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<前編>富裕層が虜になるワイン 有限会社サンク・センス 代表取締役 松浦尚子

有限会社サンク・センス

代表取締役 松浦 尚子

 

有限会社サンク・センス 代表取締役社長 松浦尚子 プロフィール

神戸大学教育学部卒、ベネッセに勤務。1997年に渡仏し、世界的な権威を持つボルドー大学ワイン醸造学部で日本人では数少ないワインテイスター資格を取得。
広島県の第3セクターワイナリー設立にかかわり、米国・ボストンの投資会社に籍を置き日仏間で働く。

難関フランス文部省認定のフランス語資格DALFを全て取得。
5年間のフランス滞在後、帰国。
2003年4月に有限会社サンク・センスを設立、代表取締役に就任する。

HP:サンク・センス

 

<前編>富裕層が虜になるワイン

ワインを教えるのが私のワークライフ

松浦さんのご経歴を拝見させていただきましたが、今の事業をする前は教育関係に勤められていましたよね。
教育関係から全く違うワインの世界に足を踏み入れられたキッカケはなにかあったのでしょうか?

 

松浦:大学も教育学部を専攻して教えることに昔から高い関心がありました。でも学校という場ではなく、社会人に向けて教えることに惹かれるようになりました。
そんな中で『ワインを教える』ということに興味がわいて、ワインの世界に入りました。

 

ー教える分野にもたくさんある中でどういうキッカケで『ワインを教える』ことを選ばれたのですか?

 

松浦:もともとワインが好きというのがありますが、大学生のころからフレンチレストランでアルバイトをしたり、フランスに一人旅をしてワインを楽しんでいました。

海外に一人旅!すごい行動力ですね。

 

松浦:やりたいと思ったら、すぐ行動にうつしてとことんやりたい性格なのかもしれません(笑)

 

ー私はその行動力がないので、正直すごく羨ましいです(笑)
ではアルバイトや一人旅など、ワインが身近にある環境だったのですね。

 

松浦:そうですね。大学を卒業後、大企業の中で働いていたなかで、なにか「私にしかできない」という専門を身につけたいと思って、考え抜いた末、『ワイン』を選びました。

 

ー松浦さんはフランスでワインテイスターの資格を取得されていますが、ソムリエとはまた違うのですか?

 

松浦:よく聞かれるのですが、実は全く違います。日本では、ワインと聞いて想像するのがソムリエでしょうか。

 

ーそうですね。ワインといえばソムリエというイメージは強いですね。正直にお話しますと、ワインテイスターは初めてお聞きしました。

 

松浦:私と同じ資格を持つ人は日本では数少ないと思います。

 

ーではワインテイスターとソムリエの違いをお聞きしてもよろしいでしょうか?

 

松浦:日本のソムリエは、日本の社団法人ソムリエ協会が認定します。ソムリエはレストランなど飲食サービスを専門とする方が持つ資格です。私が持っている資格は、フランス・ボルドー大学ワイン醸造学部が認定しているテイスターの資格です。

 

ーなるほど、全然違うのですね。松浦さんは、なぜフランスに行こうと思われたのですか?

 

松浦:『ワインを教える』仕事をするのに、ワインを学ぶなら世界中どこがいいかと思って探した結果、フランス・ボルドー大学にこれ以上ないという内容と資格が取得できることを知りました。

 

ー行動力が素晴らしいですね!本場のフランスを選ばれたということですが、松浦さんはフランス語は得意だったのですか?

 

松浦:実は私、会社を辞めた時点で、フランス語はほとんど話すことができませんでした(笑)

 

ーそうなのですか!

 

松浦:渡仏を決めてすぐ、国際交流会館に「フランス人家庭教師求む」という張り紙をしたところ、フランス人が応募してくれました。英語でフランス語を学んで、半年後にはフランスに行きました。

 

ー先ほどから言っていますが、本当にすごい行動力ですね(笑)
日本ではワインは富裕層の方が特に好まれるものというイメージが強いのですが、フランスに行かれて、フランスと日本でのワインの違いって何かありましたか?

 

松浦:フランスではワインは小さな頃からどの家庭にもある身近にあるもので、生活に溶け込んでいると感じます。肩に力を入れず、誰もが気軽にワインを楽しんでいます。
そこが違いました。

ー確かに、少し前までは、日本でワインと聞くと気軽に楽しむというよりも、高級で手が出しにくいイメージが私もありますね。

 

松浦:ワインスクールを開くときにも、そのイメージを変えたかったのと、普段の生活の中に溶け込んだフランスの世界観を日本に伝えたいと思いました。

 

ポイント

『日本=ワインは高級で手が出しにくい』というイメージを変えたかった

普段の生活の中に溶け込んだフランスの世界観を日本に伝えたかった

 

お金では買えない、富裕層が虜になる奥深いワインの魅力

ー昔と違って今ではワインも身近に飲める機会が増えましたね!
それでもワインを極めたいとなる方はやはり富裕層の方が多いですか?

 

松浦:そんなことはありません。ただワインは本当に奥が深いので、「もっと知りたい」という知的好奇心が高い方に、その魅力がより心を引き付けるのだと思います。

 

ー富裕層の方は、自分が成長できることをすごく大事にされていますし、学びを絶やさないというのが富裕層の方の共通する特徴でもありますよね。

 

松浦:ワインが好きな方は、お金では買えない体験とか、ここでしか出会えないかけがえないものそこで得ることができる知識に対しては、とても意欲的だと思います。
常に新しい情報を取り入れる姿勢が強い印象があります。

 

ー情報や知識をいれることで自分の価値も上がりますよね。学ぶことの中でも、富裕層の方はワインをなぜ選ばれるのでしょうか?

 

松浦ワインは何歳からでも学び始めることができますし、ワインの世界は本当に奥深い。知れば知るほど面白いですし、一生付き合えるものなので、そういったところが多くの方の心をつかんで離さないのだと思います。

 

ポイント

奥深いワインの魅力は終わりがなく、多くの方の「知的欲求心」を引き付ける

お金では買えない体験(ここでしか出会えないかえがえないもの)

ワインは一生付き合えるもの(ワインを勉強していくと、どんどん興味のあるワインが増えていく)

 

<中編>サンク・センスだけの特別感、ワインスクールという名の”大人の社交場”

につづく