相続税還付制度とは?
相続税をすでに納められた方、支払った相続税が戻ってくる還付金制度をご存知でしょうか。
相続税の還付金制度とは相続税還付の期限は相続の開始を知った日の翌日から5年10ヵ月です。
ほとんどの方にとって相続の開始を知った日は被相続人の死亡日ですので、死亡日の翌日から5年10ヵ月と言ったほうが分かりやすいかもしれません。
死亡日の翌日から5年10ヵ月、払いすぎた相続税の返還を求めることが可能な制度が「相続税還付制度」です。
意外と多い!相続税の申請ミス
相続税に詳しくない税理士による計算ミス
「うちは税理士さんに頼んでいるから相続税の申請ミスはない」とお考えのあなた、税理士さんが手続きした場合でも、誤った申告をしてしまっているケースが多いことをご存知ですか?
税理士なのになぜミスが起こるのか。
理由としては、相続税の実務経験豊富な税理士が実は少ないことが挙げられます。
令和3年の相続税の申告数は約13万件程で税理士は約8万人ですので、単純に割りますと1人の税理士がとりかかる相続税の申請は年約1.6件ほどとなります。
一般的に税理士メインとする相談内容としては、法人の会計処理や法人税申告、所得税の確定申告主要などで、相続税は件数自体が少ないため、相続税申請に不慣れな税理士が多いといわれています。
そして医者にも外科や内科、皮膚科といった専門分野がある様に、税理士にも法人税、所得税、相続税、贈与税と種類があるため、得意不得意分野があります。
そのため相続税に関しては、専門に扱っている税理士でない限り、年間で数えるほどしか対応しないといったケースも少なくありません。
相続税にあまり詳しくない税理士に依頼してしまったことで、正しい土地の評価ができず、相続税が高額になってしまうといったケースが起こってしまうのです。
普段から顧問税理士を依頼している場合、相続税の申告も顧問税理士に依頼すればよいと考えてしまいがちですよね。
ただ先ほどお話したように専門性が異なるため、依頼した結果多額の相続税を納付してしまうパターンが実は多く発生しています。
対象資産の中に不動産が含まれていたら、還付される可能性が高い!
特に対象資産の中に不動産が含まれていたという方は、還付される可能性が高いので見直ししてみることをオススメします。
なぜ不動産だと可能性が高くなるのでしょうか?
ミスが多く見られるのが「土地評価」です。
土地の評価額は時価であるため、形状や周辺の環境によって相続税を計算するときの評価額を大きく下げることができます。
ひとつひとつの土地ごとに判断が必要なため、土地の相続税評価は大変難しく、経験や知識が豊富な専門家でなければ難しいと言えます。
そのため不慣れな税理士の場合、評価減が不十分で最終的な評価額が本来よりも高くなってしまうケースがあります。
それに伴って納税額も高くなってしまっていたわけです。
具体的な例を挙げると、歪んだ形の土地の場合は不整形補正として評価減できたり、貸宅地は借地権割合を控除できたりします。
このような細かな部分が見落とされている可能性があるのです。
少しでも気になったら相続専門の税理士に相談しましょう!
繰り返しになりますが、既に相続税を納めたという方でも、死亡日の翌日から5年10ヵ月以内であれば還付される可能性があります。
- 相続税計算時の対象資産の中に不動産が含まれている
- 申告時の相続人全員の合計納税額が1,000万円以上であった
上記の2つの条件に当てはまっている場合は還付される可能性が高くなります。
ぜひ、少しでも可能性を感じたら、相続税に関する実績が豊富な税理士へ相談することをオススメします!
まとめ
「相続税に関して税理士に相談したから安心」と思っていらっしゃる方は現実とても多く、「相続税還付制度」があると知っていても、自分とは無関係と思って知らぬままに払いすぎている可能性があるのです。
この記事を読んで少しでも該当すると思った方、もしかして…と思われた方は相続税専門の税理士に相談してみましょう。