赤字という問題自体は解決していないからです。少しでも米国経済が安定するように、米中貿易戦争が沈静化することが望ましいでしょう。

米中の貿易摩擦問題は決して当事国だけの問題ではありません。特に米国経済と密接な関係を保ち、米国の恩恵を受けてきた日本にとっては、景気を大きく左右する大問題です。

まとめ

世界経済を考えていく上で、米中貿易戦争は重要な要素です。米中貿易戦争が休戦となるか、長期戦となるかで、日本を含む世界中の国々の経済が大きく変わるでしょう。特にG20サミットによって米中貿易戦争が休戦となるかどうかが焦点の1つとなっています。無論、複雑な問題のため、長期戦になる可能性も予測されています。米中貿易戦争の激化は、日本経済に小さくない影響を与えることになるでしょう。