順調と思われていた投資案件。
しかしながら、長期でみると案件が頓挫したり、塩漬け状態、あるいは破綻する投資案件も出てきます。
では、その予兆、危険のサインを早い段階で見つけることはできないのでしょうか。
本稿では、投資案件の破綻前によくみられる危険サインについて解説します。
破綻前の危険サイン①「元本保証や高利回りを謳う投資案件」
投資に関する情報を調べていると、多くの投資案件を見つけることができます。
初見で案件の良し悪しを見極められれば良いのですが、プロでもそう簡単ではありません。
懲りずに失敗してしまうこともしばしばです。
見極めの難しい投資案件ですが、「失敗パターン」「ダメパターン」と思えるものもあります。
例えば、元本保証や高利回りを謳う投資案件です。
元本保証を謳う行為は、そもそも違法です。
出資法で、不特定多数の出資者(投資家)に対して元本保証を約束することは違法とされており、元本を保証してお金を集めることができるのは、認可を受けた金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、郵便局)等だけです。
広告や資料に元本保証を明記してはいけませんし、暗に説明しても違法とされています。
ですから、「元本保証」と堂々と謳っている場合、「この運営者や紹介者は出資法に触れている」と無視するのが良いでしょう。
また、高利回りを謳う投資案件にも注意が必要です。
高い利回りを維持できている投資案件がゼロとは言い切れませんが、このような多くの投資案件は実際には資金が運用されていないポンジ・スキームでしょう。
ポンジ・スキームとは、投資資金を運用し、その利益を投資家に還元するなどと謳っておきながら、実際には運用しないスキームのことを指します。
投資詐欺でよく行われるスキームで、最初は利益の還元があったように見えても、後から参加する後発投資家から集めたお金を、以前から投資している先行投資家に渡しているだけなので、遅かれ早かれ破綻することになります。
著名な投資家・講師がセミナーをして募集した投資案件のなかにも、「実際はポンジ・スキームだった」というケースがあります。
このポンジ・スキームをくり返している方もいますが、投資詐欺は立証が難しく、紹介料や運用益の配当という形で金銭を受け取っている人が多いため、逮捕されることは稀なのでしょう。
こういうスキームがあり、悪用している方たちがいることを知っておいてください。
破綻前の危険サイン②「好条件の追加情報が出てくる投資案件」
順調に思える投資案件でも、「実はポンジ・スキームだった」ということもあれば、「最初はちゃんと運用していたが、途中から狂い始めた」ということもあります。
投資と聞くと、「ATMのようにお金を入れれば(投資すれば)、お金が増えて出てくるもの」と思うかもしれませんが、実際はそうではありません。投資も事業です。
事業ですから、成功することもあれば失敗することもあるのが当たり前です。
100%うまくいくことなんて、基本的にはないわけです。
「この案件はおかしい」と途中から感じるのは、やたらと好条件の追加情報が出てきたときです。
・期日内に投資した人には、通常より高い利率で配当する
・○名限定で、レバレッジ取引が可能になる
など、期限や人数制限を設けて追加投資を煽るような場合は、危険のサインと捉えて良いでしょう。
このようなケースは、駆け込み投資を募る場合に多いです。
「お金を集められるうちに集められるだけ集めよう」という狙いで、ほどなくして破綻します。
破綻前の危険サイン③「運営者や紹介者のレスポンスが悪くなる投資案件」
もう一つ、危険のサインとして挙げられるのは、「運営者や紹介者のレスポンスが悪くなる。あるいは音信不通になる」というサインです。
音信不通になったら、投資したお金が戻ってくることは稀でしょう。
怪しい気配のする投資案件に投資してしまった場合は、できることなら元金をなるべく早く出金しておくことをオススメします。
元金が回収できれば、あとは遊びといえば遊びですから、損をしても大きな痛手にはなりません。
仮にその案件が予想以上に長く続いたとしても、「儲け損ねた。もっとお金を入れて複利で回しておけば……」と後悔しないことです。
タラレバを語っても仕方ありません。
「損をせずに済んで、少し利益を得られた。次に活かそう」と思えば良いのです。
※本コラムは、筆者の許可をとって掲載しております。
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