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「事業承継」は不動産投資が有効!その仕組みと有効性とは?

事業継承の際には、相続対策は必須で、その戦術の1つに不動産投資が有効です。

この記事ではその仕組みと有効性について、説明していきます。

 

事業承継とは

事業継承とは、会社などの事業について、後継に継がせることを表しており、中小企業であれば親族や社内から事業を後継者に継承することが多くみられます。

そんな事業継承の数ですが中小企業庁によると、事業引継ぎ支援センターで請け負った事業継承の案件数は年までで、一年ごとに倍増しており、2021年度に至っては相談件数は2万841者と前年比78%増と大幅に増加し、過去最高を更新しています。

さらにその件数の中から事業継承をするうえで後継者の育成期間の準備には5~10年かかっていることが過半数を超えていることがみてとれました。


事業承継は後継者さえ見つかればすぐに実施できるというものではなく、長い期間をかけて進めていく必要があります。

それだけの準備を要するため、事業継承は失敗したくないと考えるのが普通です。

そして、その安定した事業継承を行うための手段として、不動産投資にはどのような効果があるのかについて、以下に記します。

 

1 親族や従業員への事業継承においてのポイントは、自社株の評価を下げる

事業継承には、後継者の選定(親族にすべきか、社内の適正人材にすべきか)と育成から経営ノウハウの伝授などがあり、そんな中でもやるべき1つに自社株の評価を下げることが含まれます。

どこの企業もそうですが、相続対策で重要なのは、自社株の評価をいかにうまく下げるか、です。

その理由として、良い評価が得られている企業ほど自社株の評価額が高い傾向にあるからです。


なので評価が高いまま事業継承を行うと、後継者に降りかかる納税の負担が大きくなり、最悪の場合、企業の乗っ取られや倒産などというケースが実例であります。

そのような対策として自社株の評価を下げることが重要視されます。

また、自社株は市場での取引がないために換金性が極めて低いです。

つまり、納税するための資金をすぐに用意することができないリスクがでてきます。そんなリスクを避けるために、不動産投資を行うことを推奨いたします。

 

2 不動産を購入することが、自社株の評価を下げる


なぜ不動産を購入することが自社株の評価を下げるのかというと、相続税評価額を算出する際、不動産は時価で評価されず、路線価、あるいは固定資産税評価額が用いられるからです。

そのため、実勢価格よりも低い金額で不動産価格が評価され、純資産評価額が減少し、結果的に株価が下がります。

事業継承において自社株の評価を下げることが重要だと何度も繰り返し述べてきましたが、間違ってはいけないのは企業価値全体を下げてしまうことです。


あくまで、企業価値は保ちつつも、株価のみに焦点を当てて、評価を下げるというやりかたです。

利益や純資産が減ればもちろん株価も下がります。この純資産に目をつけるということです。

また株価が下がれば、相続税評価額も下がります。

つまり純資産額と相続税評価額は比例関係にあり、純資産額を減らすことで、相続税の負担を軽くする効果が得られます。

そして不動産投資の中でも特に収益用不動産の取得がより多くの利益をもたらしてくれるでしょう。

では確認として、取引相場のない株式にはどのような評価方法があるのか見ていきましょう。

3 非上場企業の株式の評価方法は3つある

非上場企業の株式の評価方式は「類似業種比準価額方式」、「純資産価額方式」、「併用方式」の3つの方式があり、どの方式を用いられるのかについては、一言で言ってしまうと会社の規模です。

会社の規模とは従業員数、総資産価額、取引金額、業種に応じて、大会社、中会社、小会社に区分します。

従業員の数や、純資産価額や、業態によって、その会社の株式評価方式が変わってくるので、一般に大手企業になれば「類似業種比準価額方式」または「純資産価額方式」を、小企業または中企業になれば「純資産価額方式」か「併用方式」が採用されます。

つまり、中小企業であれば、不動産投資による相続対策に有効です。

 

類似業種比準価額方式とは

非上場企業の株式について、その事業内容が似ている上場企業の株式を参考にした上で、株単価の評価額を決定するといった方式で、ここの「類似業種」とは事業内容が似ている企業で、上場している企業のことを指します。

ただし、上場企業と非上場企業とでは、同じ業種、同じ事業内容であっても、上場企業のほうが、評価額は一般的に高いと考えられます。


なので、そちらと同じ額として、算定されてしまうと相続税評価額が大きくなり、余分な負担が後継者にのしかかります

ですので、この点においては適正な評価額の算出と節税に繋げる場合には専門家に相談することをお勧めします。

このように、非上場企業の株式評価は少しハードルが高いように思われます。

次に実際に評価を決めていく際にみられる要素についてお伝えします。


非上場企業株式の評価要素は「株価」「配当」「利益」「純資産」の4つです。


株価」に関しては、類似する上場企業を参考にされます。


残りの3つに関しては、類似する上場企業とその事業継承を行う非上場企業の両方に関するものです。

上記の要素を十分に加味したうえで、株式価格(時価)を決定することになります。

そして、この時価に対して、評価会社の規模に応じた調整率をかけて最終的な評価額を決めます。

上記の4つの要素、「株価」「配当」「利益」「純資産額」について、計算に必要な類似業種の「株価」「配当」「利益」「純資産額」などは国税庁が定めており、平成29年度税制改正において、計算に使用できる対象株価の拡大、計算式の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重を1:1:1に変更する等の見直しが行われました。

国税局が毎月公表していますので、評価額を算定される場合には、その公表された数値を使用します。

 

純資産価額方式とは

会社のもつ「純資産価額」を株式の数で割って算出する計算方法が、「純資産価額方式」です。

考え方としては、「相続がなされる際、つまり解散時の会社の純資産はいくらか」ということになります。

一般に、会社が解散した場合を想定すると、その時点で会社の業務はストップ、そして会社が所有する資産や負債を清算することになります。

清算を行う場合には、解散時点で会社が所有している資産や負債を時価で計算して評価したうえで、売却することによって現金に変換していきます。

そして、ここで売却益が出たような場合には、法人税などが課される(最大で37%)ことになります。

そして現金化をしたうえで、負債と税金を支払ったのちに生まれた差額が純資産価額となり、この純資産価額から株主に配当を行ったのちに、会社は解散ということになります。

このように、その会社が解散した場合を想定して、その会社の株価の総額はその会社を時価で売却して得た利益と同じ金額になります。

考え方としてこれが前提となり、事業継承の場合、この純資産価額にたいしての相続税評価額が計算されます。この計算方式が純資産価額方式となります。

純資産価額方式は上記でも述べていますが、主に中小企業での事業継承において重要視される方式です。

そして、先ほどの説明より、清算後の資産と負債の差額である純資産価額が一般に小さくなればなるほどそこに対する相続税評価額が低くなります。

つまり、その手法として不動産投資を行うことが有効となります。

まとめ

事業継承というのは、やるべきことが多く存在します。

その一つとして不動産投資は必要な要素であると考えられます。

しかし、それをすべて一人で行うには限界があります。そして、納税対策だけのために、むやみに純資産額を減らしてしまうと、企業価値そのものも下がってしまう危険性も秘めています。

なので必ずその分野のプロの専門家を頼ることをお勧めします。

そして、後継者への負担を少しでも軽くすることも、経営者にとって大切な仕事の一つです。

また、事業継承のことを後回しにし、おろそかにしてしまうと、遺留分(相続人が最低限受けられる財産)を主張されたり、後継者の発見から育成に時間がかかったり、社会的信用が乏しいことから資金の調達が難しいなどの様々なリスクがでてきたりします。

そのため、時間には余裕をもって準備をしておくことが大事です!