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「債務超過の怖さを知っている植田次期日本銀行総裁」「日銀マンが逃げ切ったことの意味」他

(本日第2弾) 本日は午前中に第1弾をアップしています。そちらもお読みいただけると幸いです。

1.「債務超過の怖さを知っている植田次期日本銀行総裁」

先日(2月5日)、私がブログで日本金融学会での講演を紹介したばかりの植田さんが日銀総裁になった。この機会にぜひ、彼の日本金融学会での講演録を精読していただきたい。特に注目の一文は、先日も紹介した通り「(債務超過のリスクを意識するようになると)債務超過に陥る前からその可能性を高める引き締め政策を躊躇してしまうリスクも無視できない」との文章。「黒田総裁が、物価高にもかかわらず利上げできないのは債務超過が怖いからだ」という点を20年前に看破していた。債務超過の怖さを熟知されている。誰が総裁になってもシミ程度しか利上げは出来ない。それ以上すると債務超過。

https://www2.boj.or.jp/archive/announcements/press/koen_2003/ko0310f.htm

2「逃げ切った雨宮副総裁」

日銀マンにとって垂涎の的であるはずの日銀総裁職、しかも今回は日銀内部者の昇格の番だった。それでもかかわらず、雨宮副総裁、中曾元副総裁、山口元副総裁は逃げた。そりゃそうだろう。火中の栗どころが、火中の時限爆弾を拾う仕事だからだ。事情を熟知している内部者ほど、怖くてたまらないはずだ。私が72年の人生の中で見た公職の中で、これほど貧乏くじで人生の晩年を汚す公職はない。

3.「日銀マンが逃げ切ったことの意味」

日銀マンが総裁職から逃げ回ったこと自体、日銀がいかにヤバい状態かの、強烈な証左だ。内部にいればいるほど、出口がなく、ヤバさがわかっているはずだからだ。世界では、「なぜ日銀マンが総裁職を受けなかったのか?」との疑問とその分析が行われ、そのヤバさを気付くきっかけとなると私は思う。植田氏は、日銀審議委員を経験したとはいえ、そもそもが東大の学者。学者の純粋さで、市場の怖さを全く知らないから、うかつに受けてしまったのだろう。かわいそうに。

(藤巻健史 公式ホームページから引用 ※ご本人の許可をいただいています)

藤巻健史 公式ホームページ
https://www.fujimaki-japan.com/