(写真=PhotoAC)
初期費用は安く抑え、そして短期間で回収できればと、様々な投資案件にアンテナを立てる方がいます。その条件に適ったトランクルーム投資(別名、ストレージ投資)は、利回りが高く、初期費用が少ない、そして管理の手間が少ないという話を聞きます。
果たして、そんな美味しい話があるのでしょうか。
トランクルームを自分で所有するという内容ですが、大きく分けると屋内型と屋外型とに分かれます。
屋内型はパーティションで区切られたトランクルームで、屋外型はコンテナボックスを設置し、それを貸し出すビジネスモデルです。ガレージ倉庫を丸々貸し出すというパターンもあります。
確かに、トランクルームを利用したことのある方からすると、中の作りは簡素で、お金がかかっている様に思えません。運営コストとしても、スタッフが一人と空調管理、そしてセキュリティくらいでしょうか。
確かに初期投資が少なく、トランクルームすべてが埋まったら、ある程度の収入になりそうな予感はします。本記事では、トランクルーム投資の現状を分析していきます。
トランクルーム投資の魅力!初期費用も100万円程度~?!
トランクルーム投資の魅力はどういったものでしょうか。
細かく見ていくと、賃貸物件以上に高利回りな点や初期費用が100万円程度(規模による)でスタートできる点。そして、収入が長期的に安定して入ってくる点です。
運営維持に関しては、業者にどれほど委託するか、自分で行うかによって変わってきますが、初期費用が安く、毎月安定的に利用料が入ってくるならば、不動産投資以上に、短期間で回収できます。
数字を交えて例に出してみましょう。
100万円の初期費用(リフォーム費用・所有物件)で、トランクルームがフル稼働になり、月間の収入が20万円だと過程します。
そこから諸経費を差し引くわけですが、電気代が1万円、業者に運営を委託して(セキュリティ込の運営維持)、月売上の20%とするならば4万円。他にも税金や修繕費など考慮したとしても、10万円くらい残ったとします。
例えではありますが、1年以内に初期費用が回収できてしまうくらいの驚くべき高利回りです。
もちろん、トランクルームがオープンした初日からフル稼働になるわけはないので、徐々に増えていくといった特徴があります。場合によっては、最初は収入がかなり低くなってしまうかもしれません。
しかし借りる方が出てくれば、長期的に借り続けてもらえることが予測されるため、安定した収入に繋がります。
初期費用の金額は、トランクルームの大きさや元から所有している物件か新しく借りる物件かによって変わります。上記で例に出した場合は、所有物件でトランクルームへのリフォーム費用で考えたため、スペースを借りて行う場合は、賃貸料も払う必要が出てきます。
しかし、それを差し引いても、賃貸住宅用の不動産投資に比べると十分な高利回りになります。
トランクルームのタイプを知ろう!人気は屋内型
トランクルーム投資もいくつかタイプがあることは冒頭で書きました。
実際に始めるならば、どのタイプのトランクルーム投資(ストレージ投資)が良いのでしょうか。所有している資産をどのように活用するか、もしくは、不動産を所有していないため、テナントを借りてトランクルームを設置するのか。いくつかやり方が決まります。
一番人気なのは、屋内型のトランクルームです。管理費や電気代などのコストは掛かりますが、利用者の利点も多く、快適に物を出し入れできるのは魅力です。
貸し倉庫のスペースをある程度変えられるのも良い点です。大きさによっては人気のある・ないというのが出てきます。
フル稼働を狙うなら、よく使われるサイズのスペースで区切りましょう。初期投資は、おおよそ100万円~500万円程度です。
駐車場の空きスペースなどに設置できるのは、屋外型のコンテナです。コンテナのサイズも様々で、数を増やし適度なスペースで利便性の良いコンテナを設置すれば、活用したい方が増えるかもしれません。初期費用は500万円~800万円程度となり、トランクルーム投資と比べると割高感を感じます。しかしコンテナの方が耐用年数は長く、7年となっています(トランクルームは3年)。
屋外型のコンテナの場合、運営管理をする人が不要であり、電気代も少ない、さらにはコンテナの上面にソーラーパネルを設置できるなどプラスして収益を生み出してくれる可能性もあります。また、蓄電してコンテナの電力に回すこともできます。
光熱費は、コンテナ内の明るさを保つくらいの電気で、空調などの設備はおそらく設置しないでしょう。夏の時期には、かなり内部温度が上昇するということで、置けるものにも限定されます。そのことから、空調の利いたトランクルームの方が喜ばれるというのもあります。
その他、丸々ガレージ倉庫にするという方法もありますが、そこまで大きなスペースを必要とするニーズは少ないため、倉庫が作れるスペースがあるならば、リフォームをして屋内用のトランクルームにしてしまうというのも良い考えです。
トランクルーム投資における特徴から考えるデメリットは?!
トランクルーム投資は、設備投資も他の投資と比べると安くあがり、利用者も複数人にわたるため、利用者が出始めたら収入が途絶えることは少なさそうです。逆を言うと、ローリスク・ローリターンの投資と考えられます。
運営・管理を業者に委託することで、運用コストはかかるものの、手間はかかりません。業者選びをしっかりすることが重要です。
どこまでを自分で行い、どこから業者に任せるかが収入にも直結するため、しっかりと話し合うことが大事になります。
では、利点も多く利回りも高く望めるからといって気軽に手を出して良いものなのでしょうか。
投資すべてに言えることですが、失敗する可能性も出てくるため、しっかりと考えましょう。
というのも、空き家・空きスペースの活用で、トランクルームがエリアに増えてしまったら、ライバルを取り合っていくことになるため、価格競争になってしまう可能性も出てきます。
トランクルーム投資を行うなら、所有物件ならば設置したい場所の近くにトランクルームがどれほど存在しているかを確認しましょう。基本的に近隣の方が使うことになるため、ニーズがあるか直接聞いてみるのも一つの方法です。
そして、どのエリアに出すかも重要になってきます。ニーズが無いところに出したとしても利用はされず、集客に苦しむこととなります。業者も、集客を行うとアピールしていますが、どれほど効果があるかはわかりません。
ニーズがあるところであれば、都心部でも住宅地でも郊外でも可能性はあります。郊外で見つければ、それだけ初期費用は抑えられるため、利点は多いです。
まとめ
初期費用が抑えられ、利用者も複数人になり、ランニングコストや将来的なメンテナンスコストを考えると、利点は多いです。
最初から多くの収入を見込めるというわけではなく、徐々に増えていくといったイメージで、ローリスク・ローリターンの投資と言えます。
屋内型のトランクルームの方が、屋外型のコンテナボックスと比べると安く、より手軽感は増しています。運営管理もトランクルームの方はかかるものの、コンテナボックスの方は、ランニングコストがかからず回収していくだけです。
どちらの方法でも言えることですが、立地を考えることが成功の鍵です。エリアにトランクルームや貸し倉庫が多ければ、利用者を取り合う形になってしまいます。
トランクルーム投資においても、立地における戦略は重要と言えます。もしトランクルーム投資を行う場合は、しっかりと戦略を立てて行ってください。