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早めの対策が重要!事業承継を賢く進める方法

事業承継をどのように進めていくか。後継者問題に直面している中小企業の経営者は少なくありません。少子高齢化の影響かもしれませんし、良い人材は大手へ行ってしまうなど、原因はたくさんあります。

  • 次の世代が育たない。
  • 中途採用で後継者候補を入れたが辞めてしまった。
  • 息子や娘に経営者としての素質がない。

など。後継者を選びたくても選べない状況かもしれません。

また、誰にどのように事業承継をしていくかについても、頭を悩ませているのかもしれません。

親族にするか、従業員にするか。
友好的なM&Aを行い、事業を存続させるか。

この様に人材的な観点もあれば、株価や会社の資産価値としての観点でも考える必要があります。承継した方が、ハッピーになるように賢く進めていく方法はあるのでしょうか。

本記事では、事業承継における基礎的なことから、事業承継を成功させる方法を考察していきます。

 

現状把握と承継のビジョン、そして計画

 

事業承継を賢く進めていくために、重要なポイントがいくつかあります。大きく分けると3つになります。

  • 現状把握(ヒト・モノ・カネや資産、候補者の有無)
  • 承継のビジョン(自身の希望)
  • 事業承継計画(いつまでに・どのように)

この順番で行っていくというわけではありませんが、計画を立てる時には、「いつまでに」と期日を設定すると良いでしょう。

例えば、何歳までには代表権を譲り、現場を退くか。退いた後は何かしらの形でサポートをするか。時間軸をイメージしながら準備を進めていくと良いです。

そして、自身の会社ですので、社長自らがどのように残していきたいか。希望を描きましょう。

現状把握を行い、事業承継のビジョンと照らし合わせて、自身の希望の期日と相談です。後継者が育っていなくて、外部から招聘する場合、企業文化に馴染むまで、数年はかかります。無理な承継は、残された社員が辛い思いする可能性もありますし、会社が空中分解してしまう恐れもあります。

社長自身が育ててきた事業を末永く存続させるためには、早めに動いていく事が鍵になります。

 

現状把握(経営リソースや資産)

 

ヒト・モノ・カネの観点からどのような現状なのか把握をしましょう。これには、会社が持つ資産も含まれます。特許技術や著作権など、細かく見ていくことも重要です。

会社規模にもよりますが、現状把握や分析を行っていくと、想像してもいなかった資産を有していたり、価値に気づいたり、さらなる愛着が湧くかもしれません。

また、社長自身の資産状況も把握しておきましょう。

承継した後に、社長がどのような人生を歩んでいきたいか。それを実現するためには、資金が必要です。生活するには困らないくらいのお金は手に入っていると思いますが、次にやりたいことのために、十分な資金が入ってくるようにするのも良いでしょう。

経営リソースのヒトの観点から社内に後継者候補はいるのか。リストアップ対象の方は、できる限り幅広く選ぶと良いです。経営者としての教育をしていくことになります。これは、親族であっても同様です。

 

事業承継のビジョン(社長の想い)

 

現状把握をした後でも、前でも自分の会社をどのように承継していくかを描いていくことが大事です。現状把握前ならば、漠然としたビジョンになるかもしれませんが、徐々に明確になっていくことでしょう。

事業承継のビジョンと考えると「誰に」継がせたいと、ヒトにフォーカスしてしまいがちです。しかし、事業が与える社会的影響や責任、育て上げた会社がどのように生きていくか。
いわゆる社是や経営理念をしっかり引き継ぎ、それを実現し続ける力のある人物を後継者に選んだほうが、社長が築きあげた財産を長く残し続けてくれるでしょう。
経営理念を言葉で暗記していなくとも、社員の隅々まで行動や言動に浸透していれば、結果的に継承していると考えられます。

単純に業務を滞りなく進めていくだけなら、それほど難しくはありません。
創業者の理念が次世代に受け継がれるという観点で、誰に承継していくかを考えると末永く繁栄していくでしょう。

 

【事業承継】内部(親族・従業員)と外部のメリット・デメリット

 

想いが決まったら、誰に承継していくかのイメージです。

企業文化を理解している人、まわりからの人望が厚い人、会社を背負っていくのだと責任感のある人、色々と条件はあるでしょう。

外部からの抜擢であれば、社内には持っていない文化や考え方、技術を取りいれることができる為、さらなる発展が望めるかもしれません。

どちらもメリット・デメリットが考えられます。

▼内部(親族・従業員)へ事業承継するメリット
企業文化や経営理念を理解している。
長く働いてきた仲間なので、他の社員との一体感がある。
次期社長ということを事前に隅々まで浸透させておけばスムーズに受け入れられる。

▼内部(親族・従業員)へ事業承継するデメリット
企業文化に染まりきっているため、経営戦略などの広がりが持ちづらい。
一体感があるのは良いが、お友達感覚になってしまう。
良くも悪くも、先代と比較をされてしまう。

▼外部から後継者候補を招聘する場合のメリット
変革を起こしやすい。
新しい事業戦略や発展性を持てる。
その方独自の人脈の繋がりが得られる

▼外部から後継者候補を招聘する場合のデメリット
企業文化や経営理念を理解するのに時間がかかる。
社員に受け入れられるまで時間がかかる。
社内に派閥が生まれてしまう可能性がある。

デメリットに関しては、本人の資質にもよるところですので、人選によっては、解決する可能性もあります。上記を踏まえて、後継者のリストアップをしていくと良いでしょう。

外部から招聘していく場合は、ヘッドハンティングになることが想像できます。親族を後継者とする場合、本人に意思を確認しておくことが重要になります。

 

M&Aによる事業承継を考える

 

これまでは、ヒトに事業を承継する視点で考えてきました。運良く後継者候補がいて、しっかりと育ち、任せられる状況になったならば幸運ですが、そうでない場合、M&Aも考慮しておくと良いでしょう。

事業売却というイメージが強いM&Aですが、事業を存続させ、飛躍する可能性があるという点では、メリットがあります。また、会社売却による利益の確定や株式保有による継続的な収入を取り続けるというのも可能です。

それには、M&Aを行う際に企業価値を高めるという事がポイントです。

デメリットは、現在の従業員を受け入れてもらえるかどうかです。事業売却により、人的リソースが外部に流出してしまったら本末転倒です。また、自身の希望通りの経営がなされるかは分からないため、想像とは違う形で存続することになるかもしれません。

M&Aによる事業承継を行う場合は、専門的なノウハウを持っている仲介業者や企業に依頼するとスムーズにことが運ぶでしょう。

 

細かく方向性を決め、計画に落とし込む

 

社長の想いや方向性が決まったら、あとは「いつまでに」を想定し、計画に落とし込んでいく事が重要です。専門のコンサルタントにサポートしてもらいながら進めていく事がスムーズです。
ヘッドハンティングやM&Aに強いコンサルタントを選ぶと様々な選択肢が得られます。

事業承継は数年から10年単位での計画になるかと思います。そのため、ある程度余力ができた時に、次世代のことを考え始めると良いでしょう。

 

まとめ

 

事業承継を賢く進めていくためには、早めに動くことが最良の方法です。

ヒト・モノ・カネや自身の資産状況を改めて把握し、後継者候補をリストアップしていきましょう。それと同時に、どのような想いを受け継いでいきたいか、ビジョンの部分や企業理念がとても大事になります。

大切に育ててきた会社だからこそ、しっかりとした準備や計画を通じて次世代へ継いでいきましょう。

事業承継は、経営者にとって最後の仕事です。親族や取引先企業など、様々な方が関わってくることになります。細かいところまで配慮して、賢く進めていきましょう。