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いまでも愛される秀和レジデンスとは?

(写真=PIXTA)

一般的に不動産物件は、築年数が増えれば増えるほど価値が下がっていくものです。しかし、立地やデザイン、そして不動産そのものが持つステータスが人気を博すことで価値がほとんど下がらないものや、むしろ建設当初と比較して価値が上がっているものがあります。

なかでも、1960年代ごろに次々と建てられた秀和レジデンスは、いまでも根強いファンがいる人気のマンションの一つです。今回は、その秀和レジデンスについて紹介します。

秀和レジデンスとは

秀和レジデンスとは、不動産会社である秀和が建設した分譲マンションシリーズの名称です。東京都内や埼玉県に30~190戸規模で建設され、1970年代までに30棟以上が竣工しました。秀和レジデンスの建設時期が高度経済成長の時期と重なったことや、政府の持ち家政策の推進も相まって、1960年代後半は第二次マンションブームとして知られています。

また、以前はマンションの法的扱いが曖昧でした。しかし、1962年に法整備されてからは、マンションの一室は持ち家と同じく資産として認められるようになり、消費者は住宅ローンを利用して購入できるようになりました。その影響もあり、1964年に建設された秀和レジデンスの第一号である「秀和青山レジデンス」は、マンションの先駆けと言われることもあります。

日本の高度経済成長期に建てられた秀和レジデンスはデザインや立地、ステータスの高さから築50年ほど経った今でも非常に人気のある物件です。秀和は2005年にアメリカの投資銀行に買収されましたが、資産の一部や管理業務はレジデンス・ビルディングマネジメント株式会社に引き継がれています。

秀和レジデンスのこだわり

秀和レジデンスの人気の一つに独特のデザインがあげられますが、創業者で一級建築士の免許を持つ小林茂氏が一つ一つ愛情を注ぎ込んで設計したと言われています。

外観は南欧風の青と白を基調としたデザインされており、バルコニーも特徴的です。また、秀和青山レジデンスは、著名な建築家である芦原義信氏が設計したものです。芦原義信氏はソニービルや東京芸術劇場などの作品で知られており、都市景観に精通した芸術家でもあります。

さらに、秀和レジデンスはマンションブームに先駆けて建設されたこともあり、どのマンションもいい立地であることが多いです。価格や立地などの条件を絞ってマンションを探していたら、自然と秀和レジデンスが候補にあがっていたという方もいるのではないでしょうか。
建築から数十年経った今でも、こだわりのデザインで設計された秀和レジデンスは、東京都心においてマンションブームを代表するマンションの一つであると言われており、各マンションの随所に創業者の熱意や遊び心がうかがえるような作りとなっています。

ヴィンテージマンションという見方

マンションの中には、ヴィンテージマンションとして人気を集めている物があります。築年数が経過しているがいい立地で、デザイン性に優れ、管理体制が行き届いているマンションがそう呼ばれています。一般的に知名度やステータスが高いこともあって、高い価格で取引されています。

現在の秀和レジデンスはその条件に当てはまり、なおかつヴィンテージマンションの中でも非常に高い人気を誇ります。特に渋谷区や港区のいい立地に建てられた秀和レジデンスは、簡単に手に入れられるものではなく、相対的な価格が竣工当時より上がっていることも珍しくありません。

また、ヴィンテージマンションは、投資用の不動産としても人気があります。やはり、人気エリアで駅に近い場合が多いことや、マンション自体のステータスが高いため、大きな値崩れが起こりにくいことが理由とされています。

投資費用は高くなりがちですが、費用の問題さえ解決してしまえば非常にメリットが大きい投資物件といえるでしょう。

不動産投資は10年、20年単位の長期的な投資になる可能性が高いものです。たとえ古くに建てられた不動産であっても、秀和レジデンスのように価値が落ちにくい物件もあるため、築年数が経過することは一概にデメリットとはいえないようです。不動産投資を検討するのであればヴィンテージマンションを選択してみるのも一つの方法かもしれません。

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