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<前編>シェルターの需要は去年と比べて5倍に!ワールドネットインターナショナル株式会社 代表取締役 中嶋広樹

ワールドネットインターナショナル株式会社
中嶋 広樹

ワールドネットインターナショナル株式会社
中嶋 広樹プロフィール

ワールドネットインターナショナル株式会社は2000年に創業。
皆さまの健康と幸せと命を守る」を理念に掲げ、お客さまのために私たちに何が出来るのか?どこまで貢献できるのか?を念頭に置き、製品開発を展開。
現在では「ヘルスケア」「セキュリティ」「リスクマネジメント」の3領域で事業展開をしており、国内で唯一保有する静岡県の核シェルター製造工場では、1台ずつ手作業で製造。
お客様一人ひとりに合わせて、設置したい環境に合わせたサイズ、デザインなどオリジナルのシェルターをつくってもらうことが可能で、その中でも1台で複数の機能を装備した「5way」「6way」「7way」シェルターを日本で初めて開発した企業です。

 

<前編>シェルターの需要は去年と比べて5倍に!

ー中嶋広樹さまの会社では2012年から核シェルターを製造販売されていますよね。その頃から核シェルターの需要はありましたか?

 

中嶋:いえ、正直発売当初は「こんなの興味あるの?」「誰が買うの?」と変わった人扱いをされる傾向にありましたね(笑)

 

ー2012年…恥ずかしながら、私正直家にシェルターの設置ができることさえも知らなかったです(笑)

ちなみにその時に購入される方はいらっしゃったのですか?

 

中嶋:知らない人の方が多かったと思いますよ。

でもその当時購入される方が実はいらっしゃったんですよ。

 

ーそれは驚きです!どういう方がご購入されていたのですか?

 

中嶋:やはり戦争を経験している方ですね。80歳、90歳の方、あるいは「父ちゃんの戦争体験を聞いてインスパイヤーされた」という60歳ぐらいの方が多かったです。
あとは元からそういう意識が高い人、イラン・イラク戦争とか、世の中の戦争を見てきている方もいらっしゃいました。

 

なるほど。当時購入される方は戦争を身近に経験されている方が多かったのですね。

 

中嶋:そうです。当時は一般の私たちにも特殊に見えましたね。販売している私がそれを言ってはいけないとは思うのですが…(笑)

 

ーその当時でしたら特殊に見えますよね!シェルターを持っている人なんてすごく稀だと思いますし…
でも特殊だと思っていたものが、今やシェルターを知らない人がいないぐらい、いろいろなところで聞くようになりましたね。

 

中嶋:そうですね。やはり去年のウクライナ侵攻から意識が大きく変わりましたね。

でもウクライナ侵攻だけでなく、2022年の1年間で北朝鮮が弾道弾を37回発射して、これだけ揃ってくると、さすがに皆さんも「もう戦争は他人事じゃない」という意識に変わったのではないかと思います。

ーそうですね。日本は戦争とは無縁と思っていたものがすごく身近に感じて、正直とても恐怖を覚えました。

 

中嶋:そうですよね。去年までは購入される方がシルバー層中心だったシェルターが、今は購入される方の年齢層も所得層もかなり広がりました。

 

ーそうなのですね!実際シェルターをご購入されるお客さまはどういう方なのでしょうか?

 

中嶋:比較的1~3人の少人数より、6人~8人のファミリーの方、2世代3世代で住まわれている方のご購入が多いですね。

 

後世に財産ではなくシェルターを残したいその理由

 

ーなぜ少人数よりファミリーの方が購入されることが多いのですか?

 

中嶋:子供に対して以上に、孫に対しての愛情というのは、ほとばしるほどすごい何倍も深いものがあるので、大切な孫を死なせたくないという想いが大きいんですよね。

財産ももちろん大事ではありますが、財産ではなく形にあるものを形として残してあげようというような意識を持たれている方が今はとても多くて、シェルターを導入される方が増えています。

 

遺産という形で残したいということですかね?

 

中嶋:そうです。遺産の継承をしようという感じです。
子供たちや孫たちに「命を繋いでいく」という、つまり命を繋ぐ連携ですね。

ーなるほど。まさに無償の愛ですね。

 

中嶋:その通りです。何にも代えがたいとおっしゃられています。
それでシェルターをぜひ家にも導入したい、すぐに入れて欲しい!となる方が多いです。

 

ポイント

大切な孫を死なせたくないという強い想い(無償の愛)

命に代えられるものはこの世に何もない(命の継承)

 

現在購入されるのは富裕層だけではない。
ウクライナ侵攻から人々の意識は大きく変わった

 

ーでもシェルターは高額ですよね?
パッと手が出せる金額ではないと思うのですが、ご購入される方はやはり富裕層の方が多いですか?

