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不動産を高く売るために事前にできること

不動産を高く売るために事前にできること

不動産に限りませんが、何かを売却するとなった際は少しでも高く売りたいという気持ちになるのが普通です。不動産というのは株式やFXのように分単位で大きく変動するものではありませんが、その価値は常に変化しています。ここでは不動産を少しでも高く売るために事前にできることや知っておいた方が良い情報について解説します。
 

景況感を見極めて適切なタイミングで行動する

不動産を高く売るには、景気の動向を見極めることが重要です。かつてのバブル経済のように、景気が好調になっていけば不動産を欲しがる人たちが増えてきます。土地を欲しがる人たちが増えれば自然と不動産の価値が高くなり、価格は上昇していくでしょう。景気が上向きになっているかを見極める要素というのはいくつかありますが、見極める材料として最も分かりやすいものに株価が挙げられます。株価と不動産の価格は連動して変化していく傾向にあり、株価が上昇すれば不動産の価格も上昇していきますし、株価が下がれば同じように不動産の価値も低下していきます。

不動産の価格の動向を見極める材料としてはもう1つ、長期金利があります。長期金利に関しては株価とは真逆の反応をする傾向にあり、金利が上昇すれば不動産の価値は低下し、金利が下がれば不動産の価値は上昇していくことが多いです。不動産を購入する場合、多くの人が住宅ローンを利用することになります。ローンを利用した場合は返済するお金に金利が上乗せされるため、購入する側の心理としては少しでも金利が低い時に購入したいという気持ちになるでしょう。したがって、金利が低い場合は不動産を購入する人が増えるのでその分不動産価値は上昇し、金利が高くなれば不動産の購入を見送る人が増えて需要が下がるため、不動産の価値も低下するのです。

国内の景気以外で不動産の価値を大きく左右するものにインバウンド投資があります。インバウンド投資とは、簡単に言えば海外に住んでいる人が日本国内へ向けて投資を行うことです。海外で好景気となる国が出た場合は、世界的に見ても価値が高いと言われている日本の不動産を購入する富裕層が増える傾向にあります。海外の富裕層が日本の不動産をどんどん購入していくと不動産の価値は一気に上昇し、時には国内のサラリーマンが、全く手が出せなくなるほど価格が上昇したりします。そのため、日本国内だけではなく海外の景気の動向もチェックしておけば、より高く売るチャンスを知ることができるでしょう。

その他にも自分が所有している不動産の近くで大きなイベントがあったり、再開発の計画がある場合なども不動産の価値が上昇することが多いです。もし自分が所有している不動産の周辺で近々大きなイベントなどが開催され、価値が上昇する見込みがある場合は不動産の価格を注意深く見守り、最も高い金額になった時にすぐ売却できるよう準備を進めておきましょう。

満室にしておく

不動産投資の1つの方法として賃貸物件を購入し、部屋を貸し出して家賃収入によって利益を上げる方法もあります。新しく収益物件を購入するとなると今まで所有していた収益物件を売却することになるケースもありますが、収益物件を売却するときは極力空き室がない状態にしておきましょう。収益物件を売却する際に満室かそうでないかによって市場価値が大きく異なります。収益用の不動産を購入する人の視点から考えると、満室の物件というのはメリットがとても大きいのです。

まず部屋が満室になっているということは、そのマンションが賃貸を借りようとしている人にとって魅力ある物件だという何よりの証拠です。したがって、早急にリフォームなどをし、マンションの市場価値を上げる作業をする必要がありません。また、新たに入居者を募集するためには不動産サイトに掲載してもらうことになりますが、掲載してもらうためには広告費が発生します。満室であれば、当然新しく入居者を募集するための費用もかかりません。更に満室なので改めて言うまでもありませんが、購入した翌月から家賃は満額手元に入ってきます。これが1つでも空き室があった場合は、単純計算で1部屋分得られる家賃が少なくなります。当然空き室が多ければ多いほど得られる家賃は少なくなり、仮に10部屋空き室があれば単純計算で1か月あたり数十万円は価値が下がることになります。

そのため、もし収益物件の売却を検討していてその物件に空き室がある場合は早急に空き室対策をし、部屋を満室にしておきましょう。空き室を埋める対策としては費用が発生しますが、不動産会社に募集をかけてもらう方法が最も一般的です。募集をかける際は周辺の同レベルの賃貸物件をよく研究し、その物件よりも魅力的に見えるような宣伝をしましょう。例えば、敷金や礼金などをサービスしたり、入居して数か月は家賃を無料にしたりすれば入居者が集まりやすくなります。そして、積極的に宣伝をしてもらえるよう日ごろから不動産会社との関係を密にし、良好な関係を築いておきましょう。

ただし注意点として、家賃を下げることは避けた方が無難です。家賃を下げる事自体は空き室を埋めるための方法としてとても有効ですが、家賃を下げる事は自ら不動産の価値を下げるようなものです。収益物件の価格は利回りに大きく左右されるため、家賃が下がればその分利回りも低下し、物件としての価値も低下してしまいます。

見た目を改善して価値を上げる

不動産が売れるかどうかを最終的に決めるのは見た目や使い勝手の良さです。いくら金額的に魅力的な物件だったとしても内装が汚れていたり、設備が古かったりすると不動産としての価値はあまりないと判断され、購入は見送られるでしょう。もし所有している物件の築年数が古い場合は見た目を改善し、不動産としての価値を高めるようにしましょう。不動産としての価値を高める方法として最も有効なのがリフォームやリノベーションを行うことですが、ここで1つ注意点があります。

行うリノベーションはあくまでも自分が持っている不動産を少しでも高く買い取ってもらうためのリフォームであることを忘れないようにしましょう。その不動産を今後も所有し、家賃収入を確保できるのであれば大がかりなリノベーションをしても十分効果が期待できます。しかし、リノベーション後ほどなくその不動産を売却する場合は、少しでも費用対効果が高いようなリノベーションやリフォームを行わなければ、価格が上昇した分よりもリノベーションのコストが高くついてしまい、最終的に損をしたという結果にもなりかねません。

費用対効果が高いリノベーションとしては、壁紙を張り替えるという方法があります。室内は綺麗で明るい方がより見た人の印象を高めます。壁紙がくすんで汚れていた場合は新しいものと張り替えるだけでもずいぶん印象が変わります。そして、劣化が目につきやすい部分として真っ先に挙げられるのがトイレやキッチン、風呂などの水回りです。水周りをリフォームするのも費用対効果が高いと言えます。また、単身者用の部屋で間仕切りが多いのであれば、いっそ壁を取り去って一部屋を広くすることで逆に使い勝手が良くなり、魅力的な部屋になる場合もあります。費用対効果が高いリノベーション方法はたくさんありますから、不動産業者やリフォーム会社とよく相談しましょう。

【まとめ】高く売るためには景気の情報を得たり不動産の価値を高めることが大切

不動産は大きく価値が変動するものではありませんが、株価や長期金利など世の中の景気の動向に応じて少しずつ変動していきます。不動産を高く売るためには、景気の動向は常に注目しておきましょう。そして収益物件を売却する場合、満室であるかそうでないかはその物件の価値に大きく左右します。極力満室の状態で売ることを心がけ、場合によってはリフォームやリノベーションを行って価値を高めましょう。