自身が所有している不動産をうまく運用し、安定して利益を上げるには不動産管理会社のノウハウを使うことが必要不可欠です。ですが、不動産管理会社も安定して稼げるノウハウを持っているところもあれば、運営すらままならないところもあるなど、その実態は千差万別と言って良いでしょう。今回は不動産の管理を安心してお願いできる不動産管理会社の選び方を紹介します。
管理している物件の実績を見る
よい不動産管理会社を見分けるポイントの1つが「管理している物件の実績をチェックする」というもので、特に注目してほしいのは管理している不動産の数です。基本的には1,000件以上もの不動産を管理している不動産管理会社を選ぶようにするのがおすすめです。
管理している物件が多いほど売上を上げるための対策を行っていたり、利益を安定して上げるためのノウハウを持っていたりします。また、管理している不動産の数が多ければ種類別に適切な運営方法のノウハウも持っているということにもなるため、自身が所有している不動産を安心して預けられるでしょう。中には「管理している物件が少なくてもしっかりと運営している不動産管理会社はあるのでは」という疑問を抱く方がいるかもしれません。確かに管理している不動産の数は少なくても安定して利益を上げている不動産管理会社は存在しています。ですが、そうした規模の小さい不動産管理会社は社員の数が少ないことから、効率よく運営をする目的で管理業務の手を抜いているところも少なからずあるようです。そのため、1,000件以上の不動産を管理しているある程度規模の大きい不動産管理会社の方がオススメと言えます。
同じように確認しておくと良いのが、契約に至らなかったときの情報を管理しているかどうかです。契約に至ったお客様の情報はその会社の成功パターンのサンプルになるため、ストックしていることが多いのですが、契約に至らなかったお客様の情報はストックされていないことがあります。契約に至らなかったお客さんの情報を持っている意味はないと思うかもしれませんが、失敗した案件は「設備が不足していた」や「不動産の状態が良くなかった」など必ず原因があります。そうした契約できなかったお客様の情報から失敗の原因を特定し、不動産の設備を修繕したり、部屋全体を大幅にリフォームしたりなど失敗から改善すべきところを学び、成功するためのノウハウへと変換している不動産管理会社は良いところが多いです。基本的に人は成功したことは積極的に話せますが、失敗したことはあまり人に話さない傾向があります。そのため、契約に至らなかったお客様の扱いに関してはこちらから積極的に聞かないと答えてくれないことが多いので、忘れずに質問するようにしましょう。
対応の丁寧さやスピードをチェックする
よい不動産管理会社を見分けるポイントの2つ目は「対応が、丁寧かつスピーディーである」かどうかです。対応の丁寧さは説明の詳しさとわかりやすさからある程度判断できます。自身が所有している不動産を運用して利益を上げるためには事務手続きをはじめ、施設の手入れや集客活動など様々なことを行わなければなりません。そのため、不動産を適切に運用するためにどんなことをすればいいのかがわからないと不安を抱えている方は多いでしょう。そうした不安を解消する役目を担っているのが不動産管理会社です。
彼らは不動産を運営するためのノウハウを持っており、そのことを不動産の所有者にわかりやすく伝えて不安を解消する義務があります。不動産管理会社が説明義務をしっかりと果たしてくれているかは、こちらからの質問に対して明確に答えてくれるかどうかで確認できます。不動産の管理はやや複雑であるため、1回の説明だけで理解するのは難しいと言えます。そのため、説明を受けつつ、こちらから不明点を挙げて質問していくことになりますが、そのときに答えを曖昧にせずに明確に答えてくれるかどうかを見極めましょう。こちらからの曖昧な質問にも丁寧に答えてくれる不動産管理会社は信頼できます。
不動産管理会社とのやり取りの中で特に注目しておきたいのが、専門用語を多用していないかという点です。不動産業界は歴史が長いことから、様々な専門用語が存在しています。ですが、こちらはそうした専門用語の意味を理解していないことが多いので、そのことを理解せずに普通に専門用語を使うような不動産管理会社は顧客の目線に立って業務を行ってくれるか疑わしいです。なるべく避けるようにした方が良いでしょう。
対応がスピーディーかどうかという点については、そもそも不動産管理会社に運営をお願いする目的は、煩雑な管理業務を代わりにやってもらうことにあります。1つ1つの対応スピードが遅いと不動産管理会社にお願いするよりも自分でやった方が早いことになり、不動産管理会社を利用する意味が無くなってしまいます。時間をかけて丁寧な対応をしてくれる不動産管理会社も良いのですが、ある程度対応がスピーディーな不動産管理会社にお願いすることも大切です。
ですが、スピードばかり重視して対応が疎かではそれも意味がありませんので、バランスを重視しましょう。対応スピードの速さをチェックしたい場合は、クレーム対応の速度をチェックすることがおすすめです。お客さんから来たクレームはすぐに対応しないとお客さん側の不満が溜まっていき、それが集客率や退去率に影響を与えることがあります。クレーム対応は嫌っている人が多いですが、そうした嫌なことも逃げずにしっかりと対応する不動産管理会社は信頼できると言えるでしょう。
どのような集客の方法、空室率改善方法を提案してくれるか
よい不動産管理会社を見分けるポイントの3つ目は「集客方法や空室率を改善する方法を提案してくれる」かどうかです。不動産を運営して利益を上げる一番の方法は満室にすることです。そのため、どんな方法で多くのお客さんに部屋を見てもらうのか、どんな方法を使って退去率を改善していくのかを考えていくことが大切になります。
不動産管理会社は同業他社だけでなく、社会人サークルや学生団体とつながりを持っていることがあり、そのコネクションを利用して集客していることがあります。また、地元の飲食店とも連携し、その飲食店の近くにある不動産に入居したお客様に対して飲食店で使用できる割引カードを発行している不動産管理会社も少なくありません。そうした自発的に行っている集客活動を利用して、集客の方法や空室を減らす方法を提案してくれるところはオススメと言えます。
これ以外にも、不動産管理会社でインセンティブが設けられているかどうかも確認したい点です。不動産管理会社によっては、うまく集客することができた社員や空室率改善に大きな貢献をした社員に対してインセンティブが支払われていることがあります。人は基本的に自分が行った活動に対して報酬が得られるようになると、その活動を積極的に継続して行うようになるため、インセンティブが設けられている会社は社員たちが積極的に集客活動などを実施していることが多いです。そうした不動産管理会社もまた様々な提案をしてくれるので、安定した利益を挙げることができるよい不動産管理会社の目安になるでしょう。ただし、インセンティブが欲しいあまり、強引に集客をしたり無理矢理にお客様の退去を妨害したりと社員が暴走してしまうことも中にはあるようです。そのため、不動産管理会社の社員たちの活動状況も入念にチェックするようにしましょう。
【まとめ】時には条件を譲歩することも大切
良い不動産管理会社とは、1,000件以上もの不動産を管理していて様々なノウハウが蓄積されている会社やインセンティブ設けられていて社員たちが積極的に活動できるような仕組みがあるなど、ある程度共通した特徴を持っています。ですが、すべての条件を満たしている不動産管理会社というのはあまり多くはないため、時には条件を譲歩する必要があることも覚えておきましょう。自身で予め最低限譲れないポイントなどを絞っておくと判断しやすくなるはずです。