親から受け継いだ不動産を特に何も考えずに利用している。購入したのはよいものの、うまく土地の利用ができていない。このような経営者の皆様には、一度CRE戦略を徹底的に検討すべきことをアドバイスします。いったいCRE戦略とは何でしょうか。また、この戦略を通し、どのような効果が発揮できるのでしょうか。
CREとは?
企業経営といえば、「ヒト」「モノ」「カネ」、そして「情報」が重要な視点といえます。資金繰りや社員教育には力を入れる経営者も多いことでしょう。また、他社よりもよりいい製品の製造や新しい技術獲得などのためには、情報もいち早く入手する必要があります。このような視点では経営者として敏感に情報網を持つ方も多いと思います。
それでは、自社が保有する不動産についてはどうでしょうか。これは「モノ」に該当する部分です。既に保有する不動産に関しては、新たな行動にでるといったことも検討せず、これまで通り利用している、運用している、といった経営者も多いでしょう。果たして本社はこのまま所有すべきか、賃貸で効率よくやるべきか。このような視点も不動産を所有している場合にはあまり検討しないことでしょう。
そこでCREという目線を取り入れてみてはいかがでしょう。CREとは、企業が保有する土地・建物の効果的な運用のことをさします。
オーナー企業の場合、資産の中で不動産の割合が高いケースがある
オーナー企業の場合、企業資産の中で割合の高いものといえばなんでしょうか。現預金といった保守的な場合もあれば、アベノミクスにのっかり不動産といった場合もあります。
また、代々受け継ぐオーナー企業の場合には、昔から所有する不動産(自社の本社として利用)の比率がもっとも高いといった場合もあります。
この他、収益の多角化といった側面から、不動産を事業として位置付けている場合もあることでしょう。このようなケースの場合には、資産の中で不動産の割合が高い場合が多く、バランスシートを見てみると、いつの間にか不動産がやたら多いといったことに気付く経営者もいるでしょう。
戦略的に不動産の有効活用を行うことで企業価値を高める必要がある
まずは、自社がどの程度の不動産を所有しているのか確認しましょう。これは何も不動産の比率が高い企業だけの話ではありません。土地は持っているものの、有効活用ができていないケースや、マンションにおいて空室で悩みを抱えているケースなど、さまざまなケースも含まれます。
そして、本業の事業と比べて、その不動産における利益率がどうなのか、負担となっていないかどうかを検証していきます。
土地をただ持つのではなく、収益不動産へと導くことも検討していきます。また、不動産関連のコストが大きな負担となっている場合には、立て直しや売却も視野に入れていきます。
この他、売却することで得た資金をもとに本業をさらに成長させ、収益力を高めた方が、長期的に有効とならないかどうかも検討していきます。逆に、不動産が本業と並び支柱となっている場合には、更なる不動産投資ができないか検討していきます。
このように、本業との兼ね合いを考慮しながら、自社でもつ不動産の更なる有効活用や売却・購入をもとにした企業発展を描いていくことがCREです。
これからは戦略的に不動産の有効活用を行うことで企業価値を高めていく必要があります。ただ所有していればいいわけではなく、時代の流れに合わせて不動産投資戦略も変化させていく必要があります。
不動産有効活用に目を向けた企業成長は今後さらに加速していくものと考えられます。いかに効率的に、いかに効果的な不動産運用を行うか。今一度見つめなおし、どのように対応していくべきか、検討する機会をもってみてはいかがでしょうか。