ホーム > ビジネス > 資産1億円をつくるための思考とポートフォリオ 後編

資産1億円をつくるための思考とポートフォリオ 後編

「資産1億円」は、経営者であっても雇用されているビジネスパーソンであっても、憧れる資産額かもしれません。

重要なのは、単に資産1億円ではなく「純資産1億円」を目指し、達成することです。

江上治が新たに発足した “次世代リーダーを目指す若き経営者” を対象とした『1億円思考俱楽部』では、資産1億円をつくるためのマインドセットやポートフォリオについても解説していきます。

本稿では、前編と後編に分けてその一部をご紹介します。

>>>『1億円思考俱楽部』公式サイトはこちら

 

  • 1 資産1億円をつくるための期間とリスクの関係性

  • 2 資産1億円をつくるためのポートフォリオ

  • 3 資産1億円を達成するための株式以外の投資対象

 

資産1億円をつくるための期間とリスクの関係性

資産1億円を達成するために気になるのは、どれくらいの期間をかければ資産1億円を築くことができるのかということです。

その答えは、リスクをどれくらい取れるかによって変わってきます。

ポートフォリオを決めるための目安となる公式をお伝えしておきましょう。

一般的に、ポートフォリオについては「株式の割合=100-年齢」とされています。

例えば今30歳であれば、「100-30歳=70」で、投資する資産の7割程度ならリスクを取って株式に投資しても良いだろうということになります。

この考え方では、若年層ほど株式配分比率(リスク許容度)は高く、年齢を重ねれば重ねるほど株式配分比率は低下していきます。

 

資産1億円をつくるためのポートフォリオ

「資産1億円をつくるためのポートフォリオ」と言っても、ゴールが資産1億円なのか、それとも資産1億円を達成した後も資産を3億円、5億円、10億円、30億円…と増やし続けていくのかによって、資産構成の割合は異なります。

ひと昔前までは、「会社員の生涯賃金は約3億円」と言われていました。

しかし今では、約2.5億円、中央値で推測した場合は2億円前後が生涯賃金と言われています。

「1億円あれば十分」「3億円あれば十分」と考えて、1億円や3億円をゴールとしてイメージとしているのであれば、株の比率を増やした攻めのポートフォリオから、徐々に株の比率を下げていくようになります。

一方で、「資産1億円を達成した後も、もっと増やしていきたい」と考えている場合は、株の比率は格段に増えていきます。

現預金ももちろん一定量はキープしますが、毎月の生活費の3カ月分程度になるでしょう。

■資産1億円のポートフォリオ例

60%:株
30%:不動産
5%:債券、保険、現預金

株や投資信託、不動産などの王道的な商品で資産運用をする場合、資産1億円まではキャピタルゲインを大きく増やすことを狙うことはあまり行いません。

例えば、所有する会社や不動産が初期投資額や簿価の5倍で売れたという資産の増やし方は、この資産規模ではあまり起こり得ないのが実状です。

まずはしっかりと働いて本業や副業・複業の収入を増やし、資産運用に充てられる余裕資金を増やしていくことが重要です。

出ていくお金(浪費と消費)にも意識を向けて、適切な節約にも取り組むようにしましょう。

 

資産1億円を達成するための株式以外の投資対象

別稿『投資・資産運用の原則を知っておこう』でお伝えしたように、まだ若く長期的な視野で資産運用、資産形成に取り組むことができるのであれば、原則に従うのが効率が良いと言えるでしょう。

NISAやiDeCoのような制度を活用するだけでも、

・つみたてNISA:年40万円×夫婦2人=年80万円
・子どもいる場合はジュニアNISA:年80万円×子の人数
※ジュニアNISAは2023年まで
・年齢によってはiDeco:会社員の場合は月2.3万円×夫婦2人=年に約55万円

夫婦2人・子ども2人であれば、月25万円を資産運用に回すことになります。

ジュニアNISAは2023年までしかできませんが、つみたてNISAとiDeCoだけでも夫婦で月11.2万円です。

まずは制度の枠を使い切り、それでも余裕資金がある場合は他の運用も考えるのが良いでしょう。

王道中の王道とも言える全世界株式や全米株式などのインデックスファンドに投資しても良いですし、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな暗号資産をドルコスト平均法で買い増していくのも長期的には資産形成につながるでしょう。

また、金融商品以外にも目を向けられるのであれば、事業投資という選択肢もあります。

別稿『人生を充実させるために知っておきたい3つの投資領域』にあるように、投資・資産運用には、大きく分けると「不動産投資」「金融商品」「事業投資」の3つの領域があります。

不動産投資:マンション投資、アパート投資、オフィスビル投資、更地投資(ランドバンキング)、海外不動産投資(マンション、アパート、コンドミニアム、工場、ショッピングモール、更地、プレビルドほか)など

 


金融商品:国債、投資信託、株式投資、FX(為替)投資、定期預金、普通預金、外貨預金など

事業投資:起業、第二創業、新規事業の立ち上げ、M&A、事業の売買、フランチャイズ加盟、出資、海外進出など

最近は、比較的小規模のスモールM&Aが盛んになっています。

株式譲渡ではなく、事業譲渡も広義ではスモールM&Aに含まれます。

ゼロイチで新規事業を立ち上げるよりも、すでに軌道に乗っている会社や事業を譲り受けた方が効率的で確実性が高いからです。

小資本で事業を立ち上げ、あるいはM&Aで譲り受け、その企業価値や事業価値を数年で高めて売却(EXIT)するという資産形成の方法もあります。

「連続起業家(シリアルアントレプレナー)」と言われる人たちです。

 

起業と売却をくり返し、夢中になってビジネスに取り組むのが連続起業家です。

連続起業家は、一度失敗しても、それで終わりではありません。

失敗から学び、次に活かして飛躍します。トライ&エラーをくり返すのが連続起業家です。

次はどうすれば失敗しないのか、失敗を成功に変える方法はないのか、多重視点で失敗を見つめ直し、次につなげます。

辞めたり諦めたりするのは、もっとも消極的な解決方法です。

もちろん取捨選択、選択と集中は大切ですが、達成するまで続けること、途中で辞めるというある意味で賢い選択を取らないことも大切です。

また、連続起業家という生き方、あるいは連続起業家という投資・資産運用の方法は、自己投資にもつながります。

体験に投資していれば、お金は後からいくらでも回収できます。活かし方は自分次第です。

 

※本コラムは、筆者の許可をとって掲載しております。
筆者のサイトはこちらからご確認下さいませ。