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将来起きるかもしれない“ハイパーインフレ”対策と準備は

将来起きるかもしれないハイパーインフレの対策や、準備を始める場合、効果的な投資や安全な資産はあるのでしょうか。

ハイパーインフレは、起きないという説も、起こるという論調も様々です。しかし、大地震と同じ様にいつ起こるかわかりません。備えられる余裕があるなら、備えておいた方が良いでしょう。

前提として、煽ろうとしているわけではありません。何も対策をせずにハイパーインフレが起こってしまった時、後悔するのは準備をしていなかった人なのです。

本記事では、ハイパーインフレ対策に有効な投資とは何かを考察していきます。

 

ハイパーインフレとは。起こるとどうなる?!

 

ハイパーインフレとは物価が短期的に暴騰し、お金の価値が下がってしまうことです。物価が10倍にも100倍にもと、上がっていくことをイメージしますが、実際のところ国際会計基準が定義している「物価上昇率が3年間累計で100%を超えること」やフィリップ・ケーガン氏が提唱した「インフレ率が毎月50%を超えること」、「1年で物価が2倍、3倍になる」など解釈は色々あります。

記憶に新しいところでは、ジンバブエで起こったハイパーインフレは、最大800億%ものインフレ率になりました。その結果、経済は大混乱を生じ、国民も生活苦に陥り、しまいには通貨発行も廃止されました。

日本がハイパーインフレになっても、日本円が紙くずになることは少ないと思いますが、経済の混乱や物価高になるなど、生活への大打撃は免れないでしょう。

 

ハイパーインフレでも生活が守れる投資案件とは?

 

ハイパーインフレが起こったとしても、生活が守れる資産は何があるのでしょうか。日本円のみの預貯金や円建ての資産運用だけ行っている場合、かなりの打撃になるはずです。

インフレ時代に強い資産を知っておきましょう。

 

株式

株式は、インフレ時代に強い資産です。基本的に、物価が上昇すれば、合わせて株価も上昇します。株式の特性は、企業の売上と連動しているため上昇しますが、ハイパーインフレの混乱で倒産してしまう様な会社では、資産を守ることができません。
日本円が混乱しているのであれば、外貨の方が安全です。世界中で展開しているグローバル企業であれば、日本のハイパーインフレの混乱も影響が少ないはずです。

また、投資をする企業の商品やサービスにも着目する必要があります。生活必需品ならば、ハイパーインフレ時代でもモノが購入されるため、耐えられます。しかし、ライバル企業との競争力に勝てない企業では危険です。

株式を所有し、ハイパーインフレに備えようと考えているならば、投資先の選び方は重要だと考えておくと良いでしょう。

 

不動産

モノの値段が上がる場合、お金より現物資産の方が価値は高くなります。不動産もインフレ時代に強い投資と言えるでしょう。

お金の価値が下がり続けるため、固定金利でお金を借りていれば、かなりのリターンが期待できます。

不動産価格が上がるだけでなく、お金の価値もどんどん下がっていくため、二重の意味で安全な資産と言えます。

ただし、家賃も上がっていくため、ハイパーインフレに備えている人が借りているならまだしも、まったく対策していない人に貸し出している場合、賃料が支払えなくなってしまい、空室リスクも増えるため、注意が必要です。

また、RIET(リート:不動産投資信託)への投資もハイパーインフレに強い投資先と言えます。ベースが不動産で、得られた運用益を還元していく仕組みなため、投資先として考慮に入れても良いでしょう。

 

外貨

ハイパーインフレが起こると日本円の価値がどんどん下がっていきます。つまり、外貨の価値が上がっていくことを意味します。ドルやユーロなど、世界的にも信頼できる通貨に変えておくのも、ハイパーインフレ対策と言えます。

余裕があるならば外貨もひとつに絞るのではなく、複数の外貨を持っておくと良いでしょう。

また外貨と合わせて、外国の国債も資産を守る上で考慮に入れられる投資先です。中でも安全な債券と言われている米国債は、アメリカの財務省が発行している信頼性と利回りも良いため、選択肢に入れておくと良いでしょう。

 

物価連動国債

債券は、基本的に金利が高い時に購入すると得です。ただ金利の高低は判断が難しいことがあげられます。一般的に経済情勢が悪化すると金利は高くなります。物価連動国債は、物価に連動するためハイパーインフレ時には、金利も上昇していきます。

そのため、ハイパーインフレ時には強い投資先のひとつと言われています。

 

金・貴金属などの現物資産。ただし注意が必要!

ハイパーインフレ時に物価が上昇するならば、金や貴金属なども価格が上昇していきます。

リーマンショック時には、金に資金が流れたこともあり、価格が暴騰しました。不況時には強い印象が受けます。確かに、お金の価値が下がり、モノの値段が上がるならば、金の価値も上昇するという見方をするのは妥当です。

しかし、ハイパーインフレ時には、金の価格が暴騰しても、お金に替える方法がなければ意味がありません。今の日本では、金で買い物はできないため、一度、円に換金する必要があります。しかし、換金所もハイパーインフレで倒産してしまう可能性もあります。また、税率が高く設定される可能性もあります。

価値は上がったとしても、ハイパーインフレ時代を生きていくことが難しい資産は、控えた方が良いかもしれません。

 

スキル・語学

金融資産ではありませんが、スキルや語学もハイパーインフレ時代を生き抜くために重要な対策です。スキルを高めていけば仕事は続けられ、収入は得られます。さらに、語学が堪能ならば、外国へ一時的に移住することも考えられるでしょう。

ハイパーインフレが起こったとしても、そのインフレ率がどれくらいになるか想定できません。ただ、大事なことはそのような時代に突入したとしても、生きていくことが重要です。

ハイパーインフレの対策は様々な方法があります。準備もいくらでもできます。しかし、最終的には生き抜く力が重要です。資産を持っているからと安心せずに、自己のスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

 

バランス良くポートフォリオを組む

 

ハイパーインフレの対策として有効だと言われている金融商品はいくつかあります。金や貴金属の章で述べたとおり、現金が手に入らない資産では、ハイパーインフレ時代を生き抜くことは困難になります。

とはいえ、そのような時代が到来しないとわからないこともあります。資産をひとつに偏らせるのではなく、バランス良く分散投資をするのが安全と言えます。

共通して言えるのは、円がハイパーインフレを起こした場合、円建ての資産を持つより、外貨建ての資産を持っている方が良いでしょう。それらも踏まえて、ポートフォリオをバランス良く組むのが大事と言えます。

 

まとめ

ハイパーインフレは、いつ起こるかわかりません。今でもじわりじわりと物価が上がっており、数年先には一気に暴騰している可能性もあります。ただ、専門家の中には、ハイパーインフレは起きないと論じている人もいます。

起きないから何もしないのではなく、起きたとしても大丈夫な状況を今から作っておくことが重要です。

日本円での投資に偏っているのであれば、外貨が獲得できる投資の方が良いですし、株式もハイパーインフレ時代に耐えられるような投資先かどうか見直すのもひとつです。

起こるかわからないハイパーインフレに対する準備だけを考えるよりも、資産を少しでも増やせるような投資をしておくことが賢いです。

さらには海外移住という選択肢も日本がハイパーインフレになった時の対策と言えます。金融資産を持つのではなく、自身のスキルアップもひとつの手段です。

いくつかある中で、あなたにぴったりな準備を行うと良いでしょう。