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現物資産への投資と不動産投資型クラウドファンディングへの投資の違い

近年、様々な資金調達法が可能になり、不動産投資においてもクラウドファウンディング型のサービスが増えています。 

一つの不動産を購入する為に、多くの出資者からお金を集めて、運用するような小口の少額投資はありましたが、それでも1口50万円、100万円とまとまった金額での投資になります。 

不動産投資型クラウドファウンディングは、さらに小口になり1口1万円を実現し、よりハードルが低くなった様にも見えます。成立している案件も数千万円程度からと、クラウドファウンディングという特性であれば集められる金額です。 

出資する側からすると、選択肢が増えたのはポジティブに捉えることはできても、従来の現物資産への投資と比較してしまいます。 

本記事では、不動産投資型のクラウドファウンディングと従来型の不動産投資との違いを解説していきます。資産運用・資産構築を考えている方にとって、より良い投資戦略が立てられることでしょう。  

 

不動産投資型クラウドファウンディングとは?実物資産とはどう違う? 

 

不動産投資型クラウドファウンディングとは、インターネットを通じて、より多くの方から出資を募る仕組みです。「1口当たりの最低出資金額も1万円から」など、かなり少額から参入できるため、ハードルは低く、さらには自己投資資金を細かく設定できるようになりました。 

配当の仕組みは、資金調達に成功した事業者が不動産を取得し、家賃収入などのインカムゲインと物件を売却したときに得られるキャピタルゲインを、出資者に配当する方式を採用しています。案件によっては、キャピタルゲインを主とするもの、インカムゲインを主とするもの、両方を上手く組み合わせたものなど様々です。 

出資を募集している段階での予想利回りも、4~6%(案件によって異なる)と他の金融投資と比べると悪くなく、手軽に始められることをウリにしています。 

リスクはもちろんあります。不動産を運用していくことになるため、災害が発生したときや空室率リスクは存在し、出資した元本割れする可能性もありますが、運営者によっては、優先出資/劣後出資の仕組みを採用するなど出資者のリスクをできる限り少なくする方法をとっています。 

実物資産を所有する不動産投資と違って、自分自身で土地や建物の資産を持たないため、不動産投資型クラウドファウンディングは、運営者は不動産投資を行うものの出資者は、金融資産の運用と近いかもしれません。 

 

従来型の不動産投資にあってクラウドファウンディングにはないもの 

 

資産を保有する「従来型の不動産投資」と「不動産投資型クラウドファウンディング」はどう違うのでしょうか。 

大きな違いは、資産を自分で保有するか、しないかです。 

従来型の不動産投資の場合は、手元に資金がなければ銀行から融資を受けることや、出資者を募るなど、やることは増えます。さらには、不動産取得に関する手続きや登記、運営・保守に関することなど、細かくあげればキリがないです。 

それらの業務を代行する業者もいますが、基本的には自分自身で手配することになります。 

その点、受けられる恩恵もいくつかあります。 

不動産取得における経費計上や減価償却など、税金面で有利になることが多いです。 

不動産投資型クラウドファウンディングの場合、配当は基本的には雑所得になるため、出資額を増やしたことによるリターンも、雑所得に応じた税金を支払う必要が出てくるため、最終的に手元に残る金額を考えると差が出てきます。 

 

気になるリスクの比較は?!許容できるリスクを選択 

 

投資を行う上で、リスクについて考えていく必要があります。 

出資をしてリターンを得たいというのは共通していることです。 

同じ利回り・利益率だったとしても、リスクに関しましては異なります。 

 

不動産投資型クラウドファウンディングのリスクや特徴は? 

 

クラウドファウンディングの性質上、かなりの人数が出資に参加します。成功したときのリターンも失敗したときの損失も参加する人数の出資比率で変わってくるため、ローリスク・ローリターンの見方ができます。 

さらに、出資のための手続きも簡素化されているため、煩わしい業務は事業者(起案者)が全て行います。極論を言うと出資して配当を得るだけです。より多くのリターンを得たければ、多く出資すれば良いです。 

また、ちょっとした余剰金を投資することができるのも使い勝手が良いと考えられるかもしれません。 

 

従来型の不動産投資のリスクや特徴は? 

 

自分自身で資金調達をして、不動産投資を行う場合、金銭的リスクが一気に跳ね上がります。 

借り入れや融資を受けるにしても、数千万円から億単位の投資を行う必要があります。 

比較的安いと言われているワンルームマンション投資や中古物件であろうとも、不動産型クラウドファウンディングで換算する場合、1,000口は軽々越えるでしょう。 

現物に投資をし、実物資産が手に入るとしても入居者があらわれず、空室リスクが増えるため、ハイリスク・ハイリターンと言えるかもしれません。 

金銭的なリスクだけでなく、運営していくためには様々な業者と付き合っていく必要があります。それらを煩わしいと感じるか、可能性の広がりと感じるかは人それぞれです。 

自分の所有する他の資産と比べながら自分に必要な投資を行い、許容できるリスクと向き合っていくという考え方が大事かもしれません。 

 

資金面で考えるなら実物投資の方がベター?! 

 

これまで、「従来型の不動産投資」と「不動産投資型のクラウドファウンディング」の違いについて紹介しました。 

不動産投資をする資金が足りないから、小口で行える不動産投資型クラウドファウンディングの案件を探そうと考えがちです。本当にそちらの方が得なのでしょうか。 

数万円規模では流石に難しいですが、100万円を超えるまとまった投資資金があれば、実物投資の可能性は広がります。 

国内だけで不動産投資を考えるならば、プラスに転じる案件は少ないです。海外に目を向け、新興国の不動産投資を選択肢に入れることで、比較的少額からでも不動産投資を始められます。 

海外の不動産であれ、国内不動産投資と同じ様に税金面での優遇があります。情報の少なさが信頼性の低さへ繋がるわけですが、アンテナを立て、信頼できるコネクションが得られれば、チャレンジしても良いかもしれませんね。 

今、自分の動かせる投資資金からどういった選択ができるのかを考え、実物資産を取得するのが良いのか、それとも金融資産投資に近い手法が良いのか。自分の投資戦略に合致した方法を選択することが重要です。 

 

まとめ 

 

「従来型の不動産投資」と「不動産投資型のクラウドファウンディング」について比較しました。どちらも不動産をベースに利益を得ていくため、似ているようでも大きく違います。 

現物資産への投資は、自分自身が所有することになるため、取得までの手続きや運用など、業者を活用しながら進めていく必要があります。 

不動産投資型クラウドファウンディングの場合は、基本的に出資して配当を得ていくことになり、運用や手続きなどの数々の業務は、起案者(事業者)が行うことになります。 

サラリーマンの様に手軽に年収をアップさせたいと考えるならば、資金を投じて、配当を得られるクラウドファウンディングの方が良いかもしれません。 

ただ、税制のメリットに関しては、従来型の不動産投資を行い、現物資産を取得した方が、取得までの諸経費・減価償却など、恩恵も多いです。 

どれくらいの資金を動かせるか、または自身のバックグラウンド、投資戦略の設計などによって、良い・悪いとあります。しっかりと見極めて、実際の投資に当たりましょう。