ホーム > 資産運用 > 国内不動産 > 「8.8兆円評価損、やばいぞ、日銀」2.「更に長期金利を引き上げるとどうなるか?」植田日銀審議委員(当時:元東大教授)の警告が現実化」他

「8.8兆円評価損、やばいぞ、日銀」2.「更に長期金利を引き上げるとどうなるか?」植田日銀審議委員(当時:元東大教授)の警告が現実化」他

1.「8.8兆円評価損、やばいぞ、日銀」

昨年12月末時点で日銀の保有国債の評価損は約8兆8000億円と黒田日銀総裁が先週金曜日に国会答弁した。算数が出来れば簡単に推測できた数字とはいえ、新聞1面全部を飾るような大ニュースだ。日本国民の生活が崩壊するか否かの大事件なのだから。9月末の評価損が8849億円だったから8兆円も損が拡大した。日銀のいわゆる内部留保が11兆円にすぎないのだからから、いかにドでかい額かが分かる。長期金利の防衛ラインを0.25%から0.5%に引き上げた結果だ。https://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN2UD06Y.html

私が銀行マンの時には、「中央銀行は通貨の信用を保つためには評価損を生じるような金融商品(長期債や株式)を購入してはいけない」が常識だった。だから約束手形等を購入し、株など買っていなかったし、国債も3か月までの短期債や政府証券の購入のみ。中央銀行である日銀が、これらの金融商品を爆買いした。評価損が出ること自体、中央銀行としてはとんでもないことなのに、長期金利の上昇は止まらないから、この巨大損失はさらに損は爆増していくだろう。

3.「黒田日銀総裁が、物価上昇にも関わらず金利引き上げを躊躇する理由」

0.25% から0.5%に引き上げたら8兆円の評価損の拡大。今後0.75%に引き上げたら更に8兆円の評価損の引き上げだ。1%に上げたら更に8兆円の評価損の発生。中央銀行としては近代見たことの無いような巨額(対GDP比)の債務超過だ。これが黒田日銀総裁が、物価上昇にも関わらず金利引き上げを躊躇する理由。他になにがある?たしかにFRB も債務超過になっているのかもしれないが、FRBは短期政策金利を0%から4.75 % まで上げても、まだ巨額の通貨発行益(受取利息―支払い利息)が生じるから、その益で評価損を解消できる。一方、日銀は政策金利を0%からたった0.3%に引き上げれば通貨発行“損”が発生してしまう、もうミゼラブル。いわば、FRB は借金過多(それもたいした金額ではない)になっても、まだ充分儲かる仕事をしている状態。日銀はとんでもない借金を抱えてしまった上に失業して借金の金利も生活費も払いようもない状態に近づいている状態。円の紙くず化は近い。

4.植田日銀審議委員(当時:元東大教授)の警告が現実化

昨日、私のtwitterに20年前の日銀審議委員(当時:元東大教授)の植田さんが日本金融学会でした講演の要旨を紹介してくれた方がいた。この植田講演の内容は、私も何度か本の中で取り上げたことがある。その中に「(債務超過のリスクを意識するようになると)債務超過に陥る前からその可能性を高める引き締め政策を躊躇してしまうリスクも無視できない」とある。まさに今私が「黒田総裁が、物価高にもかかわらず利上げしないのは債務超過が怖いからだ。ほかに何がある」と何度も書いていることを予見されていたわけだ。植田副総裁の危惧が今、具現化している。

https://www2.boj.or.jp/archive/announcements/press/koen_2003/ko0310f.htm

5.「債務超過の怖さ」

日銀審議委員(当時:元東大教授)の植田さんの講演では債務超過の怖さが述べられている。20年前によく今の日銀が面する問題を指摘されたとも思うが、当たり前と言えば、当たり前だ。オーソドックスな金融論に基づいて講演された植田さんだが、日銀は植田講演後も、オーソドックスな金融論では「やってはいけないこと」をどしどしやってきたのだから、今の惨状は理論通りなのだ。私を過激だという人がいるが、日銀がオーソドックスな金融論に反する行為を大々的にやってきたのだから、結論が過激(日銀破綻)は当然なのだ。

