<後編>ワインは終わりのない「大人の遊び」
富裕層の方がワインを飲む用ではなく、購入される他の理由
ーでは富裕層の方で高級ワインを飲む用ではなく、ある程度寝かせておいて持っておきたい、コレクションとして置いておきたいとか、なにか変わった理由で購入される方はいらっしゃいますか?
渡邉:コロナになってからより顕著に現れているのですが、
投資目的でご購入される方が今すごく増えていますね。
明らかに値上がりが期待できるようなワインを集中的に買い集めて、将来的に販売していくというかたが増えています。
ーそうなのですね。それは大体どれぐらい売れていたのでしょうか?
渡邉:わたしの会社では、3年ぐらい前から本格的に酒販事業を始めていったのですが、幸い高級ワインを取り扱われているメーカーさまとつながっていたので、取引できる環境が整っていたのですね。
1本80万円とか200万円のワインを富裕層の方に販売して初年度で5000万円ぐらいワインが売れましたね。
富裕層の方が欲しいと思えるような、投資もできて、かつ飲んでも財布にもおいしいワインを提案できたことが5000万円という売上につながったかと思います。
ー5000万円も売れるってすごいですね!富裕層の方がなにか他に買われていた理由はありますでしょうか?
渡邉:ワインを20年寝かせるために購入される方や、
お子さまの誕生日にヴィンテージワインを購入される方もいらっしゃいましたね。
ーお子さまの誕生日にヴィンテージワインを購入されるってすごく素敵ですね!
ちなみにお子さまの誕生日に購入されるヴィンテージワインのお値段ってどれぐらいなのでしょうか?
渡邉:例えば1本買うのでしたら、超高級品を買われるのですよ。
でも誕生日のたびに、毎年1本ずつ消費していきたいから24本買われる方もおられました。
例えば1本1万円のワインを24本買ったら24万円ですよね?
高級ワイン1本10万円のワインを買うよりも、毎年ワインの歴史と息子さんを重ねながら飲むという方もいらっしゃいました。
そして20歳のときにはその最後の1本を一緒に飲むそうですよ。
ポイント
コロナになってより顕著に投資目的で購入される方が増えている
ワインを20年寝かせるために購入(ワインの変化を楽しむ)
お子さまの誕生日にヴィンテージワインを購入されていた(ワインの歴史と息子さんを重ねながら飲む)
富裕層の方がワインの魅力にハマる理由
ーワインの歴史と息子さんを重ねながら飲むってすごく素敵ですね。
富裕層の方がワインの魅力にはまられる理由ってどんなところだと思いますか?
渡邉:ワインというのは味ではなく、それぞれの土地や香り、先程言いました歴史、
そういう面白さがすごくあって、終わりがないのですよ。
例えば1カ月たつだけで、ワインというものは全く違うものになるので、
そのときに感じた感動って2度と味わえないのです。まるで大人の遊びですよね。
あとは料理とのマリアージュもおもしろいので、そういうところも富裕層の方のワインにはまられる理由になっているかもしれませんね。
ー楽しみ方に終わりはなくて、同じ感動は味わえないってすごく素敵ですね。
ワインは探求心をくすぐられるまさに大人の特権、大人の遊びですね笑
ポイント
味ではなくそれぞれの土地、香り、歴史を感じることができ、終わりのない楽しみ方ができる
ワインは1カ月たつだけで全く違うものになるので同じ感動は2度と味わえない(大人の遊び)
料理とのマリアージュ
お客さまの信頼を得るために渡邉圭一さまが心がけてきたこと
ーでは最後の質問となります!
今飲食業界は集客や顧客化につなげることに悩まれている方も多いと思います。
ソムリエという職業は特に人との関わりがとても大切な仕事ですし、渡邉圭一さまは今お話を聞いていて、たくさんの人と関係作りをしてこられたのだなというのがすごく分かったのですが、信頼関係を得るためにどのようなことを心がけてこられたのでしょうか?
渡邉:まずは清潔感ですね。
清潔感というのも人それぞれだとは思いますが、わたしにとっての清潔感は、立ち方・立ち振る舞い・背筋を伸ばす。
背筋を伸ばして話すだけでも声の出方って変わるのですよね。
猫背だと見た目の印象も悪いですし、声も通りにくい。
なにより、お客さまに不信感を与えてしまいますね。
次に目の配り方です。
ご来店いただいているお客さま全員に少しでも目を合わせることをすると、信頼していただける頻度も高くなると思います。
そういう細かいところを忘れず日々行うことが、お客さまの信頼を得られるのではないかと思います。
ー渡邉圭一さま本日は有難うございました!
ポイント
清潔感(立ち方、立ち振る舞い、背筋を伸ばす)
目の配り方(ご来店いただいているお客さま全員に目を合わせる)