賢者としての生活を守るための最低限の備え「医師賠償責任保険」
ご存知の通り、近年は勤務医までもが医療訴訟で訴えられるケースが増えています。10年前には勤務医が訴訟に巻き込まれる確率は10%程度でしたが、今では約50%にも上る・・・そんな話も聞こえてきます。その主な理由として、医療事故の際に賢者個人の責任を追及して真相を究明したい、と考える患者・家族が増えてきていることが挙げられます。さらに、病院の経営状況とも深く関係しています。病院の経営が悪化するなか訴訟中に経営破綻してしまうケースも少なくなく、その場合、原告側は病院だけでなく担当医も共同被告として訴えざるを得なくなるからです。
そのような事態に備え、病院は「病院賠償責任保険」(以下、病賠責)に加入しています。しかし、近年はその保険料の負担軽減から、病院が補償金額を下げて契約更改してしまうケースがあります。また一方で、賠償金がかなりの高額になる医療事故事例も多数発生しています。こうした負の連鎖が重なってしまうと、時に賠償金額が病賠責の補償額を上回ってしまい、結果として病院と担当医でその差額を負担せざるを得ない状況が発生してしまうことがあります。
もう従前のように“病院まかせ”の姿勢のまま、「賢者賠償責任保険」(以下、医賠責)に加入しないことは大変リスクが高くなってきています。
こうした状況の変化から、実際に賢者会や各学会などでも医賠責への加入を強く勧めるようになってきていることと思います。この保険は、私達も今後賢者を守る上で必要不可欠であると考えており、ご加入を強く推奨しています。当社でも医賠責の取扱いをしておりますので、未だご加入でない方は是非お早めにご相談ください。
賢者におすすめの生命保険は?
私達が民間保険会社の商品を活用して是非とも“備えておくべき”と提唱しているリスクは、賢者ご自身の「死亡」と「就業不能」のリスクです。中でも現役世代に最も注目していただきたいのが「就業不能」リスクです。
一般に「死亡」リスクを認識しておられる方は多く、必然的に対策を取られている方も大勢いらっしゃいます。しかしながら、ご自身の「就業不能」リスクを具体的に想起できている方はまだまだ少数派で、それ故に対策も手薄になりがちです。
もし、ご自身が事故やケガで身体に障害を負ってしまったり、病気で働くことが困難になってしまった場合、その後の収入はどうなるでしょうか?さらに、大切なご家族はどのような状況に陥ってしまうかを想像してみてください。
実は、「死亡」よりもこのように「就業不能」に陥ってしまった方が、ご家族にとって経済的負担が圧し掛かってしまうことがあるのです。
例えば、ご自身が病気で働くことが困難になってしまっても、死亡保険の支払事由である「死亡」や「高度障害」に該当しないため保険金が支払われない・・・しかし、就業ができないため最悪のケースは収入が途絶えてしまう・・・追い打ちで治療や介護に費用を割かねばならなくなってしまった・・・このような悲劇(生活資金がショートしてしまうリスク)を私達も実際に目の当たりにしたことがあり、そうなる前にしっかり対策を講じておくべき、と現役世代の賢者に警鐘を鳴らしているところです。
昨今、この「死亡」と「就業不能」の両方のリスクに備えた新たな「収入保障保険」が保険会社各社から発売されています。このタイプの保険は「掛捨て型」であり、「積立て型」ではありません。そのため掛金は比較的廉価で済み、その割には大きな収入保障を得ることができます。また、お子様が成人して就職されるまでの期間の保障を特に手厚くカバーできるのも大きな特長です。ご自身の両腕にご家族の生活と将来のすべてが掛かってしまう賢者には、特にこうした「就業不能」リスクの対策をお勧めしています。
賢者として働けなくなったら?もしものための保険医休業保障共済保険と医療保険のすすめ
全国保険医休業保障共済会の運営する「保険医休業保障共済保険」(以下、休保制度)も賢者の傷病による休業を保障してくれます。休保制度は税法上、生命保険契約ではないため生命保険料控除は適用されず、また、医業の損失を補填するためのものでもないので、拠出金(保険料)は必要経費(損金)とすることもできません。しかしながら、「傷病休業給付」や「長期療養給付」そして「入院給付」の保障があり、受給時にはこれらを非課税で受取れるメリットがあります。ドクターが働けなくなった時のことを考えると一助にはなるでしょう。ただし、保障という観点から給付金額や給付日数に上限があるため単独で万全な対策とは言い難く、あくまで「就業不能」に対する二次的な対策として活用されることをお勧めしています。
就業不能保障に加えて更に万全な対策を講じるためには、ドクターは民間の「医療保険」にご加入されるべきでしょう。
昨今、民間生命保険会社が発売している医療保険は、以前のものと比べて保障内容も進化してきています。背景には保険会社間の競争が激化しており、各社とも独自性のある商品開発に力を入れていることが挙げられます。その中でも私達がドクターにお勧めしているのは、「ガン・心疾患・脳血管疾患」に罹患された場合にそれ以降の一切の保険料支払いが免除されるタイプの医療保険です。これら大病を患ったときにはその後の収入と支出が気になるところですが、この三大疾病保険料払込免除特約が付帯していれば少なくとも当面の医療費とそれ以後の保険料支出の心配をしなくて済むからです。
ドクターにはこうした特長を備えた保険・制度を有効に活用され、リスクに対して万全な態勢を整えておかれることをお勧めしています。
賢者におすすめの、老後に備えた保険とは?