6「植田論文以降に、財政ファイナンス開始」

植田論文以後、日銀は2013年に異次元緩和という美名のもとに財政フ

ァイナンスを開始した。講演で植田審議委員は「多額な通貨発行益に頼らなくなるから大変だ」とおっしゃってていた、その通貨発行益が消えうせた。それどころか今は、巨大通貨発行“損”が長年続くことだろう。当時に比べても日銀はとんでもない状態に陥ちってしまった。私が20数年に警告してきたその

通りの道筋(2013年に財政ファイナンスの開始というとんでもないこと

を開始したので私の予想も「先送り」と軌道修正したが)を歩んでいる。

7.「バブルと同じ」

以下今朝発信しようと思って昨晩書き溜めてあった原稿。昨晩の雇用統計を見た後、一層、この感を強くした。「FRB議長の発言であれ、なんであれ、何かすこしでも楽観的に話があるとすぐ、好意的に解釈し、株と債券を買いあげる。1985年から90年の日本のバブルの時と同じ。(続)続)日本人全員が舞い上がって「日経平均が8万円に行く、10万円に行く」と騒いでいた。市中にお金がじゃぶじゃぶな時に起きる現象。当時、舞い上がっていた国債のチーフ級トレーダーはすべて業界から姿を消した。私は直前に逃げ切り、生き残った唯一の人間ともいえる。

8「鳥羽、そして名フィル」

木曜日は午前中テニス。金曜日は朝8時半に家を出て、何度も泊まりに行っている鳥羽のホテルへ。私どもお気に入りのホテルの一つだ。潮騒の音と小鳥の鳴き声を聞きながらの露天風呂が最高。土曜日は11時までホテルライフを満喫し、名古屋へ。

30
40

16時半から追っかけをしている小泉和弘さん指揮の名古屋フィル@名古屋芸術劇場。小泉さんの奥様真美さんが彼女の隣(音が一番集まる最高の席)をとってくださったので、素晴らしかった。チャイコフスキーの5番は拍手が鳴りやまなかった。往復の電車の中は暇だったのでTwitterの返信で時間をつぶした。

奥様のまみさんから小泉さんの70歳のお誕生日会の時の写真を何枚かいただいた。(↓、左から三菱UFJグループの元総帥平野さん、小泉さん、私。平野さんとは昔、共に金融庁の審議委員を拝命したこともある。写真を撮っているのは家内。小泉さんの誕生日だから特別な図柄の帯をしめて行った)奥様のまみさんに小泉さんの70歳のお誕生日会の時の写真を何枚かいただいた

10

昨日は、電車の中でやることが無かったので、SNS にかなり反応していた。もっとも数字等は、電車の中で資料が無かったのでうろ覚え(ご自身で数字はお確かめ下し)

9.「植田講演は新興国の話か?」

昨日、池田信夫先生から私のツイターに以下のリツイートをいただいた。「植田さんの話は途上国のケースで、日銀にもFRBにも当てはまらない。日銀の場合は償還まで保有し、永久債で借り換えれば、債務は実質的に削減できる。必要なのは「狼が来た」と騒ぐことではなく、財政と金融の協調」

以下のように回答した。

「よく講演要旨を読んでください。200%日銀の話です。日銀の問題点がテーマなのですから」

10,「時価で債務超過になったところで、何が問題か?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「悪戯に感情論で恐怖を煽るのは良くありません。時価では債務超過になりますが、簿価ではなりません。結局、時価で債務超過になったところで、何が問題なのかを聞かれても何も答えられないじゃないですか?国債というのは、必ず取得した金額で返ってくるので、何も問題ないんですよ」

植田元日銀副総裁、元東大教授の講演を熟読し、あなた間違えてるんじゃないかと文句を言ったらどうですか?中央銀行の債務超過の問題が書いてあるでしょう。かつ何度も言うように日銀が簿価評価しても日銀を評価する人は時価評価。

11「簿価会計で評価すべしと考えるのなら外資を説得せよ」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「でも現金を無限に保有できる日銀はゴーイングコンサーンをあまり気にしなくていいので、満期償還まで国債をじっくり持てる。なので簿価評価は妥当では?ETFとかは別として」

