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借地権の収益物件は買いか?スルーか??

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(写真=ra2studio/Shutterstock.com)

不動産投資は、資産を増やす以外にも節税などさまざまなメリットがあります。ただし、不動産投資は不動産購入にかかる金額が大きく、他の投資方法と比べると初期費用を用意するハードルが高くなりがちです。

そこで、土地を購入するのではなく借地するという方法があります。これにより、初期費用が大きく軽減され場合によっては高い利回りで資産を運用することが可能です。借地権の収益物件についてぜひ知っておきましょう。

借地権とは

借地権とは、他人の土地を借りる権利のことです。一般的には住宅を購入した場合は、土地も一緒に購入すると想像しますが、借りた土地に建物を建築する借地権付き住宅というようなものも存在します。

もともと日本では、1921年まで借地という制度はありませんでした。しかし、土地に関するルールが曖昧な状況では、土地を貸してくれる地主は次第に減っていきます。そこで、土地の有効活用を促すために借地権制度が作られました。

借地権は大きく分けて「旧借地権」「普通借地権」「定期借地権」の3種類に分類されます。

1992年に以前までは「旧借地権」と呼ばれ、基本的には借地期間の満了時には、借地契約が更新されることになっており、現在でも旧借地権が適用されている住宅が残っています。

1992年に借地借家法が改正されると、借地権は「普通借地権」と「定期借地権」に分類されました。普通借地権の場合は、30年の借地期間の間に更新が2回ありますが、旧借地権と同様に正当事由が無い限り更新されることになります。一方で、定期借地権の場合は基本的に契約期間が過ぎると、土地を原状回復して地主に返還することになります。

借地権の収益物件の特徴

一般的に物件を購入する際には土地まで購入することになりますが、借地権が設定されている物件の場合は土地の購入代金は不要で、代わりに借地権を購入することになります。相場としては土地の購入価格の6~8割ほどといわれており、物件を購入する際の初期費用を大幅に削減することが可能です。

ただし、借地権の場合は地主に地代を支払う必要があります。借地権を所有していても土地の所有者ではないため固定資産税はかかりません。地代の相場はだいたい固定資産税の3~5倍程度といわれています。さらに、更新の際は、土地価格の約4~5%を更新料として支払う契約となっていることが多いです。

土地の貸し借りには、保証金や権利金が設定されていることがあります。保証金は借地期間満了時に返還され、権利金は借地権の購入費用とは別に契約の対価として地主に支払うものです。保証金や権利金は契約内容によって大きく異なるため、よく確認する必要があります。

借地権の収益物件のなかで、最も人気があるのは旧借地権が設定されているものです。

理由として、旧借地権は借地人の権利が非常に強く、更新を拒絶することができる要件が少し曖昧なため、半永久的な借地が可能とされている点や、地価上昇に伴う地代の引き上げが行われていない土地が存在する点があげられます。一方で普通借地権は、更新拒絶の要件が明確になっているため、理由によっては更新されない可能性もあります。

場合によっては借地権の収益物件が狙い目

借地権の収益物件を購入する最大のメリットは、購入費用が安い点です。一般的に不動産価格は土地を購入した場合と比較すると、定期借地権の場合は一戸建てが60%、マンションは80%が相場となっています。

特に不動産投資のための収益物件の購入を検討している方にとっては初期費用の削減は非常に魅力的です。軽減された金額を別の投資で運用することで、土地まで購入した場合と比べて効率がいい投資となる可能性があります。

また、借地権が設定されている物件は、契約内容によっては建て替えも可能です。しかし、特に収益物件に関しては住宅ローンの審査が厳しく、民間の融資の対象外となっている場合も少なくありません。

借地権の収益物件は初期費用や地代、保証金、権利金、更新料などかかる費用をすべて試算したうえで購入を検討しましょう。契約条件次第では、不動産投資に大きなメリットとなる可能性があります。

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