不動産投資を国内だけではなく、海外にも目を向けてみると選択肢が広がります。
海外の中でもハワイの不動産投資は手堅くて、一種のステイタスにもなるため、富裕層をはじめ多くの人に人気な投資案件です。
不動産価格に関連しそうな各種データを見てみると、ハワイの人口は増加し続けており、2010年から2016年にかけては、トータルで6%の伸び。つまり、年間で1%の人口が増加している計算になります。そして、2025年までに住宅の新規供給が2.6万戸ほど必要な状況と言われています。
住宅の需要と供給のバランスが崩れているならば、投資チャンスがあると考えても良いでしょう。旨味のある物件に巡りあえる可能性も高くなります。
ハワイの不動産投資をひとつの選択肢として考える上で、押えるべきポイントはいくつかあります。本記事では、ハワイの不動産投資に関して傾向や対策を考察していきます。
なぜハワイなのか。不動産投資のメリットを探る
日本以外の国から不動産投資先を選ぶ上で、なぜハワイが良いのでしょうか。
同じ国なら、アメリカ本土や急成長の見込みがある新興国も選択肢に上がります。もちろん、ハワイ以外の土地も魅力はあるため、どのような不動産投資を好むかによって選択は変わります。
ハワイの魅力は、ブランド力と手堅く安定した収益性です。
その他、減価償却などの税制上のメリットや人口増加や観光客増加によるバケーションレンタル、治安や気候が良く、地震も少ないというハワイ特有の様々な条件。さらには、観光ついでに現地視察ができるというポイントも嬉しいところです。
安定して長期的に不動産を保有したいと考える人にとって、ハワイの不動産は魅力的に映るのです。
リーマンショックやサブプライムローンの下落局面でも耐えた
ハワイの不動産は、リーマンショックやサブプライムローンの不動産価格の下落局面ですら、それほど影響なく乗り越えています。
これには色々な説があります。ハワイの物件を所有している人の多くは富裕層で、その時にすぐに手放さなくても大丈夫だと判断したのではないかと専門家は分析しています。
不動産の長期保有で一番困るのは、不動産価格の暴落です。それらが起こりにくいということは、所有し続ける上で重要なポイントです。
減価償却費の活用。節税効果をフル活用
日本国内にいて、海外不動産に投資する場合は、減価償却による税制上のメリットがあります。
建物の法定耐用年数に応じた期間、計上することができ、所得を抑えることができます。さらには、海外の不動産投資でも現法律では、損益通算ができることになっています。
日本国内は、土地の値段が高く、建物の価値は低く見られがちです。しかし、ハワイを含むアメリカでは、逆転しています。つまり、土地より建物の方が、価値があると考えられています。
基本的に市場に出回る不動産の多くが中古物件です。丁寧に扱われ、管理が行き届いた物件ならば、築年数に関係なく高値で取引されています。
建物の法定耐用年数を超過した物件を購入した場合、その耐用年数の20%に相当する年数で償却できます。木造建築ならば、22年なので、約4年ということになります。不動産購入金額を4年で割ると、1年あたりの減価償却費が大きくなり、税金が抑えられます。
この様に、減価償却を活用し、支払う税金を抑えることで現金を多く残せます。
そして、長く住み続けられる風土や建物が長期的な収入をもたらしてくれるのです。
住宅用だけではない!バケーションレンタルという選択
ハワイが人気なのは、観光地としての魅力もあります。住宅用の不動産だけでなく、観光用のコンドミニアムも検討できます。
自分が使わない時は、観光客用の宿泊施設として貸出し、ハワイで滞在する際は自分自身の物件を活用する。そうすることで、ホテル代を浮かすこともできます。
ただし、短期滞在が法律で制限されているため、多少の癖はあります。そのため、民泊などで収益を稼ぐことはできません。なお、法律に関する問題は、専門家に相談してください。