以下のように回答した。

「外資を説得出来るなら、してみてください。私は対S E Cを含めて、嫌というほど議論しましたから」。

12.「債券市場に何かおきているか?」

池田信夫先生からさらなるリツイートをいただいた。

「日銀が時価評価されるなら、8.8兆円の債務超過になった今は、国債が大暴落しているでしょう。債券市場に何か起こってますか?」

以下のように回答した。

「8.8兆円は日銀保有国債の評価損であり、日銀は、まだ、かすかすのところですが純資産です。債務超過でおこるリスクは日銀と円の信用失墜です。国債が大暴落するのは、日銀が国債の購入を辞めた時か、辞めざるを得ない時。まだ日銀は購入継続中」

13・「何も起こっていないから時価会計評価説は誤りか?」

池田信夫先生からさらなるリツイートをいただいた。

「それは元のスレッドにも書いたように「評価損」の誤記です。8.8兆円の評価損を「時価評価」したら、日銀の資産は1.5%ぐらい減り、国債は暴落するはずです。今のところ何も起こっていないのだから、藤巻さんの時価評価説は誤り」

以下のように回答した。

「日銀の債務超過は、直接的には、国債暴落には関係ありません。債務超過で日銀が国債購入をやめるとマーケットが確信すれば暴落します」

14.「短期政策金利のごく一部がマイナス」

池田信夫先生から。さらなるリツイートをいただいた。

「そういうことも起こってないわけです。今のところは政府も日銀も過剰に信頼されているので、マイナス金利になっている」

以下のように回答した。

「マイナス金利は短期の政策金利。それも22兆円にすぎない.短期金利は中央銀行が決定するので国の信用度など反映しない。長期金利は0.5%。低いのは、日銀が年間発行額の6割から9割と言う爆買いをしているからで国が信用されているからではない」

15.「円預金は預金保険で1000万円戻ってくるか?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートをいただいた。

「銀行が倒産したら円預金なら」1000万円は返って来ますよね」

以下のように回答した。

「最初に潰れる地銀の最初の2〜3行までの預金者は大丈夫でしょう。それ以降は払いたくても金がないから払われません。預金保険は少数行の倒産に備える目的で作られています。保険料は皆さんの預金から少しずつ積みてついるだけです。なにせ、保険ですから。その意味では、預金も外貨預金も同じ」

16.「預金保険機構は十分な保険原資をhごゆしているか ?」

池田信夫先生からさらに以下のリツイートをいただいた。

「そんなことはありません。1998年以降の金融危機でも、不良債権100兆円は預金保険機構が資本注入しました。公的負担46兆円のうち、最終的に回収不能になったのは10兆円。今でも新生銀行は返済を続けています」

以下のように回答した。

「1000万円のペイオフ対象預金は1260兆円.保険金支払用に積み立ててあるお金は5兆円。たった0.4%。どうして大丈夫といえるのか?そもそも、預金保険は、日債銀(?たしか)程度の銀行の倒産を前提として作った制度で連鎖倒産を前提としていない」

17「中央銀行の負債は債務性が内科?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「そもそも現代の中央銀行の負債には、基本的に『債務性』がないのだよ。だから、『債務超過』になったとしても、何の支障もない」

以下のように回答した。

「ならあなたの銀行預金もパーですな。あなたが預けた銀行預金の一部は日銀当座預金として日銀に預けられていますから」

18「答えになってないか>」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「答えになってないけど(笑)」

以下のように回答した。

「こんな簡単なこと理解できないんですかね〜?日銀当座預金は、500兆円近くあります。民間銀行の預金です。負債性がなく民間銀行に返ってこなかったら貴兄に返す金ないでしょう。教祖のいうこと盲信しないで頭使いましょう」

19「日銀は債務不履行にならないか?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「日銀が債務不履行にならないことは簡単な話だと思うのだが」

以下のように回答した。

「何十回説明していることやら。自分で紙幣刷れるから資金繰り倒産はしない。すなわち債務不履行はない。しかし信用は失墜しうる。そうなれば円の信用も失墜。中央銀行をとりかえなければ解決策は無い」

20,「政府の債務は国民の資産は大政翼賛会と同じ」

「昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。「反緊縮の方々、つねづね、政府の債務は国民の資産って言ってるのにわかってないのかな」

