1「昨日のブルムバーグニュース」
昨日のブルムバーグニュースのタイトルは「米PCE価格指数、予想上回る伸び-利上げ継続への圧力増す」「最高6.5%への米利上げ必要、学会・金融界エコノミストが論文で指摘」「セントルイス連銀総裁、FOMCは「今すぐ行動を」-信頼回復が急務」とインフレに関しての悲観論が目白押し。円安ドル高加速
2.「日米金利差があるときのドルショートは苦しい」。
FXをやってる方は実感していると思うが、ドル売/円買は毎日コストを払う一方、ドル買/円売りは利益が蓄積される。ドル売/円買は高い金利を払って得たドルを売って円を得るのだが円では低い利息しかもらえない。その授受する金利の損を為替益で埋めねばならない。長期にわたるとつらいポジションだ。
3.「金利差を為替益で補填するのはいかほど苦しいか?」
ドル売/円買では今136.50だとすると2年物金利差が4.55%だから2年後にドル/円が123.26以上だと損失。2年物の金利差4.55%を穴埋めするためにはそこまでのドル円が下落しなければならないからだ。30年間だと1ドル=34.12円。ドル売/円買は短期間に急速に下がらないと儲からない。
4,「円の投げ売りが始まるか」
「日米金利差縮小」で「円買いドル買い」を進めてきた外国人投資家の円の投げ売りが始まるかも?米国でインフレ懸念が強く再燃してきた事に加え、一昨日の日銀総裁・副総裁候補の質具応答を聞いて短期間には、日米金利差は縮小するどころか、拡大すると認識し始めただろうと思うから。円売りポジション解消。
5.「生保の日本国債30年債買い」は妥当なのか?
現状の日米金利差は30年は2.5%だ。この2.5%×30年分の利息収入を賄うために為替で102,375%もけなければならない。30年後の為替が34.125円だ。しかもそれは単利で考えての話。30年後のドル・円が1ドル=34円になると思うのか?生命保険は長期の負債(保険料収ニュ)があるから資産も長期にする。それがALM だというが、ALMでも何でもない。何故、円で運用するのか?
6,『異次元緩和に効果なし。わかっていて も全力でやるしかなかった』」
異次元緩和開始当時から、私同様、その政策に批判的だった朝日新聞編集委員の門間元日銀理事へのインタビュー記事。タイトルは「『異次元緩和に効果なし。わかっていて も全力でやるしかなかった』」。原さんが鋭く突いている。門間さんはとうとう本音を話してしまったという感じ。日銀を離れた後、今の黒田日銀の政策をえらく擁護していた印象があるので、「なんだ、この人、この豹変ぶり?」と思ったのも事実。一部、本音を話してしまった半面、日銀の政策ミスに対して、相変わらずエクスキューズが多いとも感じる。
https://webronza.asahi.com/?iref=footer
7.「YCC(長 短 金 利 操 作 ) の解除など出来ない」
「( Y C C = 長 短 金 利 操 作 ) を ど う す る の か が 当面 の 課 題 で す 。植田 氏 も 以 前 、 論 考 の な か で 『 微 修 正 が き か な い 政 策』」 だ と 指 摘 し て い ま し た」との原編集委員に聞かれた門間元日銀理事は「 同 感 で す 。 理 屈 は そ う で す 。『 時 間 を か け て 見 直 す』」 な ん て 言 え ま せ ん 。4 月 の 出 発 点 で 変 え る の が ベ ス ト だ と 思 い ま す 。 た だ し 、 簡 単 で は な い の で で きる か ど う か は わ か り ま せ ん」と答えている。そりゃそうだろう、解除に走ったら4月の出発時点で日銀はThe End、円は紙くず化、日本経済ぐしゃぐしゃ、となる。理由は昨日も紹介したプレジデントオンラインに載った拙稿の後半部分に書いてある。長期金利がとんでもなく跳ね上がり、日銀は異次元の債務超過で信用失墜。
https://president.jp/articles/-/66766
8.「米国のインフレは財政のだしすぎ」
門間元日銀理事の以下の分析も注目「 米 国 は 微 妙 で す ね 。 い ま は 財 政 の 出 し 過 ぎ で イ ン フ レ に な っ て し ま っ て い ま す 。 ( コ ロ ナ 渦 の も と で ) 今 回 は や り す ぎ た と い う 感 じ で す ね 」 この辺は、私の主張と同じ、今回の世界的インフレの最大の原因は「金のバラマキ過ぎだから、お金を回収しないと、世界的インフレは簡単には収まらない。なら門間さんに聞きたい。「平時から米国の数倍規模で、世界最大規模のばらまきをしてきた日本はどうなる?それなのに、なぜ黒田日銀は、いまだに国債爆買いでインフレ助長政策を取っているのか>
日銀は大丈夫?」と。
9,「小さな政府が必要」
原真人編集委員が「 米 国 は や り す ぎ る と き も あ る が 修 正 も で き ま す 」と受けたのに対し 門 間 元理事は「米 国 は 共 和 党 に 伝 統 的 に 小 さ な 政 府 と い う 価 値 観 が あ り 、 そ こ に 一 定 の 重 み が あ る と い う 面 は あ り ま す ね 」と答えている。ご存じのように私は、(“本当に”困っている人たちへのセイフティーネットを確立した上での)小さな政府論者。そうでなければ、今回のX デイ、そしてその後、大復興が出来たとしても、再度、日本と日銀のとんでもない窮状、国民の共同貧困化が又やってきてしまう。
(藤巻健史 公式ホームページから引用 ※ご本人の許可をいただいています) 藤巻健史 公式ホームページ https://www.fujimaki-japan.com/