ハワイの不動産利回りは?!日本の都心と同じくらい
ハワイの不動産の特徴は、長期的に安定していることです。
利回りがかなり高いかといえばそうではなく、東京23区と同じくらいと言われています。利回りの良さを基準に決めるのが良いとは思いませんが、ひとつの基準になるでしょう。
目安として表面利回り(年間賃料÷物件購入価格)が4%程度だと思われます。
つまり、実質利回り(年間賃料÷(物件購入価格+諸経費+修繕積立金など))はさらに少ないです。
利回りが低いのになぜ、購入するのでしょうか。それは、利回りの低さを打ち消すような節税面です。不動産で収入が得られなくても、その他でメリットが働けば、投資価値は高まります。
ハワイのどの地域が魅力?!安定を狙うかリスクを取るか
ハワイは、5つの州に分かれています。
ハワイ郡……ハワイ島全島
ホノルル市及び、ホノルル郡……オアフ島と北西ハワイ諸島
カラワオ郡……モロカイ島のカラウパパ半島部
カウアイ郡……カウアイ島とニイハウ島
マウイ郡……マウイ島、ラナイ島、カホオラウェ島、カラワオ群を除くモロカイ島
人口が一番多く、発展しているのは州都のホノルルです。
どの郡も人口は伸びていますが、安定的な需要が見込めるのはオアフ島です。海外からの窓口にもなっていますし、ハワイ経済の中心であるため、基準となって考えられます。
2040年までの人口増加も予測されており、ハワイ郡は約30万人、マウイ郡は、約23万人とデータが出ています。
カウアイ郡は、9.3万人とホノルル郡を除く他と同等の人口伸び率をしていますが、そもそも人口が少ないため、魅力が半減します。
カラワオ郡は、現在でもかなり小さいため、投資からは除外した方が良いでしょう。
キャピタルゲインを狙って、ハワイの不動産を狙うなら、ハワイ郡やマウイ郡も選択肢に入ります。
しかし、人口増加だけで考えるのではなく、周辺の開発状況、インフラや住宅の設備、そして国際線を有しているホノルルからのアクセスなど、将来の都市開発計画も加味する必要があります。
ハワイの不動産投資の中で、手堅くて人気があるのは、ワイキキエリアのコンドミニアムです。ハワイに移住してくる人は、海をはじめ自然の美しさに惹かれています。不便を感じず、自然の美しさが堪能できる立地を考えてみましょう。
海外不動産売買を成立させるために活用する業者は?!
実際に海外不動産の取引となると、契約書から売り主である不動産オーナーとの交渉、お金のやり取りなど、多くのことが発生します。
英語が得意ならば、ミスコミュニケーションが発生しなさそうですが、そうでなければ現地に明るい業者の力を借りる必要があります。
不動産売買の際に間に入ってくれて、各種交渉などを中立的な立場から取り持ってくれるエスクローを利用しましょう。
手数料は、物件価格の1~2%程度で、売り主、買い主ともに負担する必要があります。
日本の不動産と違うのは、投機免許税や印紙税、不動産取得税など、細かい税金はなく、無駄な経費を抑えられるのも魅力です。
ただ、国内不動産より少し時間と費用がかかるため、慎重に選ぶ必要があります。
まとめ
ハワイの不動産投資について、考察しました。
ハワイの特に州都ホノルルの利回りは、4%(表面利回り)程度と東京23区の不動産投資と同程度です。しかし、海外不動産であるため、節税対策にもつながり、特に日本の富裕層の中では、利回りの低さより、長期的かつ安定した不動産投資を考えます。
安定した不動産収益より、税制面でのメリットを享受する方が良さそうです。
ハワイの人口は増え続けており、今後も増加が見込めます。そのため、キャピタルゲイン(売却益)を狙った投資も考えられるでしょう。
長く保有し続けられ、利益が確定しやすいタイミングで売却できるのは、不動産投資戦略を広げてくれます。
海外の不動産に目を向けるときは、ハワイを投資先の選択肢に入れておきましょう。