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「米国で軍人を優先搭乗させる理由」「長期金利が上昇した場合、日本ではSVBの様に個別行の問題ではなくなる」「日本もカヤの外ではない」他

1.「2週間の米国滞在」

金曜日に約2週間の米国滞在から帰国した。2~3年前から始めた個人的にはビックな5つのうちプロジェクト(75歳までくらいしか頭が働かないから、と幾分焦っている)のうちの1つが2月に完了した。そして今回の米国行きで2つ目のプロジェクトの山場を越えた。つくづく米国は契約の国だと思った。書類が目の前に山済みされたのを見てうんざりした。普段なら契約書は日本文にしても英文にしてもじっくり読み込んでからサインをするのだが、今回、そんなことしいたら3日間はかかってしまう。したがって「はい、ここ、はい、ここ」との指示通りにサインした。それでも45分かかった。金融に関しての英文の契約書や目論見書は今まで、何十回と読み込んだ経験があるから支障はないのだが、今回は、金融関係ではなかったのでえらく大変だった。そもそも日本と米国で制度が違うから、専門用語の意味が理解できない。かなりの勉強を強いられた。それでも契約書の作成の面で、弁護士とのやり取りでえらく苦労した。その契約も終了し、2つ目のロジェクトは山場を越した。あとは契約書に基づき、淡々と事務作業をするだけだ。これは日本にいても出来る。実は2週間出かけた先はハワイなのだが、ハワイに行ってきたというとバケーションと誤解されると思ったから米国と書いた。バケーション客が遊んでいる横で仕事をするのは、精神的に一層くたびれた。

2.「ハワイで気が付いたこと」.

ところでそのハワイで気がついたことの①バケーションの地では、わんさか人はいるが、マスクをしている人はほぼ皆無。いたとしても出会ったのは1日に2人か3人。マスクしている人を見ると罹患者かと思って逆に怖かった。ただしレストランやテイクアウト飲食ではマスクしている従業員も多少はいた。.②あいかわらず求人広告はいたるところで見かけた。③今回初めて気がついたのは、飛行機に搭乗する際に「身障者や、子供連れと同時に軍関係者が優先搭乗」出来ることだった。在米日本人に聞いたら、なにもハワイだけでなく、当たり前。最優先で軍人に騎乗させる場合もあるとのことだった。昔は、そのようなことはなかったと思う。

3「米国で軍人を優先搭乗させる理由」

この理由を米国人の友人に聞いた「It’s because we respect the men and women that serve to defend our country. It’s a controversial topic in most countries but these folks risk their lives defending our freedoms and way of life.  Letting them board a flight first is the least we can do」(それは我が国を守る人たちを我々が尊敬しているからだ。確かに多くの国では議論のあるトピックであろう。しかし彼、彼女等軍人は我々の自由と生命を守るために自らの命を賭している。最優先で飛行機に乗せてあげることは(彼らの貢献に対して)私たちが出来る最小限のことでしかないのだから)

との返事が来た。この点、私は米国人を尊敬する。何も自衛隊員を飛行機に優先搭乗させろとは言わないが、日本人は、もう少し、国を守る自衛隊を尊敬をすべきだと思う。

4,「時価会計VS 簿価会計」

米国滞在中に、モルガン時代の米国の友人(企業財務の専門家)とSVBに関し少し議論をした。その中で、先日書いた米国の会計基準に関して私に誤解があったことが判明した。時間が出来たら詳しく説明、修正する。しかし、今、簡単に言っておくと、米銀は、やはり時価会計が徹底している。財務会計上では満期保有債券(簿価会計)という区分けが存在するが、リスク管理上では徹底した時価会計。多くの銀行は満期保有債券の時価評価額を財務諸表の注釈欄に表示しているので、その銀行の信用力を審査する際にはその注釈を組み込みながら信用力を評価する。その意味では保有国債全てに時価会計が適用されているのと同じ。

5, 「長期金利が上昇した場合、日本ではSVBの様に個別行の問題ではなくなる」

オーソドックスな金融論では長期金利は中央銀行がコントロース出来ないものと考えている。したがって日本とオーストラリアの中央銀行(後者は既に過ちを認め、コントロールをあきらめた)以外、長期金利をコントロールしようと思った中央銀行はない。したがって欧米では長期金利が経済実態を反映し、その中でSVB のように金利上昇期に金利リスク管理が出来ていなかった銀行に危機が訪れた。個別行の問題にすぎない。一方、日本では日銀が世界唯一、長期金利を押さえつけてきた。しかし、いつまでもそんなことは続かない。長期政策金利を0.5%に抑えつけても、いずれ、市場金利(長期)は経済実態を反映して急騰していくだろう。その時に受ける日本の危機はSVBのような個別行の問題の次元ではなくなる。日本の全金融機関がシステム的に問題となろう。異次元緩和を世界最大規模で行ってきたツケだ。と言ってもすべての日本の金融機関がだめになる訳ではなくメガのように長期債を日銀に売りつけ保有額を大幅に減らし、デュアレーションを短くしてきたメガ銀行は大丈夫だろう。新中央銀行の元で生き延びる。

6.「日本もカヤの外ではない」

私が海外滞在中だったので、知らなかったが、22日、長男息子の質問に対して

鈴木蔵相は「日本にも様々なリスクがあり、強い警戒心を持って情勢を注視する」との考えを示したようだ。日本は蚊帳の外だと思わない方が良い。

https://jp.reuters.com/article/suzuki-financial-turmoil-idJPKBN2VO05D

7.「日本もカヤの外ではない」

土曜日は雨だったが、テニスクラブの仲間でクラブハウスの2階で鑑桜会。珍しく昼間から飲んだが、3時にプロジェクト関係で人が来る予定だったので、ほどほどの飲酒。

ところで米国は飲酒に関しては州によって違うのだろうが、少なくともハワイと昨年滞在したボストンでは、公共の場では飲酒禁止。ハワイでは飲酒禁止の看板等がなくとも誰も浜辺で飲酒をしていないから、一種の常識なのだろう。昔、留学していたシカゴ郊外エバンストン市はドライ シティーと言って、酒の販売が禁止、市境で道路を隔ててシカゴサイドにずらっと酒店が並び、酒はそこまで買いに行っていた。

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(藤巻健史 公式ホームページから引用 ※ご本人の許可をいただいています)

藤巻健史 公式ホームページ
https://www.fujimaki-japan.com/