社会人の中には、今は就職しているけれどもいつかは起業したいという人もいます。主婦の中には、家事や子育てをしながら起業してお金を稼ぎたいという人もいます。一方で、実際に起業する場合には開業資金もかなりかかるため、かなりのリスクがあるのではと考える人もおられます。
ビジネスを立ち上げるときには補助金を利用するのはおすすめです。支給された補助金は返済の必要がないため、開業時での運転資金のリスクを軽減することができます。この記事では、創業支援事業者補助金を中心に、補助金の魅力や特徴、どんな人が対象になるかについて紹介するので、起業したときのイメージを掴むことができます。
使わないと損な起業家むけ補助金はたくさんある
中小企業庁の起業に関する調査によると、起業したときの課題として、半数の人が「資金調達」と答えています。また起業したときの資金調達先として、ほとんどの人が「自己資金」と答えていています。
しかし自己資金だけで起業するには限界があります。そこで公的機関からの補助金を利用して、開業のときの運転資金として充てるという方法があります。
補助金を使うことのメリット
起業するための資金を集める方法として、家族や友人からお金を借りる、銀行から融資してもらうなどが挙げられますが、公的機関の補助金の制度を利用するのがおすすめです。2つの理由が挙げられます。
自己資金にできる
家族や友人からお金を借りる場合には、必ず返済しなければなりません。さらにお金を借りる場合には利子も発生するので、より多くのお金を稼ぐ必要もあります。また銀行からの融資をお願いしても場合によっては、断られることもあります。
しかし補助金の場合には返済不要です。そのため自己資金として組み込むことができます。さらには自己資金が増えることによって、銀行などからの融資についても許可が下りやすくなります。銀行は開業時点では決算書を確認することができませんので、自己資金がどれほどあるかで融資を決定します。補助金を利用するとより多くの資金で起業することができます。
自治体や政府のお墨付きとなる
自治体や政府から補助金を受け取れるということは、その企業は優良企業であると認められていることになります。そのため別の業者と取引をする際の信用度を上げることができます。
開業資金を補助金で補うことができる補助金制度の一例
ビジネスを立ち上げるときに利用できる補助金制度はたくさんあります。一例として以下の2つの補助金制度を紹介します。
ものづくり補助金
経済産業省が行っているものづくり補助金の目的は、中小企業や小規模事業者の製品開発などの支援です。制度の名称は毎年異なり、補助金の予算も変わりますが、過去には最大で1,000万円の補助金が支給され、補助率は3分の2まで可能でした。また最大10社まで連携して申請することができたので、中小企業同士が手を取り合って支援を受けることもできます。
ふるさと名物応援事業補助金
ふるさと名物応援事業補助金は、優れた技術や素材などを、世界でも通用するブランドに高めるための目的として始まった補助金制度です。そのため、海外進出も考えている起業家にはおすすめの補助金制度です。戦略策定支援事業の場合には、最大で200万円の支援が、ブランド確立支援事業の場合には、最大で2,000万円の支援、補助率も3分の2、または2分の1となっています。
創業支援事業者補助金とは
公募されている補助金の中で、最近注目を集めているのが創業支援事業者補助金です。この補助金は、起業家にとって開業しやすい環境になるように整備するための補助金です。
創業支援事業者補助金は、創業者をサポートする人のための補助金
現在、各市町村の自治体は、新たな雇用の促進や経済のさらなる発展を目指すために、創業支援計画というプロジェクトを行っています。創業支援計画では、起業家が新たなビジネスをスムーズに立ち上げることができるように、地域の商工会議所や金融機関とも連携をとりながらサポートを行っています。
創業支援事業者補助金は、創業支援計画に取り組む民間の事業者向けのサポートのために、使用した一部の経費を支給する目的で設立されました。つまり、創業支援事業者補助金「ビジネスを立ち上げる人を応援する人」に支払われる補助金ということです。
創業支援事業者補助金で対象となる経費
創業支援事業者補助金の予算は4億円となっており、補助金の許可がなされれば、それぞれの事業者に対して最大1,000万円、3分の2補助率で支給がなされます。対象となる経費は、ビジネススキルの研修やセミナーや経営指導などでかかる人件費、広告費や調査のための旅費などがあります。
また補助金の許可が受けた事業者については、信用保証協会から8,000万円までの無担保の融資を受けることができます。
創業支援事業者補助金を対象者は事業者のみ
創業支援事業者補助金の対象者は、創業支援事業に取り組む事業者です。また創業支援事業を行うには、必ず法人格がなければなりません。また申請の際には、市町村の自治体とあらかじめ連携をとり、認定創業支援事業計画策定の確認書を提出する必要があります。
このため創業支援事業者補助金については、起業家に補助金が直接行き渡るものではありません。あくまで、起業のサポートをする人たちが受け取ることのできる補助金です。
創業支援事業者補助金にはどんなメリットがある?
創業支援事業者から起業のノウハウを学ぶことができる
創業支援事業者補助金による起業家への大きなメリットは、開業のための手厚いサポートが受けられるということです。起業家にとって必要な、開業をして成功するためのノウハウを身につけることができます。
具体的には、ビジネスを立ち上げるために必要な財務、経営、販路開拓、人材育成の4つの知識を学習することができます。例えば、年間で4回以上行われる創業塾へ出席することができたり、インキュベーションオフィスと呼ばれる、起業や創業をするために活動する入居者を支援する施設に入所したりできます。
さらに創業支援事業者が提供する個別相談も利用することができ、地域の商工会議所や金融機関の人と経営や財務についての相談を行うことができます。そのようにして起業をより具体的にすることができます。
税金が軽減される
創業支援事業者補助金による起業家への大きなメリットは税金の軽減です。創業支援事業の支援を受けた起業家が株式会社を設立するときに、登記登録免許税が通常の0.7%から0.35%へ軽減されます。株式会社としてビジネスを立ち上げたい場合には、とてもお得な制度です。
無担保での融資を利用できる
さらに創業支援事業者補助金による起業家へのもう一つのメリットは、無担保での融資が受けられるということです。信用保証協会から開業で必要な資金について、最大1,500万円まで無担保での融資が受けられます。そのため、開業の際の資金によるリスクを減らすことができます。
創業支援事業者による支援を申し込むには?
創業支援事業者からのサポートを受けたい場合には、地元の市町村役場の企業振興課などの相談窓口で申し込みを行います。窓口では具体的に行うことのできるサポートの概要と、それらに関する相談窓口を紹介してもらえます。
まとめ
ビジネスを立ち上げるときに補助金を利用すればお得で便利に
起業には興味はあるものの、いざ実行に移そうとすると資金集めに苦労してしまい、不安になってなかなか実現させるのは難しいと感じてしまいます。
そのような場合には補助金を利用して開業のための運転資金を集めるとともに、借金によるリスクも減らすことができます。補助金はたくさんありますが、補助金の限度額がそれぞれ異なっていますし、補助金によって起業家については対象外のものもありますので、まずはどんな補助金があるのかを調べてから検討するようにしましょう。
起業するときには、資金以外にもビジネスのノウハウを知らないことによる不安も付きまとうことがあります。そのような場合には、創業支援事業者に関する制度を利用することができます。補助金を直接支給されることはありませんが、ビジネスを立ち上げるのに必要な知識や具体的な開業の仕方について学ぶことができます。興味のある方はまずは、各市町村にある窓口で相談してみましょう。