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不動産クラウドファンディング「メザニンローン」とは?

不動産を購入する際に、最近よく聞くようになった「メザニンローン」という言葉があります。
不動産のクラウドファンディングにおいても「メザニンローン」という言葉が出ています。通常の不動産ローンとは違うのでしょうか。

不動産を購入する場合、資金調達方法も多岐にわたっています。銀行や金融機関から借りる方法だけでなく、ソーシャルレンディングやクラウドファンディングを通じて、資金を集める方法もあります。不特定多数から資金を集める方法で、メリットもありますが、金額によっては不成立になってしまう可能性もあります。

本記事ではメザニンローンの解説とどのようにして活用するのか。収益用不動産を入手すべく、融資を求めている人にとって役に立つでしょう。

 

メザニンローンとは?

メザニンローンとは、不動産を購入する際に、自己資金、通常のローンとは別に第三のローンという意味合いで使われます。そもそも、メザニンという言葉は、英語で「中二階」を指します。

ローンは、メザニンローンと従来型のシニアローンに分けることができ、自己資金とシニアローンの間にメザニンローンが入ります。
エクイティは土台、その上にシニアローンが乗っかりますが、間に入るようにメザニンローンが乗っかるため、その状況を中二階と言い表すことができるため、メザニンローンと呼ばれるようになりました。

返済の優先順位もメザニンローンはシニアローンより低く設定されるため、その分リスクが高まります。リスクの度合いを返済リスクに盛り込むならば、

エクイティ:ハイリスク・ハイリターン
メザニンローンは:ミドルリスク・ミドルターン
シニアローン:ローリスク・ローリターン

となります。

ちなみに、不動産の売買だけでなく、M&AやMBOなど、巨額な資金が動き、リターンが見込める場合にもメザニンローンは検討されます。

自己資金とシニアローンでは賄えない時にメザニンローンを活用する

では、どういった時にメザニンローンは活用されるのでしょうか。

5億円の不動産物件を購入したいと考えます。自己資金は1億円、シニアローンからは、3億円まで融資が受けられるとします。しかし、この時点で1億円足りません。

その不足分を補うためにメザニンローンという形を取ります。
もし、新たな融資が成立しない場合は、それまでの労力が水泡に帰すため、なんとしてでも成立させたいと考えます。

メザニンローンは、リース会社や損保会社、信販会社、ソーシャルレンディング事業者が基本的には貸し手となりますが、クラウドファンディングという形にも、置き換わります。

 

メザニンローンのメリットは?!デメリットもある?

シニアローンに比べて、審査が甘いというメリットはありますが、金利が高く設定され、その割合が5%から高い金利でも10%までいく場合もあります。
返済する場合は、同じ融資会社だったとしても、ひとつにまとめることはできないため、返済側は二口の支払いが発生します。

二口の支払いが発生するといっても、メザニンローンの場合は、借入期間や返済方法をある程度フレキシブルに設定することができます。そのため、借入期間内に全額返済できれば良いので、金利のみの返済で進めていくことも可能です。

所有する不動産を売却し、まとまった金額を手に入れてから返済するということが可能な為、融資を受ける側からすると、リスクを最小限に減らせます。
ただし、貸し手側からみると、シニアローンより返済順位が低くなるため、返済が滞ってしまった場合は、元金回収がかなりのリスクになります。

借り入れる側からすると、スケジューリングができるということはかなりのメリットに映り、返済額などに目を向けるとデメリットが際立ちます。

 

ソーシャルレンディングやクラウドファンディングとの親和性

メザニンローンは、不動産投資資金の不足分を補うのが一番の目的です。
事業をスタートさせるための、追加の資金調達という扱いであるため、銀行や各種金融機関でなくても良いはずです。

不動産事業をプロジェクトとして、個人に幅広く出資を募るソーシャルレンディングやクラウドファンディングとの親和性も高くなります。

手堅い運用を行いたい銀行や信用金庫、保険会社や損保会社は、大きなリスクを嫌います。より大きく儲けたい個人投資家やまとまった資金を持っていないサラリーマンにとって、利回りが高い案件には投資したくなります。

一人で、1億円を超える金額や数千万円単位の出資となると難しいですが、1口あたりの金額を細かくして、インターネット上から投資したい人を集めるのは実現可能です。

つまり、ソーシャルレンディングやクラウドファンディングなどと、メザニンローンのスキームを活用した融資は有効と言えます。
さらに言うと、プロジェクトの組み方や、契約上ある程度リターンが返せるようになってから、配当を渡していくこともできます。

もちろんスケジュールをしっかり組む必要はありますが、少しでも高利回りの案件に投資をしたい側からすると、喜ばしい内容です。

 

メザニンローンのリスクを考える!クラウドファンディングなら安全?

クラウドファンディング方式を採用しているメザニンローンは安全なのでしょうか。

利回りが高くなると、それに伴いリスクが高くなるイメージがあります。
例えば、国債で10%を超える利回りであれば、回収できなくなる可能性もあるため、国債を購入する場合、躊躇してしまいます。

しかし、メザニンローンを採用した不動産クラウドファンディングの場合、10%程度の利回りは普通に見かけます。表面的なところを見ればリスキーに感じますが、返済額を見ると一概にそうでないことがわかります。

シニアローンとメザニンローンでは、元金に差があります。
仮に7億円の不動産案件の中、1億円がエクイティ、5億円がシニアローン、そして残りがメザニンローンだとします。もし、メザニンローンが10%の利子だったとしても、トータルの支払いは1億1,000万円になります。利率は高くても総支払い分が、抑えられるため、数字上の高さほどのリスクはないと思っても良さそうです。

不動産クラウドファンディングで設定されている利回りは、特段高いわけでもなく、制度上から考えると、妥当な数字と言えるでしょう。

 

まとめ

メザニンローンは、不動産融資を受ける際に、自己資金やシニアローンでは不足している分を追加で融資を受ける制度です。そのため、利子は高く設定されており、出資する側からすると、ミドルリスク・ミドルリターンの投資案件だと認識しておきましょう。

返済の優先順位は、シニアローンより低く設定されているため、支払いが滞ってしまうと、メザニンローンまでには行き渡らない可能性はあります。
返済が順調であれば、利息が高く設定されているため、少ない資金で中程度ほどの儲けを出したい投資先を探している人にとっては興味のある案件かもしれません。

不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングでも、メザニンローンをベースとした融資案件があり、通常の金額よりさらに小口にして、スキームを組んでいる場合もあります。

利回りが10%の案件も出てくるためリスキーかと思うと、実はそうでもなく、メザニンローンの性質上、妥当な数字だと留意しておくと良いでしょう。

もちろん、利回りの良さだけで投資を決めるわけではありませんが、出資をして儲けを出すためには必要な指標です。

投資は自己責任の世界です。自分にぴったりな投資案件を見つけてチャレンジしましょう。