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不動産投資とソーシャルレンディングの比較

不動産を活用した資産運用を見てみると、直接現物に投資をする不動産投資とソーシャルレンディングで募集している不動産ファンドへの投資案件もあります。不動産に投資するのは同じですが、投資内容や権利の範囲、利回りなどまったく違います。

本記事では、不動産投資とソーシャルレンディングの不動産ファンドの違いや特徴をまとめました。内容を理解すれば、投資すべき案件かそうでないかが理解できます。というのも、両方を比べてみるとまったくの別物だとわかります。

ご自身のポートフォリオを組む際に、投資戦略は重要です。投資内容を理解し、自分にぴったりな投資案件を見つけましょう。

 

不動産投資とソーシャルレンディング(不動産ファンド)の違いまとめ

 

不動産投資とソーシャルレンディング(不動産ファンド)の特徴について知っていきましょう。それぞれの特徴が理解できれば、違いは自然に見えてきます。

違いを知ったあと、収益にまつわる数字や税金面など、細かい部分に言及していきます。

 

不動産投資

 

不動産投資は、現物の不動産に投資をします。自己資金や金融機関からローンを組み、賃貸に出し、収益を得ていきます(インカムゲイン)。状況によっては、不動産そのものを売りに出し、売却益(キャピタルゲイン)を得ていくこともあります。

投資したい不動産を自ら探し(営業からのアプローチの可能性も)、周辺の情報や分析なども行います。不動産仲介業者を通じて、売り主である不動産オーナーと交渉をします。金額の交渉や不動産の状態などのヒアリングなどを行い、契約に至る前に資金を調達します(金融機関への融資依頼など)。

契約がまとまり締結後、物件の引き渡しを受けます。客付けの仲介業者などを通じ、借り主を探します。入居者が決まったあとは、不動産を管理していくことになります。もちろん、管理会社を活用することもあるので、選定する作業も発生します。

売却する場合も、自分自身に不動産を買いたいと直接連絡が来るわけではありません。不動産会社を活用することになります。売却時の不動産相場をあらかじめ調べておくことで、売却時の査定で妥当な金額かがわかります。

あとは、不動産を購入した時と同じような流れで、交渉や契約書類の作成、情報開示など細かい仕事も多くなります。

 

ソーシャルレンディング(不動産ファンド)

 

ソーシャルレンディングは、お金を借りたい会社と資産運用のためにお金を投資したい人をマッチングするサービスです。

不動産に特化したソーシャルレンディングなら、ビルやマンションを建てて、収益化していく事業計画を立てているため、広くお金を集めたい。つまり不動産に特化したファンドと言えます。

投資家のやることは、ソーシャルレンディング事業者の口座開設を行い、いくつかある中のファンドから投資したい事案を選別します。その後、投資申し込み手続きを行い、口座にお金を振り込みます。基本的には満期になるまでお金を引き出せません。

定期的に送られてくるソーシャルレンディング事業者からの運用レポートを確認します。そして、契約上のリターンを受け取ります。

不動産投資と比べると、ソーシャルレンディングは、お金を出したら、あとは待つだけと言えるでしょう。

 

利回りはソーシャルレンディングに軍配!

 

お金に仕事をさせて増やしていく場合、どれだけ多くのリターンが得られるかをひとつの指標として考えるはずです。利回りが高い方が投資効率は良いため、選ぶポイントになるでしょう。

不動産投資とソーシャルレンディングの平均利回りを比較すると、ソーシャルレンディングの方が高く設定されています。

不動産投資は、表面利回りの平均値が5~6%程度と言われています。ソーシャルレンディングの場合は、表面利回り8~9%で設定されていることが多いです。不動産投資の場合は、それ以外にも経費や積立費がかかるため、実質利回りを計算すると3~4%ともっと低くなります。

ソーシャルレンディングの場合は、手数料などもかかりますが、基本的にはお金を出したら終了なので、表面利回りから大幅に下がることはないでしょう。

 

キャピタルゲインを利用した売却益は不動産投資のメリット

 

不動産を売却して、まとまったお金を入手できるのは、不動産投資のメリットです。不動産投資の場合、継続収入である家賃収入の方に目が行きがちですが、ローンを組んでいる場合、キャピタルゲインを得て、リスクから開放されることは念頭に置いた方が良いです。

ソーシャルレンディングの場合は、不動産のオーナーというわけではありませんので、売却益を得ることはありません。

 

節税に繋がるのは不動産投資。ソーシャルレンディングは雑所得

 

不動産投資を行う理由のひとつに、節税対策もきっとあるでしょう。不動産の購入費用は巨大になるため、減価償却として、数年に渡って計上でき、所得を下げることができます。さらに、マイナスになったとしても他の収入と損益通算ができるため、税制面でのメリットを受けられます。

ソーシャルレンディングの場合は、雑所得となってしまいます。定額から始められるのがソーシャルレンディングのメリットですが、利回りの高さから、レバレッジを利かせるため大きな金額を投資すると、その分も税金も高くなるため、損をしてしまいます。

不動産投資の場合は、購入に至るまでの仕事量とオーナーになってからの管理の大変さを考慮すると、税制上のメリットを受けられるのは当然のように感じます。

 

手続き上の大変さは不動産投資。楽ができるのはソーシャルレンディング

 

リターンは小さいけれど、それほど労力をかけたくないという人もいるはずです。不動産投資は、物件の選定から購入に至るまでの交渉など、多くの仕事が数えられます。それらに割ける時間があるならばよいのですが、時間がまったく取れない、もしくは取りたくないという人には向きません。また、専門知識も必要になってきます。

ソーシャルレンディングの場合は、資金を投じるだけで不動産の選定や購入、管理なども企業がやることになります。そのため作業量が少なく、リターンが得られるのはソーシャルレンディングと言えます。

 

リスクの高さは不動産投資!

 

不動産投資を行う場合、購入する物件にもよりますが、数千万円単位からとなるため、ローンを組むことになります。その分、成功した時のリターンも大きくなります。

ソーシャルレンディングもリスクがないわけではありませんが、融資を受けることはないため、自己資金の中から出資できる金額をコントロールできます。逆を言うと、ソーシャルレンディングは、レバレッジをかけられないため、大きく儲けることはできません。

 

ソーシャルレンディングは金融商品取引業

 

ソーシャルレンディングは、投資するものが不動産であろうと、資金を集め、返済利息として分配します。投資している不動産から利益が出なかったとしても支払われます。この点ではリスクが少ないと言えます。

法律の観点から見てみると、ソーシャルレンディング事業者は、第一種か第二種の金融商品取引業の免許と貸金業法に則った運用が必要です。

投資する側からすれば、あまり見えてこない点ですが知っておくと良いでしょう。

 

まとめ

 

不動産投資とソーシャルレンディングの不動産ファンドの比較をまとめました。利回りの部分はソーシャルレンディングの方が高く、投資までの必要作業は少ないため、気軽に投資をすることができます。

不動産投資ならばキャピタルゲインで売却益が得られ、さらには税制面での優遇が受けられるなど、異なる点もあります。

投資するための費用も不動産投資は高く、融資を受けるか、かなりの資金を投じる必要が出てきます。

このように似たような投資案件でもまったく違うため、投資にあたっては自身のリソースを加味して行うと良いでしょう。