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不動産小口化商品とは?新しい不動産所有のかたち

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(写真=JETACOM AUTOFOCUS/Shutterstock.com)

不動産投資は計画的な資産運用が可能であり、税制優遇を受けられるメリットもあります。しかし一般的に、不動産購入資金は高額となるため、ある程度まとまった資金を用意する必要があります。そこで、少額の資金で不動産に投資することが可能な「不動産小口化商品」を購入するという方法があります。不動産小口化商品のメリットとデメリットを確認してみましょう。

不動産小口化商品とは

不動産小口化商品とは、不動産を口数単位で購入し、口数に応じて利益が分配される投資方法です。不動産の実際の経営は販売会社によって行われるため、通常の不動産投資のような手間や時間、専門知識などが必要ありません。さらに、通常の不動産投資では高額な初期費用がかかりますが、小口化商品は少ない金額で投資を始めることが可能です。

ただしデメリットとして、法の規制が厳しいことや、適切な不動産の用意に時間がかかる傾向にあり、販売数が非常に少ないことがあげられます。そのため、好きなタイミングで投資を始めることができないことや、そもそも人気が集中しすぎて購入することができない可能性も少なくありません。

また、通常の不動産投資ではかからない費用が発生するため、不動産投資を自分一人で行う場合と比較すると実質利回りが低くなりがちです。時間や手間はかけられないが、不動産投資をしたいという方にとっては、非常に魅力的な商品と言えるでしょう。

広がる小口化商品の市場

不動産小口化商品は非常に人気がある商品で、投資としてさまざまなメリットがありますが、注目を浴び始めたのはつい最近の話です。

不動産小口化商品は、1995年に不動産特定共同事業法が制定されてから運用が可能となりました。これは、1980年代後半のバブル崩壊によって不動産価値が一気に値崩れし、大損失を被った投資家が大勢発生した経緯があるため、投資家保護の目的で制定されたと言われています。

しかし不動産特定共同事業法では、事業の許可を得るための資本金要件や業務管理者の設置要件などが厳しく、運用実績はあまり多くありませんでした。

その後、2013年に要件が緩和されたことで、事業許可を受けた会社が増加しました。依然として商品の総数は多くありませんが、政府はさらなる要件緩和の計画を進めており、不動産投資市場政策懇談会の報告をホームページに記載しています。そのような流れもあって、今後はますます市場規模が拡大していくことが考えられます。

好立地の不動産にも投資可能

不動産小口化商品は投資のタイミングを選ぶことが難しいとされています。通常の不動産投資でも最適な不動産が販売されていなければ、資産運用を行うことはできません。また、不動産を経営する場合は、その立地によって状況は大きく異なります。

好立地の不動産は人気が集中してなかなか購入する機会が無く、価格が非常に高いため販売されていても実際に購入するとなると、資金面で厳しいということが少なくありません。不動産小口化商品ではそもそも価格が高い不動産を口数で購入するため、好立地であることが多いです。

有名な土地の不動産を所有することを、夢見ている方も多いのではないでしょうか。不動産小口化商品を購入することで、個人ではなかなか所有することが難しい物件で、収益を上げられるかもしれません。

相続対策にも有効

不動産小口化商品は、相続税対策にも効果的だと言われています。不動産小口化商品に似た仕組みの商品に、不動産投資信託というものが存在します。しかし、不動産投資信託と比較して、不動産小口化商品は不動産の評価方法や課税方法の違いから、相続財産を圧縮、また遺産分割時には、口数毎に分割や売却を行うことが可能です。機会があれば購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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