 

中嶋:去年までは圧倒的な高所得層の方が多かったのですが、最近では徐々に、シェルターの値段も下がってきているのでアッパーミドルのご夫婦、合わせて年収800万円以上の方々にも広がっている印象ですね。

 

ーそうなのですね。実際、ウクライナ侵攻があってから問い合わせなどはどれぐらい増えましたか?

 

中嶋:去年は、1カ月10件ほどお問い合わせがありまして、年間で言いますと120件ぐらいのお問い合わせだったのですが、ウクライナ侵攻が起こってからは1年といわず半年ぐらいで問い合わせがすでに950件超えたんですよ。

 

ーそんなに増えたのですか!

 

中嶋:そうなんです。去年は年間で3000万円ぐらいの売上だったのが、今年は5倍を超えました
日本は世界で唯一の被爆国というのを私たち日本人が結構忘れていると思うんですよね。
世界は広い中で、唯一核爆弾を落とされた国は日本だけですよ。
78年の中で、当時落としたアメリカですが、今の連携ではアメリカに守られているところから、日本では起きないのかなと思っている方々は潜在的に多いのかなと感じますね。

ポイント

現在は富裕層だけでなくアッパーミドルクラスの方もシェルターを購入されている

ウクライナ進行から人々の意識が大きく変わり、シェルター需要が大幅に高まった

去年は年間問い合わせ120件だったのが今年は半年で950件に倍増(去年3000万円だった売上も今年は5倍に)

 

 

10年以上前にシェルターをつくろうと思ったキッカケとは

 

今ではシェルターの注目が広がりましたが、中嶋広樹さまの会社ではシェルターを全て自社開発製造されていますよね!
そもそもシェルターを作ろうと思われたキッカケとはどういうことだったのでしょうか?

 

中嶋:まず3.11の地震でたくさんの方が亡くなりましたよね。
家族を連れて命の大切さを体験させたいという想いがあって、私女川町と石巻市に訪問したんです。

その時にいろいろなものが失われている風景を見て、自社で何かできないかな?と考えて、私の会社はどちらかというと製造屋なので、津波シェルターをつくろうという発想を始めて、津波シェルターをつくり始めました。

ー最初からシェルターをつくられていたわけではなく、実際被災地に足を運ばれて、シェルターの製造することを決められたのですね。

 

中嶋:はい。製造屋として力になれることが絶対にあると思いました。
そこから従業員と、津波シェルターをつくるために世の中のいろいろな材料を探している間に、イスラエルの方に核攻撃専用の特殊フィルターつくって外国に輸出している会社があることを従業員がたまたま見つけたんです。

 

その情報をたまたま従業員の方が見つけられたのですか?

 

中嶋:嘘みたいな話なのですが、そうなのです(笑)
その偶然から、核シェルターの話になりまして、すぐその会社にアポイントを取りました。
これもまた偶然の重なりなのですが、自社は製造屋なので、そのフィルターを仕入れて、形にする環境はすでに整っていたんですよね。

 

ーそこまで偶然が重なるなんてすごいですね!

 

中嶋:そうですよね。私自身もびっくりしました(笑)
核シェルターというのは、完全陽圧しなければシェルターとして意味がないんですよね。
ここもまた偶然なのですが…一切空気を外部から入れない筐体を私たちはつくる専門のメーカーでしたので、核シェルターをつくることに成功しました。

 

ーしかも、中嶋広樹さまの核シェルターは完全陽圧が世界最速水準だとか?

 

中嶋:そうですね。核シェルターは陽圧する速度が本当に大事なんです。Jアラートが鳴ってから3分以内に核シェルターに逃げ込んで完全陽圧しなければ意味がないので、その陽圧速度が5分よりも4分、1分よりも50秒、5秒よりも1秒など、そこはプライドをかけて絶対に妥協せず、壊してつくってを繰り返しました。この秒数によって生死を分けますからね。結果1秒以内で陽圧できることに成功したのですが、この環境を持っているのはおそらく弊社のみの技術だと思います。

ー素晴らしい企業努力ですね。
なぜ妥協することをせず、そこまでこだわりを持ち続けることができたのでしょうか?

 

中嶋:若い方は走って逃げることができますが、足腰の不自由な方やご年配の方はそんな早く逃げ込めないですよね。非常事態時に「大丈夫!1秒で陽圧するから待っていられるよ」とゆっくり来ることができる環境を弊社がつくりたかったんです。

ポイント

直接足を運び命の大切さを学んだことから始めた、製造屋だからこそできる『シェルター』

命に関わることなので妥協することなく、納得いくまで、プライドをかけて壊してつくってを繰り返した(結果、完全陽圧が世界水準に!)

ご年配の方や体の不自由な方など、全員が避難することができるシェルターを自分たちがつくりたかった

 

<中編>経験と技術があるからこそできた、全てのシーンに対応可能な”4つのシェルター”につづく…