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オルタナティブ投資はリスクヘッジの手段としても注目

株式投資、債券・国債など従来から行われてきた投資の代わりに、比較的新しい投資を行っていくオルタナティブ投資は、しっかりとした知識を身につければ武器になります。

言葉から想像するとオルタナティブ投資は範囲が広く、どうしてもつかみにくいポイントがあります。本記事では、オルタナティブ投資の概要や特徴、メリット・デメリットについて解説していきます。

今現在、何に投資をしようか悩んでいる人にとって、新しい発見があるかもしれません。

 

オルタナティブ投資とは?

 

オルタナティブ投資とは、伝統的資産(上場株式や債券など)への投資に代わる、別の投資対象や投資手法のことです。単純に、投資対象として見ることもあれば、属性の違う投資先へ分散させることで、リスクを低くすることにも繋がります。

そのため、オルタナティブ投資を自分で考えることや、提案された場合には、投資手法のことなのか、投資先を指しているのか、明確にしておくことが重要です。

また、オルタナティブ投資は一般的に馴染みの薄い投資法の様に思われがちですが、投資信託ではよく利用されているため、投資信託を活用している方も知っておくと、分散投資の組み合わせの意図も理解できるようになるでしょう。

 

オルタナティブ投資の種類と特徴

 

オルタナティブ投資には、どのような種類があるのでしょうか。以下のような投資対象があげられます。

  • ヘッジファンド
  • 未上場株式(プライベート・エクイティ)
  • 企業再生ファンド
  • コモディティ(先物取引)
  • 不動産投資
  • ソーシャルレンディング
  • 仮想通貨(ICO)

細かく見ていくと、新たな投資対象として認知されているものも増え、比較的リスクが少ないものから、ハイリスク・ハイリターンまで様々です。

これら投資先の特徴も踏まえて、ひとつずつ見ていきましょう。

 

ヘッジファンド

 

ヘッジファンドは、富裕層や機関投資家から集めた資金を、市場の状況に関わらず収益が上げられる可能性のあるあらゆる投資先を選択し、運用するファンドです。絶対収益を目指しており、市場が悪化しても投資先を組み替えることで、高い収益を得ることを目標としています。

そのため、活用するためには多額の資金を必要とし、手数料も高いものの手堅い投資先と言えます。

 

未上場株式(プライベート・エクイティ)

 

未上場株式、もしくは、未公開株式に投資をすることもオルタナティブ投資のひとつです。別名でプライベート・エクイティとも言われていますが、ベンチャー企業やベンチャーキャピタル投資もプライベート・エクイティと言われることもあります。

すでに上場を果たしている企業が、非上場化を目指す(株式公開買い付け(TOB)が行われる)場合にもプライベート・エクイティ投資が行われます。

長年収益を上げている企業の未公開株ならある程度の予測はできますが、新興企業の場合は、未知数であるため、ハイリスク・ハイリターンとも言えます。また、投資を成功させるためには、ビジネスの市場規模や企業のビジョン、将来性など理解しておく必要があります。

 

企業再生ファンド

 

企業再生ファンドは、その名の通り資金難で経営が行き詰まっている企業に投資をするファンドです。企業を再生させ、しっかりと収益が出せるようになれば、リターンが得られます。
優れた技術などを持つ企業や、社会的に意義のある会社などを救済することにも繋がります。
投資先を間違えなければ、十分なリターンが得られると言えるでしょう。

 

コモディティ(先物取引)

 

コモディティとは、商品先物市場で取引される商品で、いわゆる商品先物や先物取引と言われています。原油やガソリン、農作物(小麦やコメ、トウモロコシなど)や貴金属などが先物取引できる投資対象で、一定期間後にあらかじめ決められた価格で、取引し、その時点での市場価格によって損益が確定します。
ハイリスク・ハイリターンかつ市場を読む力が重要になります。

 

不動産投資

 

意外かもしれませんが、現物不動産への投資もオルタナティブ投資と言われています。長期的な収入の柱になっていくため、投資先を間違えなければ、手堅い投資と言えるでしょう。
不動産投資も多岐にわたり、住宅用の不動産から事業用のオフィス投資など幅広く分かれます。

金融商品ばかりでポートフォリオを組んでいる場合、不動産投資を行えばさらに手堅くなるでしょう。

 

ソーシャルレンディング

 

ソーシャルレンディングも新しい投資先として注目を浴びています。インターネット上で融資を募り、資金調達が必要な企業や投資案件に融資をしていきます。融資型のクラウドファンディングも同様です。

少額から投資ができるため、細かな余剰資金を投資に回せるというのもメリットです。
投資額が自分で設定できることや、比較的利回りが良い案件も存在するため、ミドルリスク・ミドルリターンの投資対象と言えます。

 

仮想通貨(ICO)

 

トラブルなども多く、損失のリスクも高いですが、暴騰した場合はかなりのリターンが得られる可能性を持つ仮想通貨もオルタナティブ投資と言えます。

投資をして、細かな収益を得るというより、ICO(Initial Coin Offering)などを狙いコインの価値が跳ね上がった際に売却をすることで、ハイリターンを狙えます。

法律的にも未整備なところがあり、リスクは高いです。しかし、手堅くポートフォリオを組んでいる場合なら、一部をハイリスク・ハイリターンへ投資するのも考えられるかもしれません。

仮想通貨といっても、良いものもあれば、詐欺のような案件もあるため、取得する情報やコインのビジョン、将来性などをしっかりと精査する必要があります。

 

オルタナティブ投資のメリット・デメリット

 

オルタナティブ投資における投資対象となるものを数々見てきました。では、一般的にオルタナティブ投資のメリットやデメリットはどういった点でしょうか。

メリットは、従来の投資対象とされる株式市場や債券市場と連動性が低く、たとえ株式市場が下がったとしても、オルタナティブ投資で選んだ投資先は、連動して下がることは少ないです。そのため、保有している資産のポートフォリオを確認し、補うような形でオルタナティブ投資を行うと良いです。
そして、性質上分散投資にもなり得るため、リスクを低下させることができます。

逆にデメリットは、流動性が低いことや内容が不明瞭なことです。
流動性が低いといことは、所有している資産を売却したいと考えたとしても、すぐに買い手が見つかるかはわかりません。換金性に難がある投資と言えるでしょう。

また、投資先によっては不明瞭であることもあり、どのように運用されているのか見えてきません。また、新しい投資手法の場合は、どうしても理解が追いつかないため、怪しく見えることもあり、結果的に不安に繋がります。

そして、性質上短期投資には向きにくいというのもあります。中には、仮想通貨など短期的に跳ね上がる可能性もありますが、案件としては少ないです。

メリット・デメリットを踏まえ、自分の所有する資産のポートフォリオと相談し、どのような資産構築を行っていくかが、マネージメント上の鍵になります。

 

まとめ

 

オルタナティブ投資とは、株式や債券など、従来の投資対象や投資手法と異なる案件へ投資をしていくことです。基本的には分散投資になっていくため、しっかりと機能すれば、手堅く守れるようになります。

どの資産に投資をするかは、ご自身の戦略によって変わりますが、視野が広がるため、資産構築や資産防衛の幅が広がります。

現在、新たな投資先を探している人にとって、覚えておくと良い手段のひとつとなるでしょう。