1,「YCC を辞めるのか辞めないのか」
YCC をいつまでも継続すれば円安が進行し、かつ国債市場の機能不全で、政府の資金調達が困難になり、政府はデフォルト。さらに、政府の歳出は日銀がファイナンスするさらなるThe 財政ファイナンスが進行する。円は世界に見捨てられ紙くずとなる。紙くず紙幣を発行する日銀も信用失墜でOUT。
YCCを辞めると、長期金利爆頭で政府はデフォルト。日銀は巨大債務超過でThe End。どちらにしろ、円は紙くず化。放漫財政で世界一の借金国家になり、財政ファイナンスで中央銀行が世界一のメタボになってしまった国家の末路。せめて20年前から私の警告を聞いてくれてたらと残念でならない。オーソドックスな金融論、先人の知恵は正しかった。
2.
日銀のYCC のせいで、国債市場の機能不全が、多くの記事で指摘されている。国債市場とはなにか?政府が借金をする場だ。これが崩壊すると政府は借金が困難になる。機能改善のためには日銀はYCCから撤退しなければならない。
3.「それではYCCを辞めると?」
YCC は長期国債の爆買いと表裏の関係である。国債を爆買いしないと、本来中央銀行がコントロール出来ない長期金利などゼロ%に押さえつけておくことなど出来ない。その爆買いは何故始まったのか?私が何度も言うように財政破綻の先送りのためである(デフレからの脱却のためとの美名の下に隠してあったが)
「日銀がYCCを辞めるのでは?」との議論が巷にあるようだが、YCCを辞めればYCC前の状態に戻る。びっくりするほどの長期金利爆謄で、政府はデフォルトだ。政府は毎年の赤字債40兆円と満期が来る債券の償還資金100兆円+を集めなければならない。日銀以外、そんな巨額を、こんな低利で貸してくれるところなどない。長期金利が急騰すれば日銀も莫大な債務超過でThe end 、円は紙くず化。
4、「長期金利は市場が決めるもの」
オーソドックスな金融論では「中央銀行は長期金利は市場が決めるものであり、中央銀行はコントロール出来ない」だった。それが正しいことが今、証明しつつある。ちなみに2004年5月20日にシアトルで元FRB議長も
These long-term rate are determined not by Fed but by participants in deep and sophisticated global financial markets」と述べている。
5.「MMTerよ、ダリオ氏の正論に反論出来るなら反論してみろ」
ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者Ray Dalio氏のコメントがブルムバーグに載っていた。「米国の通貨ドルを中心とする世界経済と秩序は崩れつつある。基軸通貨国の米国に加え、欧州や日本の債務が大きく拡大し、財務体質は健全でなくなった(中略)一方、財務体質が健全で国家の内紛がなく、イノベーション(革新)が進んで外国の紛争からの打撃が小さい国は有望だ」放漫財政による財政赤字国家は将来が暗いと言っているが、MMTerよ、ダリオ氏の正論に反論出来るなら反論してみろ。なお、為替は相対的なもの。ドルも弱くなる(=インフレ)だろうが、円は暴落だから、ドル・円は暴騰。
6.「世の中のインフレ楽観論は正しいのか?その1」
本日のブルムバーグ記事。「(JPモルガンの)」マイケル氏は米金融当局がインフレとの闘いを今年後半になっても継続し、ターミナルレート(金利の最終到達点)を最高で6%に押し上げる可能性があると警告する」「『賃金が下がらない限り、インフレは下がらない。失業率が上昇しない限り、賃金は下がらない』とマイケル氏は指摘。『リセッションにならない限り、失業率は上昇しない』と続けた」同意。今の世界的インフレはお金がじゃぶじゃぶのせいだからQT(お金の回収)が終わらない限りインフレは終了しない。世の中楽観論過ぎ。
7.「世の中のインフレ楽観論は正しいのか?その2」
以下、1月16日の日経新聞。ハーバード大教授 ジェイソン・ファーマン氏とのインタビュー記事「――米連邦公開市場委員会(FOMC)は5.0~5.25%までの利上げを想定しています。『もしインフレ率に好ましいサプライズがあれば、そこまで高くはならないが、私はそういう期待はしていない。6%まで利上げを続ける可能性だってある。23年の半ばにインフレ率が3.5%を超えていて失業率が4.5%以下なら利上げを継続すると思う』
(藤巻健史 公式ホームページから引用 ※ご本人の許可をいただいています) 藤巻健史 公式ホームページ https://www.fujimaki-japan.com/