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南の島でリタイア生活するために必要な生活費

「南国のリゾート地で、悠々自適なリタイア生活をしたい」という願望をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

すぐに飽きてしまうのであまりオススメはしませんが、実際のところ、南国のリゾート地で暮らすには、どれくらいの生活費がかかるのでしょうか。

ひと月の生活費(インドネシア・バリ島の場合)

ひと月にいくらくらいあれば、南の島での生活は可能なのでしょうか。

筆者の私が、2014年頃にインドネシアのバリ島で生活した際、移住前には何度も何度も生活費のシミュレーションをしました。

バリ島は、典型的な“南国のリゾート地”という場所ですから、参考になるかもしれません。

多めに見積もっていたり、ところどころミスもありますが、参考までにこれが当時のシミュレーションです。

夫婦2人でも、月々30万円ほどの生活費がかかることがわかります。

実際に、ひと月でそれくらいはかかっていました。

もちろん、約8年が経った現在では、物価もそれなりに上がっているでしょう。

随分前、テレビや雑誌で「東南アジアの新興国であれば、月10万円で豪華な生活ができる」という情報が流れていましたが、月10万円では生活できません。

「月10万円」というのは、ローカルの方々の平均所得くらいでしょうか。

その所得も、コロナがあったとはいえ、今ではもっと上がっているでしょう。

「月10万円あれば生活できる」という根拠は、現地の平均所得からきているのかもしれませんが、10万円での生活はかなり厳しいはずです。

生活水準をローカルの方々と同じ水準にすれば不可能ではないのですが、衛生的でコストパフォーマンスの高い日本の生活水準に慣れた日本人の方々には難しいでしょう。

日本と同じ生活水準で暮らそうと思うと、日本の1.3~1.5倍くらいのコストがかかるというのが実感値です。

完全移住ではなく、まずはお試し移住を

アーリーリタイア・セミリタイアして海外移住する場合は、日本での収入と同じくらいか、それ以上の収入、キャッシュフローを確保してから移住するのが良いでしょう。

最初から100%完全に移住すると後悔の元になりますから、半分日本・半分海外のようにデュアルライフを試してみるのも良いと思います。

退路を絶って完全移住してしまうと、帰る場所がなくなってしまいます。

「憧れの田舎暮らしをしてみたけど、実際には全く自分に合わなかった。

田舎に移住する際、家も家具もすべて売ってしまったから、また一から揃えないといけない」という事態に陥るのはよくあるケースです。

まずは、1ヶ月ほど現地で暮らしてみるのも良いでしょう。

1週間ほどの旅行では気づけない現地の悪いところも見えてきます。旅行で滞在するだけでは、良いところしか見えません。

滞在する際は、ホテルではなくマンションや戸建てを借りると、現地の生活がよりリアルに感じられます。

資産運用で生活するなら「FIREの4%ルール」を参考に

どれくらいの資金があれば運用で生活できるかは、FIREの4%ルールが参考になります。

FIREとは、アメリカで生まれた概念で「Financial Independence Retire Early (経済的に自立した早期退職)」の略です。「F.I.R.E」と表記されることもあります。

このFIREで注目されているのが、「4%ルール」と呼ばれる目安です。

FIRE=経済的自立=経済的自由を得たリタイア生活を実現する目安とされています。

4%ルールとは、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で資産を維持したまま生活費をまかなえるという考え方です。

年に300万円使うとすれば7500万円、年に400万円使うとすれば1億円の資産です。

4%という数字の根拠は、アメリカのS&P500の成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いたものとされています。

1億円の資産を年4%で運用すれば、400万円のフロー収入を得られますから、生活水準をどこに置くかにもよりますが、資産を減らすことなく生活できます。

バリ島であれば、それなりに良い暮らしができるでしょう。

ただ、新興国は経済成長中の国ですから、物価は年々上がっています。

「ずっと同じ額のフロー収入で同じ生活ができるわけではない」ことは念頭に置いておいた方が良いでしょう。少しずつでもフロー収入を上げていかないと、ジリ貧になってしまいます。

※本コラムは、筆者の許可をとって掲載しております。
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