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不動産の価格相場を調べることができるサイトのまとめ

不動産の価格相場を調べることができるサイトのまとめ

新規事業の立ち上げなど、ビジネスの重要な局面で大事になってくるのが不動産です。不動産の取引は事業を進めていく上でも重大なイベントですから、なるべく損をしないように正確な相場の情報をキャッチしておきたいところでしょう。今回はそんな経営者の方のために、不動産の価格相場を調べることができるサイトについてご紹介します。
 

価格トレンドを調べて取引をし、高値掴みを防ぐ

不動産の購入に慣れていないと陥りがちな失敗として、高値掴みがあります。物件は市場で取引される商品ですから、景気や経済政策によって大きく価格が変動します。例えば、リーマン・ショックがあって世界的な金融危機に見舞われた2008年は、不況のあおりを受けて国内の不動産価格が大きく下落しました。価格が安いときに物件を購入できればそれだけで得ですし、逆に価格が高騰しているときに物件を購入してしまうと当然ながら損をしてしまいます。不動産の場合は数百万円単位で価格が変わるため、買い方に失敗するとそれだけで大損害が出てしまうのです。高値掴みを防ぐためには、まず価格トレンドを調べて相場を把握しておくことが欠かせません。

売り手側も高値で取引することによって利益を得ることになるため、あの手この手を使って相場よりも高い価格で物件を売ろうとします。もしも、相場以上の価格での取引を持ちかけられたらどうすれば良いでしょうか。

基本的に条件面で簡単に譲歩するべきではないと言えます。売り手側もまずは高い売値を提示し、交渉しながら落としどころを探るという手法が一般的だからです。売り手には高く物件を売りたいという希望がある一方、そもそも取引が成立しなければ収益が得られないので、結局は相応の水準で妥協することになります。そんなときに価格トレンドを押さえていなければ、どの程度の水準まで交渉できるのかわからないでしょう。不動産の売買では情報収集が大きな鍵を握っているのです。

 

不動産価格相場を調べられるサイト紹介

土地総合情報システム

http://www.land.mlit.go.jp/webland/

「土地総合情報システム」は、実際に行われた不動産取引に関するアンケート調査を国土交通省がデータベース化したサイトです。不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格がすべて検索でき、約345万件の取引情報が掲載されている国内随一の情報サイトです。取引総額や土地面積、土地坪単価、建物延べ面積、構造、取引時期などの情報が閲覧できるため、投資家の間でも広く活用されています。四半期区分で時系列ごとに取引情報をチェックすることもできて、価格の変動が可視化されるようになっているのが特徴です。ただし、アンケート調査をベースとしているため、統計に多少のばらつきがある点には注意が必要です。

レインズマーケットインフォメーション

http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

「レインズマーケットインフォメーション」は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している直近1年間の物件の売買情報を掲載したサイトです。マンションと戸建のみが対象ですが、月間およそ10万件の取引情報が検索対象となっているなど情報量は充実しています。過去2年間の市場動向はグラフ表示で閲覧できるようになっており、価格の変動が一目でわかります。地域・地域詳細・沿線などの条件ごとに絞ったグラフ表示も可能で、同一地域の中で物件情報を比較したい場合には非常に便利です。

中古住宅HOME4U

https://www.home4u.jp/buy/

「中古住宅HOME4U」の相場価格検索機能では、現在売り出し中の不動産の価格が検索できます。地域ごとに条件を絞って現在の売り出し価格を比較できるようになっており、価格トレンドを押さえるには絶好のサイトです。興味のある物件についてこのサイトで平均的な価格を把握しておけば、実際の取引でも判断基準が定めやすいでしょう。過去の取引情報ではなく現在の売り出し価格が掲載されているため、よりリアルな動向がキャッチできる点は見逃せません。サイトに登録することで過去の閲覧履歴やお気に入り物件を保存できるので、ぜひとも活用したいところです。

SUUMO

https://suumo.jp/

「SUUMO」は、全国の土地相場とマンション・戸建の価格情報を掲載したサイトです。地域や沿線ごとに詳細な条件検索が可能で、相場のデータも細かく表示されるのが特徴です。新着物件の更新頻度が高いため、最新の情報をキャッチするのに最適です。物件の掲載数がとにかく豊富でサイトの操作性も良いため、納得いくまで物件の情報を調べたいという人に重宝されています。こちらもサイトに登録することで閲覧履歴との比較などリサーチの幅が広がるので、フル活用しましょう。
 

2018年の価格はどう変動していたか

それでは、2018年の不動産価格はどのように変動していたのでしょうか。冒頭で述べたように、不動産の価格は景気や経済政策に大きく影響されます。政府が現在取っている経済政策は、金融緩和を目的とした超低金利政策です。この政策は市場により多くの貨幣を投下することで経済を活性化させるために取られています。民間銀行は通常日本銀行の当座預金にお金を預けています。しかし、現在のマイナス金利政策の元では金銭を預けているとマイナスの利息が発生することになるため、日銀へ預けずに積極的に貸し出しを行う方針を取っているのです。

不動産の売買においてはローンが発生しますが、低金利の状態ではこのローンの額が小さくなります。つまり、低金利政策が取られている間は不動産を購入しようとする意欲が生まれやすくなり、需要が増大します。2000年代後半にアメリカで起こったサブプライム・ローン問題は、住宅価格の下落を背景としてサブプライム層(優良層よりも下位の層)に対するローンが不良債権化したことによる経済危機でした。ローンの金利は売り手にとっても買い手にとっても取引を左右する欠かせない要因です。不動産の売買は金利政策と密接に関わっていることが伺えます。

一方で、不動産需要を左右する別の要因として、住宅の空室率が挙げられます。そもそも住宅を必要としている人が少なければ、物件の供給過多になってしまいます。地方の人口流出や国全体における人口減少などの影響によって、2018年までの数年間で空室率は上昇を続けており、これにより不動産への投資の動機も下がっているのが現状です。その結果、不動産自体は低金利で購入しやすい状態になっていますが、転売による収益が見込めないために投資が消極化してしまいます。すると、上昇するはずだった不動産価格も一定の基準で推移することになるのです。

これらの背景から、2018年の不動産価格は高止まり状態となっていました。日銀の黒田総裁は超低金利政策を推進していますが、すでに不動産価格は上がり切っている状態です。移民政策等に伴う訪日外国人の増加によって土地需要が上昇することなども考えると、この傾向はしばらく継続することが予想されます。ただし、今後も国内では人口減少の継続が予想されることやアメリカの利上げ政策が保留されて円安による景気上昇も不透明化したことなどを踏まえると、現在の不動産価格は徐々に下落する可能性もありそうです。不動産需要は多角的な要因に左右されますし、現在の日本は価格の上昇・下落いずれの要因もはらんでいる状況ですから、国内外の経済情勢や政策提起に引き続き注目していく必要があります。
 

【まとめ】不動産の相場は情報収集が命!

不動産の相場は政治・経済などのさまざまな要因に影響されて変化します。市場の情勢は移り変わりが激しいため、常にアンテナを張り巡らせて最新の情報をキャッチしておくことが重要です。これから不動産の購入を考えている方は、ぜひ本記事で紹介したサイトをフル活用し、不動産価格についてしっかりと情報収集を行いましょう。