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【国家戦略】人生100年時代を見据えてどう生きるべきか?

【国家戦略】人生100年時代を見据えてどう生きるべきか?


皆さんは「人生100年時代」といわれる言葉を目にしたことはあるでしょうか。日進月歩の勢いで日々新たなテクノロジーが生まれくる技術革新、世界中の経済・政治情勢が密接に結びつくことで日々目まぐるしく移り変わる経済情勢、そのような激動の時代で100年という長い時間を生き抜くために、なにをするべきかをご紹介したいと思います。

人生100年時代とは〜経済事情に関わらず頑張る事ができる時代〜


「人生100年時代」とは、100歳まで人生が続くことが一般的となる時代のことを指します。既に厚生労働省でも人生100年時代構想会議が平成29年9月に設置され、当該社会を見据えた経済社会システムを創り上げるためのグランドデザインを検討するために9回も議論が行われています。厚生労働省のホームページによると、人生100年時代については「100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、更には社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたる学習が必要です」「人生100年時代に、高齢者から若者まで、すべての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会を作ることが重要な課題となっています」とあります。

例えば学校教育を考えてみると、今までは大学は高等学校卒業後若しくは高等学校卒業程度認定後に進学、そして就職に向けて専門的な分野を学ぶものとして捉えられてきました。しかし、現代社会では一度就職した後に業務に必要な分野を再度学び直すために大学に再入学するという人も増えています。入学時は分からなかった自身の特性や、なにを仕事に活かすことが出来るかなど、一度実社会で経験を積んだうえで再度の学習を選択するということは非常に理にかなっており、今後のキャリア形成にも非常に役立つことでしょう

現代社会では、こうして身に付けた知識や経験を最大限に活かせる社会でもあります。例えば定年退職した職員の再雇用を行う企業も非常に増えています。以前のような時間短縮型雇用に加え、ネットが発達した現在では在宅ワークを認めている企業も見受けられます。定年を迎える職員は通常、30年以上様々な経験を積んでいる場合が殆どであり、その間に積み上げられた知識や経験・ノウハウといったものは企業にとってかけがえのない財産なのです。

このように、人生100年時代といわれる現代社会においては誰もが生涯にわたる学習の機会を与えられており、またその学習を発揮する場が長く用意されています。100年という長い時間の中で、必要なことだけでなく自信が興味を惹かれる分野について学んでみたり、一つの仕事だけではなく自信のスキルや知識・経験を活かせる仕事を探してみたりと自分の能力を発揮できるフィールドが後代に用意されているといえます。

人生100年生きるにあたり最大の不安は?


厚生労働省が公開した「平成29年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳と発表されましたが、「人生100年時代」の定義に照らし合わせると、男性は更に19年、女性は13年分の人生についてライフプランの設計をしなければいけないことになります。このことから、「高等学校や大学を卒業して企業に就職して60歳~65歳の定年まで勤める。その後は年金と貯金を生活費に充てつつ余生を楽しむ」あるいは「自営業を営み、貯金をしつつ同じく60歳~65歳からは年金や貯金で生活する」という従来型のロールモデルが通用しなくなりつつあることが予想されます。

このように人生が100年続くと想定した場合、考えなければならないことは「経済的問題」です。一般的に、老後にゆとりのある生活を送るためには月に12万円から15万円、年間に換算すると144万円から180万円が必要ということになります。多くの場合、企業による再雇用は正社員時代の給与から減額される場合が殆どであり、現役時代と同じ感覚で収支を計算することはできません。したがって若い年齢のうちからしっかりと貯蓄や資産形成を行い、老後に向けた収支バランスの設計を行う必要があります。

また、こうした収支バランスの変化だけではなく、自身の肉体的変化にも気を付けなければなりません。人間も生物ですので、当然長く生きれば生きるほど肉体的機能は低下していきます。例えば三大疾病のうちの一つ、ガンを例にとって考えてみましょう。ガンが発見された場合、とるべき治療法としては手術・抗がん剤治療・放射線治療といったものがあげられます。これらは治療に際し期間が長期間に及ぶことが多く、一度罹患した場合は今後家計の一つの支出項目として計算しておく必要があります。また、こういった病気だけではなく、高齢者の場合は怪我も非常にリスキーなものとなります。お風呂場で滑って転んでしまったり、自転車で倒れてしまったりと、以前では回避できたような怪我をするケースが多いのです。もし転倒の際に骨折などをしてしまった場合、若い頃に比べて完治までの時間が長くかかるため、その分経済的な負担も大きくなってしまいます。

このように、人生が100年と続くことは自身の充実した人生が長く続くフィールドが用意されていることではありますが、そのフィールドを活かすためには経済的余裕、また健康的余裕が必要だということができます。経済的な余裕と健康的な余裕はいわば自転車の両輪です。どちらかが欠けても充実した人生を送ることはできないのです。

人生100年時代を生き抜くため必要な対策とは


では、人生100年時代において経済的余裕のある資産形成を行うためにはなにをするべきなのでしょうか。資産形成において大切なことは「お金を貯める」ことともう一つ、「お金を増やす」ことです。人生100年時代という、「人生が長くなる」にも関わらず「収入が減る」ようなことが予想される場合、現役時代の給与だけではなく、自身で何かしらのアクションを起こす必要があります。

例えば金利の良い定期預金を探すことであったり、投資信託を長期保有することで年~十年単位で着実に資産を増やすということはリスクも少なく多くの人が行っていることです。他にも、株や外貨といった値動きの大きい投資を行うといった選択も考えられます。このような投資は前述した預金などと比べてリスクを負う可能性がありますが、その分大きいリターンも見込め、収入が増えていき、余裕資金が確保できる若いうちに十分な資産を確保しておこうと考える人もいます。他にも満期時に年金タイプでお金が支払われるものや解約返戻金が定期預金の利率を超える保険商品で中長期の資産形成を計画したり、外貨で世界情勢の変化に対応して利益を得るなど、様々な資産の増やし方が挙げられます。

ここで大切なことは「必要資金」と「余裕資金」をしっかりと分けて考えることです。生活費として最低限確保しておかなければならない「必要資金」が不十分だと、「人生100年」以前に若いうちの生活すらままならなくなってしまうかもしれません。年齢や結婚しているか否か、今後のライフプランによって必要資金は千差万別です。現在ではこういったライフプランニングについて相談にのってくれる金融機関も増えてきていますので、一度専門家と共に自分の将来像を考えてみるのもいいかもしれません。

【まとめ】経済的余裕をもって人生100年時代を生き抜こう


準備をしている人、もそうでない人にも、「人生100年時代」は平等に近づいてきます。経済的な余裕をもって、長く生きることを幸せと捉えるのか、または経済的な余裕がなく、長生きすることを辛いこと捉えるのかは老後を迎える前の準備次第で大きく変わってきます。自分の人生計画をしっかりと描き、幸せな老後を過ごせるようにしましょう。