以下のように回答した。

「戦時中、大政翼賛会も、そういって戦時国債買わせたけど戦後、ハイパーインフレで買った国債はパーになりましたな。国民の資産を減らして、国の負債を減らす、究極の財政再建。今、やっていることと、同じ」

21「財政法第4条は先人の知恵」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「そもそも国債は借金だからダメだ、減らさないと、って認識が根底にある時点で議論にならんのよ。マクロにミクロで反論するようにね。勝ち誇ってるようだけど、あなたは今までこう言った議論で話をすり替えすり替え『こいつ議論しても無駄や』って思った人が返すのやめただけ。論破は思い込みやぞ」

以下のように回答した。

「ハイパーインフレの経験から、財政法第4条をつくった先人をアホ扱いにするのですね。あなたは、たいそうなお方だ」

22.「民間銀行が国債を買う原資は?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「(民間銀行は)預金で国債は買ってない」

以下のように回答した。

「日銀のバランスシートは、約700兆円.資産のうち国債が500兆円。負債のうち、日銀当座預金という民間銀行からの預金が約500兆円。さて日銀は何で国債を買っているのでしょうか?わからなければ小学生に聞いてください」

23,「日銀国債保有額の評価損が8.8兆円と言うことは」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「(12月末の日銀国債保有額の評価損が8.8兆円と言うことは)債務超過まであと2.3兆円しかないのか…」。

以下のように回答した。

「引当金プラス準備金が約11兆円ですが株の評価損が数兆円ありますから、もう少し余裕がありますが、おっしゃるようにもう崖っ縁です。昨年9月末の債券評価損がたしか1兆円いっていませんから、ターボが効いたような急増ぶりです。たった0.25%の上昇なのに」

24.「外資系金融機関は日銀当座預金を閉めることはないのか?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「僕は中央銀行の債務超過が原因で外資系銀行の取引口座を閉めたという例を聞いたことがありません。閉める必要も全くないわけで」

以下のように回答した。

「なに、いっているのやら。邦銀と違って外資は、中央銀行にも取引枠を設けています。撤退する可能性がないのなら、そんな枠は設けません。債務超過ほど危険な事はありません。ここ何十年ここまで大きな債務超過を生じる可能性のある中央銀行はG7の国ではなかったので撤退がなかっただけです」

25,「オーストラリアの銀行が債務超過になっても破綻していないのになぜ日銀が破綻だと煽る?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「そんなもんいちゃもんつけようと思えばなんとでも言える。アメリカの政府債務が大きい→国家破綻だー イギリスの債務が大きい→国家破綻だー オーストラリア中央銀行が債務超過→国家破綻だー こればっか」

以下のように回答した。

「対 G D Pで日本の借金額がダントツにでかいから日本があぶない。税収はおおよそ G D Pに比例する。日本は税収で借金が返せない N O1ということ。こうなると戦争で他国資産をぶん取るか、借金踏み倒し(ハイパーインフレ)まさか前者はないから後者」

26「満期保有だから簿価評価でいいではないか?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「民間銀行も満期保有目的債券は簿価評価じゃないですか?売買目的有価証券が時価評価なだけで」

以下のように回答した。

「(確か)1997年に日銀が会計基準を決めた時は、民間と同じ基準とした。すなわち満期保有は簿価、途中売却の可能性のあるのは時価会計。当時は3ヶ月国債しか保有していなかったから満期保有で問題なし。しかし今は大半が10年中心の長期債。金融政策の柔軟性を考えたら途中売却、するのが妥当。だから日銀会計は、いんちき。自分が作った基準にがっちしていない。しかし、なにはともあれ、日銀の会計方式など大して意味はない。外国勢が日銀当座預金から撤退されると大変なことが起きるが、外国勢が取引相手の信用をチェックするさいは時価会計」

27「他の中央銀行も簿価会計ではないのか?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートがきた。

「大半の中央銀行は資産を時価で評価せず、資産を売却した際にのみ保有証券の損失額を計上するとありますが、いかがでしょうか?」

以下のように回答した。

「何度も言いますが、貴兄が、住宅ローンを申し込む時、銀行は、銀行の会計基準で判断し、貴兄の会計基準で判断してくれません」

※本コラムは、筆者の許可をとって掲載しております。
筆者のサイトはこちらからご確認下さいませ。