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海外不動産の減価償却で節税対策

節税の方法は様々ですが、海外不動産を購入し減価償却を活用すれば効果は高いと言われています。減価償却の計上方法は国内でも海外でも共通なため、選択基準は入居者がちゃんと現れるか。そして、十分なインカムゲインを確保できるかが鍵になります。

現地へ移住する場合は、現地の法律が適用されます。ただ日本在住の場合は、日本国内の法律が適用されるため、国内不動産向けの減価償却の考えと海外の不動産と差が発生します。その差を活用することで、短い期間でより多く経費化し、長期的に見て資産価値が落ちにくい不動産が入手できるのです。

本記事では、海外の特にハワイやメンフィス、ニュージーランドの不動産を中心に考察していきます。特徴の違う3つの都市を比較しながら見ていくことで、どのような条件なら回収できるか理解できます。

節税対策を考えている方にとって、新たな選択肢が広がります。

海外不動産の減価償却を活用した節税対策!基本のおさらい

 

海外不動産投資のメリットとして、減価償却による節税対策が考えられます。基本的なことを押えておくと、広い海外の中で、可能性があるところとそうでない地域が判るようになります。

まず、基本的なことをおさらいしておきましょう。

なぜ節税対策になるのか。
不動産投資など、一度に動くお金が巨大な場合、一度に精算するのではなく、何年にもわたって少しずつ経費に計上していきます。年数は、建物の構造によって変わります。また、経費計上できる金額も償却率によって異なります。

参考までに、違いを見ていきましょう。

【新築の法的耐用年数】
RC構造…………法的耐用年数47年
重量鉄骨構造……法的耐用年数34年
木造構造………法的耐用年数22年

新築物件の場合、上記を考慮して計算していきます。海外で新築物件を建てた場合は、上記の年数に則って、毎年同じ金額を計上していきます(定額法)。ちなみに、建物に付随板物品を購入した場合、それらも法的耐用年数が決められています。法的耐用年数の間、一定の金額で償却する定額法や年数を短くすることができる定率法、どちらでも選択できます。

減価償却で節税を行う鍵は、どれだけ短い年数で経費計上を行えるかです。では、中古物件の場合はどうなのでしょうか。それは、築年数によって変わってきます。
【法的耐用年数-築年数=償却期間】になります。ただし中古不動産の場合は、築年数が法的耐用を超えてしまっている場合もあります。その場合、構造上設定された法的耐用年数の20%で償却可能です。

【築年数が法的耐用年数を超えた場合】
RC構造…………9.4年
重量鉄骨構造……6.8年
木造構造………4.4年

以上のような償却年数に変わります。木造住宅であれば、たった4.4年で償却できてしまうのです。

例えば、築25年の木造住宅を4,400万円で取得した場合、年間1,000万円を経費計上できることになります。そうすることで、所得が下がり、結果的に納める税金も少なくなるのです。

海外不動産投資の中で重要なのは、取得価格や賃貸に出したときのキャッシュフロー、利回りや空室期間が短いなど、見るべき要素はたくさんあります。しかし、一番のメリットは短期間で償却しつつも、資産価値が落ちにくい物件を取得できることです。

これは、海外の中古住宅において、活用できるならば価値は落ちないという文化があるからです。しっかりお手入れのされた物件は法的耐用年数以上に長持ちします。築年数の相場以上に価値のある不動産を見つけていくことが重要です。

 

ハワイのケース!価値が下がらない世界的に人気なリゾートエリア

 

アメリカ不動産事情は、新築より中古物件の方が多いです。中古物件を好む文化と綺麗であれば築年数はあまり考慮されない考え方がベースにあります。それは、ハワイも同様です。

ハワイの中でも、特に人気があるのはリゾートエリアです。不動産投資を行う上で、数年保有しても価値が下がらないことが重要で、世界中の富裕層が欲しがる観光エリアの別荘やコンドミニアムは選択肢に入ります。

ただし人気がありすぎるエリアは市場に出回ることが少ないため、情報をキャッチしたらすぐさま行動することが重要です。

ハワイのように、世界中から人気のあるマリンリゾートエリアの物件は、減価償却による節税も含めた不動産投資対象として魅力です。

 

メンフィスのケース!商業的に発展していく人気エリア

アメリカ本土の南部にあるメンフィスは、どちらかというとあまり知られていないエリアかもしれません。主要都市ではなく、中規模の都市の中でも投資エリアとして魅力的な地域はたくさんあります。

ちなみにメンフィスの場合は、アメリカ最大の物流都市と言われており、世界貨物空港ランキングで、2位なのです(メンフィス国際空港)。ちなみに、1位は香港国際空港。
アメリカ随一の物流環境であるため、メドトロニック社やナイキなど、製造業やIT企業がメンフィスに進出してきています。

そのことから労働者人口の増加が数年にわたり予想されます。

主要都市ではないため、不動産価格もお手頃でニューヨークに1戸所有する金額で、4~5戸程度購入することができます。1軒あたりの支出が低くなることで、分散投資というリスク回避にも繋がるのが魅力的です。

メンフィスだけではなく、商業的に発展し始めている中規模都市は世界中にあります。参考にして、見比べてみてはいかがでしょうか。

 

ニュージーランドのケース!住宅が長持ちする気候と平和なエリア

世界を見渡してみると日本の常識がひっくり返るくらいの事象が発見できます。ニュージーランドの不動産事情も同様で、築100年を超える物件だったとしても、投資対象になりえます。

理由としては、ニュージーランドは日本の様に多湿ではなく、シロアリなどの住宅にとってダメージを与える害虫がいないため、建物自体が長持ちします。そのため、不動産評価額が日本のように下がることがありません。
また、ニュージーランドの場合、主要都市であればすぐに借り手が見つかるため、空室リスクも回避しやすいです。

ただしニュージーランドの場合、外国籍の方による不動産の購入を制限する法律が思案されています。いつから実行なされるかは未定ですが、法律の変わり目で投資ができなくなる可能性もあります。それらも踏まえて、投資をする価値があるかを見ていきましょう。

特に新興国の場合、カントリーリスクが少なからずあります。
政府がどのような政策を打ち出しているか。経済状況は良好か。なども含めて見ていくと良いでしょう。

 

海外不動産投資を行う場合は、現地の事情に詳しい人が必須

日本に居ながら海外不動産投資を行う場合、現地の事情に詳しい人を味方する必要があります。当然のことながら、立地や環境など調べるには限界があります。何度もその国に足を運んでいる人や現地法人と密に繋がっている業者など、ビジネスパートナーの条件はシビアに考えた方が良いです。

知識格差によって損をしてしまうこともあるので、様々な状況を整えてから実際の投資にあたることをおすすめします。

 

まとめ

海外不動産を活用した減価償却による節税対策と題して、ハワイやアメリカのメンフィス、そしてニュージーランドのケースを参考に考えてきました。

日本に居ながら減価償却のメリットを得るには、中古不動産かつ築年数以上の耐用年数と中古不動産の価値が下がりにくいことが重要になります。

人気あるエリアを見ていくとその条件が解ります。例えば、世界の中でもブランドとして確立されているリゾートエリアや商業的に発展が約束されている中・小規模の都市。そして、温暖な気候で平和かつ建物自体が長持ちする環境などです。

細かな条件を見ていくと、海外不動産投資において減価償却による節税対策だけでなく、インカムゲインも十分取れるような物件は見つけられます。

投資をする国を決めて、協力者となってくれるパートナーを見つけ、投資を成功させましょう。