老後を見据えた資産運用に「生命保険」の活用を検討される場合には、積立金を年金で受取ることのできる積立て型・貯蓄型の保険が有効でしょう。
特に外貨資産をお持ちではない方には、「外貨建終身保険」や「外貨建年金保険」などを活用した外貨での老後資産形成をお勧めしています。
外貨建の「生命保険」を活用するメリットは、大きく2つ挙げられます。
1つは外貨を持つことによって「資産分散効果」が生まれることです。外貨を保有することに対して“為替がよく分からない” “為替は変動するためリスクがある”と抵抗感を持たれる方も多数いらっしゃいますが、激変する世界情勢の中では、将来「日本円資産しか保有していないこと」の方が逆に大きなリスクになる、と考えられるからです。
私達はプロの資産運用の観点から「保険を活用して円資産を外貨に分散投資しておく」べきだと考えており、こうした外貨建の「生命保険」をお勧めしています。
2つ目のメリットは、外貨建「生命保険」の運用利回りの高さです。海外の金利は日本に比べて相対的に高く推移しており、これが保険の運用利回りにもそのまま影響してきております。ご存知の通り、日本の金利は「マイナス金利」という言葉に象徴されるように極めて低い状態が続いています。これは定期預金の金利などからも見て取れますが、保険の運用利回りについても同じことが言えるという訳です。
海外の金利に目を移すと、預金金利が3%だの5%だのという国も珍しくなく、同様に外貨建「生命保険」の運用利回りも当然に高く設定されています。中には、年3%を最低保証した上で金利上昇局面に対応して毎月運用利回りが変動する「外貨建終身保険」も流通しています。正に、外貨建だと日本円建の終身保険とはかけ離れた高い運用利回りが実現できるということですし、この保険は、将来、積立金を(外貨でも円でも)年金で受取ることもできる老後資金形成に適した積立て型・貯蓄型の金融商品だと言えます。
当社では、足元の金利や為替の動向に加えて「金利変動リスク」や「為替変更リスク」その他「カントリーリスク」などの国際情勢等も考慮し、現時点では米国ドル建の保険をお勧めすることが殆どです。通貨の流通量や安全性なども考慮すると、老後資金形成のような長期運用に適しているのは、やはり長期的に安定が見込まれる米国ドルに依るものだと判断し、米国ドルの保有・運用を優先してドル建の終身保険をご案内しております。
また、老後資金を準備されるなら「節税効果」を活用された方が断然お得だと考え、私達が併せて老後資産形成のベースとしてお勧めしているのが、民間生命保険会社の「個人年金保険」です。個人年金保険の保険料は、一定の要件を満たせば「一般の生命保険料控除」とは別枠の「個人年金保険料控除」の対象となり、これによって毎年積立てる個人年金保険料の1/2、所得税で年間最大4万円、住民税で最大2万8,000円の控除が受けられます。ただし、個人年金保険料控除の額はこれが上限となりますので、年間8万円以上の個人年金保険料を積立ててもそれ以上の節税効果は得られません。そのため、私達は各生命保険会社の規程に沿って(最低保険料を若干上回る程度の)月1万円、または年間12万円程度の保険料設定でのご契約をお勧めしています。
※本コラムは、筆者の許可をとって掲載しております。
筆者のサイトはこちらからご確認下さいませ。