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日本でも普及するか?リバースモーゲージとは?

(写真=Kzenon/Shutterstock.com)

「リバースモーゲージ」という融資をご存知でしょうか。リバースモーゲージは、今後もどんどん高齢化する日本社会で普及が予想される融資になります。ただし、リバースモーゲージは馴染みの薄い融資だと思うので、メリット・デメリットは事前に把握しておきましょう。

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは、持ち家である自宅を担保にして、金融機関から融資を受ける制度です。担保にしている自宅に「住み続けながら融資を受けられる」という点が、この融資の特徴になります。この融資の主な目的は、日本の高齢化による「老後資金の確保」です。つまり、仕事を引退した高齢者世代が、老後資金を確保する際に活用するということです。

従来であれば、自ら居住中の自宅を担保にしての融資は難しかったですが、リバースモーゲージの誕生により、住みながらの融資が可能になりました。また、リバースモーゲージの借入者が死亡した場合には、その自宅を売却して融資の返済に充てます。

リバースモーゲージのメリット・デメリット

リバースモーゲージは、老後資金を確保するために便利な融資ですが、メリット・デメリットがあります。特にデメリット面をきちんと把握して、融資を利用するかを考えましょう。

リバースモーゲージのメリットは以下の通りです。
・ 自宅の売却が必要ない
・ 生活資金意外にも利用可能
・ 融資審査が緩め

リバースモーゲージは自宅を売却する必要はありません。以前は、自宅を売却してローンを一括返済し、賃貸住宅などに移り住んでいました。しかし、高齢者が自宅を売却して引越しするのは大きな負担になります。また、売却金額によっては老後資金には足りないこともあります。そのため、リバースモーゲージは「家に住み続けながら融資を受けられる」という点が最大のメリットになります。

そして、リバースモーゲージの中には「自由形」という融資形態があり、自由形であれば基本的には、融資をどの用途で利用しても構いません。例えば、旅行費用やリフォーム費用に充てても構わないということです。

さらに、通常のローンに比べると、リバースモーゲージの審査は緩いといわれています。というのも、高齢者の利用を想定しているので、住宅ローンなどと同じ審査基準にすると、大半の人が審査非承認になってしまうからです。

一方、リバースモーゲージには、以下のようなデメリットもあります。
・ 住宅に制限がある
・ 推定相続人の同意が必要
・ 将来リスクがある

リバースモーゲージで担保となる住宅には制限があります。基本的には一戸建てを対象としている金融機関が多く、マンションは対象外になることが多いです。なぜなら、一戸建ては「土地」という経年劣化しない資産価値があるからです。

マンションにも土地はありますが、マンションの入居者全員で共有しています。そのため、マンションの資産価値は、経年劣化していく建物部分のみになるのです。また、リバースモーゲージの利用は、原則推定相続人の同意が必要です。推定相続人とは、相続が発生したときに「法定相続人」になり得る人たち(子や妻など)のことです。

リバースモーゲージはあくまで「負債」になるので、相続時は負債も相続されます。そのため、リバースモーゲージは相続人にも将来的なリスクになり得るので、推定相続人の同意が必要ということです。

さらに、変動金利であれば、将来的に金利変動のリスクがあります。また、不動産担保価値が落ちれば、場合によっては一括返済が求められることもあります。このような将来リスクも加味してリバースモーゲージの利用は考えなければいけません。

老後の生活資金確保のためにも不動産活用を

このように、不動産は老後の生活資金確保として活用できます。自宅に住みながら融資を受けられれば、「引越し」などの心理的なストレスも解消され、煩わしい手間もかかりません。また、一方で投資用不動産を所有しているというのも、老後資金確保の不動産活用になります。不動産の賃料収入や、不動産の所有コストはブレが少ないです。ブレが少ないということは、比較的安定して収益を得られるということです。

リバースモーゲージという観点からはもちろん、不動産投資という観点からも不動産活用は老後資金の確保に向いているのです。

新たな不動産活用

不動産活用として「賃料収入を得る」以外にも、不動産を担保に生活資金を融資できるようになりました。不動産活用の幅が広がり、ますます不動産価値の向上につながっていくものと思われます。