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不動産投資の投資分析指標をマスターしよう!

(写真=Michael R Ross/Shutterstock.com)

不動産投資をする際には、必ず投資分析指標を把握しておきましょう。この指標をベースに不動産投資を考えれば、その物件に投資するべきかどうかが分かります。また、自分がどのようなスタイルで投資したいのかによっても、どの指標を重視するべきかが変わってきます。そこで今回は投資分析指標について詳しく解説します。

投資判断を下すためには指標をマスターするべき

不動産投資をする際は、以下の指標をマスターしましょう。
・ 効率性を見る指標
・ 安全性を見る指標
この2つの指標は、不動産投資において非常に重要な指標になります。

不動産投資のメリットは、「安定して」「継続的な」収益を上げられることです。そのためには、効率性を重視しないと利益は伸びにくいですし、安全性を重視しないと継続的に収益を上げることはできません。だからこそ、「効率性」「安全性」の指標を知ることと、その指標を判断する方法をマスターするべきなのです。

効率性を見る指標・銀行の返済率・投資の収益率・自己資金の収益率

不動産投資の効率性を見る指標としては、以下の3点が挙げられます。

● 銀行の返済率
まず、銀行の返済率とは、「個人の年間収入÷融資の年間返済額」で計算されます。つまり、自分の収入の何%が融資の返済額に当たるかということです。例えば、自分の年間収入が1,000万円で、融資の年間返済額が160万円であれば16%の返済率になります。仮に、これが返済率40%であれば自分の収入の40%は融資の返済に充てているということです。

一概に「○○%が良い」とは言えませんが、返済率が高いほど自分の負担が大きいということです。つまり、返済率が高いほど不動産からの想定収益がマイナスになったときのリスクが大きいので、その点を認識して投資する必要があるということです。

● 投資の収益率
投資の収益率は、「実質利回り」とほぼ同じ意味です。実質利回りは「(年間の収入-年間経費)÷物件取得価格」で求められます。不動産業界では「ROI」と言われることもあります。

以下のような資金内訳でマンション投資をした場合をシミュレーションしてみましょう。
・物件取得価格:3,800万円
・年間想定収益:260万円
・年間経費:25万円

年間経費とは、「税金」「修繕費用」など、不動産所有による継続的なコストのことです。上記の場合には「(年間想定収入260万円-年間経費25万円)÷3,800万円」という計算式になり、約6.1%が実質利回りです。実質利回りが6.1%ということは、16年強(100%÷6.1%)で物件取得費用を回収できるという意味になります。

利回りも、時期やエリアで変動するので一概には言えません。ただ、4%を下回る利回りの場合には、物件取得費用の回収に25年(100%÷4%)かかるので、効率が良い不動産投資とは言えないでしょう。

● 自己資金の収益率
最後に、自己資金の収益率を解説します。自己資金の収益率は「利益÷自己資金」という計算になります。つまり、自分の自己資金からどのくらいの収益を生み出したか、という意味の指標です。不動産業界では「CCR」と言われることもあります。

仮に、前項の事例で、自己資金が700万円だったとします。そのときは「260万円÷700万円」となり、CCRは37.1%になります。つまり、自己資金を回収するのには2.7年ほど(100%÷37.1%)かかるということです。この数字が高いほど、自己資金でのレバレッジ効果が大きく、効率性の高い不動産投資になります。

安全性を見る指標・返済倍率・損益分岐点

不動産投資の安全性を見る指標としては、以下の2点が挙げられます。
・ 返済比率
・ 損益分岐点

返済比率とは、前項の「銀行の返済率」とほぼ同義です。つまり、「自己収入額の中で融資の返済額のウエイトが大きいと安全な投資とは言えない」というわけです。また、損益分岐点とは、どのタイミングで資金回収ができ黒字転換するかということです。不動産投資における損益分岐点は、さまざまな定義があります。前項の「投資の収益率」と同義の場合もありますが、今回はここに「税金」を加味した、より現実的な数字の計算方法です。

結論から言うと、「投資の収益率」に不動産所得税とローン利息を加味します。つまり、「(年間の収入-年間経費-不動産所得税-ローン利息)÷物件取得価格」となります。ここで導き出したパーセンテージが、より現実的な指標になり、不動産投資の安全性を高めることにつながります。

不動産投資は投資分析指標が大切

不動産投資は「効率性」と「安全性」の2つの観点から物件を選びましょう。自分でシミュレーションをしつつ、ノウハウが豊富な不動産会社に相談すれば、より正確なシミュレーションを行うことができます。