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2019年G20は日本で初開催!今回の課題をどう活かすべきか

G20はG7に参加していた7カ国およびEU欧州連合とロシア、新興国11カ国を加えた、20カ国からなるグループです。1999年にG20財務大臣・中央銀行総裁会議として原則年1回開催していました。リーマンショック以降、世界的金融危機を契機に会議はその重要性が増しています。そして2019年日本で初めてG20の首脳会議が開催予定です。今回はそれに向けた、G20首脳会議の課題、役割を紹介します。

G20首脳会議(サミット)の役割とは?

G20首脳会議(サミット)G20各国の首脳が参加する国際会議です。日本政府の公式HPで正式名称は「金融・世界経済に関する首脳会合」となっています。そのためG20首脳会議(サミット)の役割は主に世界金融に関する様々な問題を首脳同士で話し合い解決に導くことです。

1997年のアジア通貨危機をきっかけに、国際金融システムの議論に当時のG7に加え主要新興市場国の参加が必要であると言われました。アジア通貨危機当時に主要新興市場国である、インドネシアや韓国などがその危機に直面した経緯もあったからです。それ以降1999年からG20の財務大臣・中央銀行総裁会議の創設が合意されました。G20以前のG7時代の主なテーマは世界経済を牽引して成長させることでした。

しかしリーマンショック以降は「世界経済を安定させる」ことへと変化します。世界経済は企業のグローバル化によって、様々な問題が複雑に絡み簡単に解決できない状態が続いています。例えば温室ガス効果問題においても、学識者だけの会議ではどの国に削減させるか決めるのも難しい状況です。地球規模の環境問題は多くの要因や背景が、各国の考えに影響を与えます。そのためにG20首脳会議という各国のトップが集まる会議で世界規模の問題を討議、取り決めをして、環境問題を地球目線で解決する必要があるのです。他にも貿易、マクロ経済、エネルギー、保健、テロ対策、移民・難民問題が地球規模の課題として議論されます。

このようにG20首脳会議(サミット)は世界規模の課題を話し合い、持続可能な世界の実現を目指す重要な役割があります。そして開催国にも議長国としての役割があります。2019年にG20サミットを開催する日本は2018年12月から2019年11月までの1年間はG20議長国となるのです。そのため日本がこの議長国としての役割を遂行しなければいけません。G20議長国はまず「サミットの開催」をすることです。次に「閣僚会合」を主催します。これら準備会合の開催と諸準備が開催国の果たすべき、重要な責務です。

日本がG20の議長国となるのはこの2019年G20サミットが初めてです。2019年6月28日と29日に大阪で首脳会議(サミット)を開催します。また並行して国内の8都市で関係閣僚会合が5月11日の農業大臣会合を皮切りに、愛知県名古屋市の外務大臣会合まで、11月23日まで開催されるのです。関係閣僚会合は専門的な分野での会議になるため、それぞれの会合は日本の各省庁も協力して行われます。

今年2018G20首脳会議はどうだったのか?

2018年G20首脳会議はブラジルのブエノスアイレスで同年の11月30日から12月1日まで開催されました。このG20では「公正で持続可能な開発のためのコンセンサスの構築」が主要テーマです。会議ではいかにG20各国の結束を維持し、経済成長を強化していくかなどで意見交換がされています。フォーラムでは3つのセッションに分かれたテーマ、課題に関して意見交換されました。

フォーラムの前のリトリート・セッションでは「今後10年の世界における機械と課題」でAIやロボティクスが扱われました。ここで日本は総理自ら発言し、これからのテクノロジーの進化は高齢化や環境問題の解決につながるとしています。そしてAIやロボティクスを全ての人が使えるようになれる社会の構築の必要性を訴えました。また2019年G20に向けてはデータの自由な流通の確保も述べています。それにより、新たな価値やイノベーションが生まれ、これらを2019年G20に向けての継続議論としてその決意を表明しています。

つづくフォーラムのセッション1は世界経済を扱う、「人間を中心に据える」がテーマでした。ここでも日本がリードスピーカーとなり自由経済こそが平和と繁栄につながり、日本が自由貿易の旗手として様々な貿易の課題や世界中で発生している貿易摩擦の改善を積極的に牽引すると述べました。

セッション2では、国際貿易、国際金融、課税システムに関しての「コンセンサスの構築」がテーマです。ここで主だった内容は市場歪曲の是正でした。各国が政治的な市場歪曲の是正をより積極的に取り組むべきと主張しました。

セッション3では「様々な機会の活用」では日本の代表者は質の高いインフラ投資が、持続可能な経済成長をもたらすと述べています。ヒト・モノの流れを活性化させるとして、2019年のG20にこのことをつなげると約束しています。そのうえで、質の高いインフラ投資を国際スタンダードとしたいとの発言もしています。これらの後、日本の外務省は採択されたブエノスアイレス首脳宣言の採択にあたって、日本は議長国としてG20内の異なる意見にも耳を傾けて、その調整に積極的に関与した2018ブエノスアイレスG20を総括したのです。

しかし日本のメディアを始めとした各国の主要メディアは宣言内に「保護主義と闘う」を明記できなかったと報道しています。ロイター社の記者は「共同宣言が出て、最低限、米中首脳会談で貿易摩擦の激化を避けることができた」と問題の先送り、または問題が当面回避できた、コメントに終始しています。その上で2019年G20では多国間外交は更に成功が難しくなると結んでいます。このことから2019年G20は相当な覚悟が必要との認識を示しています。

2019年のG20首脳会議は日本~議長国として責務を果たせるか~

2018年G20ブエノスアイレス会議の直前には様々な問題が発生していました。代表的な2つの問題がロシアの「ウクライナ軍の艦艇に対する発砲と乗組員の拿捕」、そしてサウジアラビアの「ムハンマド皇太子の記者殺害関与疑惑」です。

まずウクライナ軍の艦艇発砲と拿捕事件ではロシアの強硬姿勢に対してのアメリカの対応が注目されていました。しかしアメリカ大統領は米国内にあるロシア疑惑もあり、ロシアとは外交的な関わりをあまり持たない方が良いと判断したのです。そのためこの問題に関してはロシア大統領と非公開の夕食で言葉を交わした程度にとどめました。

またサウジアラビアは当時者の可能性がある、ムハンマド皇太子が会議に出席していました。ここでも各国の思惑が絡み、問題の解決には至りませんでした。しかしロイター通信は、フランス政府は皇太子に対して国際的な調査団の受け入れを迫り、英国も責任追及と再発防止を皇太子と会談して訴えたと報道しています。

2019年G20議長国である日本は将来発生する問題も含めてそれらに対峙し、議長国として中立的かつ公正な立場で国際問題の解決をリードすることがその責務です。アメリカとロシアが取る、保護主義と自国第一主義は国際社会では決して受け入れられるもので無いことは明らかです。

そのため日本は国際協調路線を明確にすることが求められます。アメリカとは日米安保があるから、またロシアとは北方領土問題があるといってそちらに歩み寄ることは国際的な孤立を招くことにつながります。議長国としてあるべき責務を果たすためには、それらの問題は別と考える姿勢が必要です。

まとめ

2019年G20は日本で初開催となり、世界的にも重要な位置付けとなる国際会議です。ヨーロッパでも極右的な思想の政党が台頭するなど、市民レベルで政治に対する不信や不満が燻っています。背景には私利私欲に走る一部企業や政治への不満が最大の理由です。そのために国際協調で公正な経済を取り戻せば、それらを解決に導くことはできます。2019年G20では日本のそんな姿勢を示すことが、G20会議を成功へと導くはずです。