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タワーマンション節税に待った!2024年政府が課税強化を検討?

タワーマンションとは?何階建てからがタワーマンションとなるのか

タワーマンションとは従来のマンションよりも高層のマンションがタワーマンションといわれています。

タワーマンションと呼ぶための法律的な決まりは特にありませんが、

建築基準法では高さが60メートルを超える建築物を超高層建築物とする取り決めがあり、

タワーマンションとは20階以上をさすのが一般的です。

タワーマンション節税とは

タワーマンション節税とは、相続税評価額と購入価格の差額を利用して、相続税を大幅に減額する節税方法です。

相続税は、国税庁の定めている評価基準によって被相続人の財産の価格(相続税評価額)が決められますが、タワーマンションは相続税評価額が購入価格に比べて大幅に低くなるため、節税に利用できます。

2015年1月相続増税で最高税率が引き上げられたこともあり、タワーマンションを活用した節税策に関心が高まりました。

タワーマンション節税の仕組み

ではなぜタワーマンションを購入することで節税になるのか?

その仕組みを説明していきます。

多額の現金預貯金をもっていると、相続税の負担が大きくなってしまいます。

しかし現金預貯金をタワーマンションに変えることで(タワーマンションを購入すること)で、現金相続から不動産相続に換えることができるので、相続税の負担を軽減することが可能となります。

現金で相続すると「金額=相続税評価額」ですが、タワーマンションは時価の3割程度で計算されます。

例えば1億円を相続する際、タワーマンションで相続すると3000万円が評価額となるので、7000万円の評価額分が節税可能です。

現金を相続するよりも大幅に相続税を少なくできるので、タワーマンションを利用して相続しようとする人は増えています。

タワーマンション節税は2017年に1度税制改正された

2017年の税制改正で、タワーマンションの固定資産税が見直されました。

「価値の高い上層階の不動産が、下層階と固定資産税が同額なのはおかしい」ということで決められたのがこの改正です。

上層階になるにつれて、固定資産税の負担が上がるように定められたため、固定資産税の差は出るようになりました。

しかし、メインの節税となる相続税の税制は強化されていないため、タワーマンション節税は未だ活用可能です。

2017年4月以降に売買契約したタワーマンションが対象になりますので、それ以前に購入したタワーマンションについては以前の固定資産税額の計算方法によって算出されます。

ただし、今後も税制が強化される可能性はあるので、その点は注意してくださいね。

 

2024年以降、タワーマンション節税の税制改正で相続税を見直す方針

タワーマンション節税は相続税を大幅に減額できる節税スキームですが、公平性の観点から評価額の算出ルールを見直すことが決定しました。

評価額の基準となる路線価が不動産自体の時価と離れていることから、タワーマンションを購入することで税金対策になることが国税庁から問題視されており、

2023年度の不動産鑑定士らの有識者会議を経て、与党税制改正大綱に盛り込まれ、2024年度以降の制度改正を目標としています。

今後は相続税の大幅な節税もできなくなる可能性が出てきているので、税制改正には注目しておきましょう。

なぜタワーマンションが節税に効果的なのか

 

通常タワーマンションは高層階になればなるほど価格が上がり、最上階が最も価格が高くなります。

しかし、相続税評価額は一般に床面積で算出されるため、床面積が変わらなければ低層階も最上階も評価額は同じになります。

そのため、タワーマンション節税では最上階(もしくは高層階)が利用されることになります。

仮に最上階の時価が2億円、相続税評価額が6,000万円だとすると、現金で相続した場合2億円に対して相続税がかかります。

タワーマンションの最上階として相続することで相続税は評価額の6,000万円に対してかかることになり、残りの1.4億円が実質無税で子供に相続させることができるわけです。

(あくまで簡易的な例であり、状況や物件等によりこのようにならないケースもあります)

 

課税強化のきっかけはある親族への追徴課税

国税庁と総務省が、節税対策に使われやすいタワーマンションの高層階に対し課税強化を検討しているというニュースが流れました。

このニュースでは、ある親族が相続したタワーマンションに対して追徴課税されたケースが紹介されています。

このケースでは、入院していた父親の代わりに親族が代理人となってマンションを購入しました。

親族は、マンションの相続時は時価よりも低い評価額で相続税を申告し、相続した4か月後に購入額とほぼ同額で売却しました。

ちなみに売却益については当然所得税がかかりますが、これは購入額や取引コストを除いた額に対してなので、この額が小さければ所得税も少なくて済みます。

しかし、問題だったのは入院していた父親が認知症を患っていたことです。

このため、相続税を減らす目的で判断能力のない父親の名義でマンションを契約したと国税不服審判所に指摘され、結果として追徴課税されたというわけです。

もちろん、タワーマンション節税を活用している人がすべてこのケースに当てはまるわけではありませんが、このことがきっかけで課税強化が進む可能性はあります。

 

まとめ

タワーマンションに住む方は富裕層というイメージが多いですよね。

タワーマンション節税は、大幅に相続税を減額できる節税として富裕層の方を中心に非常に注目が集まっています。

相続税評価額と時価の差を利用して7割程度の相続税を節税できるので、非常に節税効果は高いです。

しかし、国の課税強化の動きもあり、節税目的だけでタワーマンションを購入したことが明確な場合は追徴課税を受けるケースもあるので、今後も税制改正には注目しておきましょう。