株式会社T&Cサービス
取締役営業統括 渡邉圭一
株式会社T&Cサービス 取締役営業統括 渡邉圭一プロフィール
大学卒業後、京都ホテル(現在の京都ホテルオークラ)に入社。
フレンチレストランに配属後、ソムリエの資格を取得。
フレンチ・鉄板焼き・ラウンジ・中華レストラン・和食レストランでソムリエ、
マネージャーとして10年間従事する。
その後、大阪の老舗高級フレンチレストラン『ラ・ベカス』にてマネージャーとして抜擢。
ハイソサイエティなお客様を相手に幅広くワインをサービスし、レストランの運営を行う。
2012年より、百貨店を中心とするワイン・日本酒の販売のスペシャリスト専門の
派遣会社『株式会社T&Cサービス』に入社。取締役営業統括として現在に至る。
<前編>お金では買えない「価値」に繋がる最高峰の体験
ー大阪の心斎橋でしかも大丸百貨店というところに、日本と世界の希少・入手困難なお酒が気軽に楽しめるBARを出店されましたけど、レストランとかではなく、なぜあえてフードホールに出店されたのでしょうか?
渡邉:弊社の事業が人材を手配している会社なので、普段から百貨店のお酒売り場の方にソムリエと利き酒師を手配させてもらっていたのですね。
わたしは営業として各百貨店に動いていたのですが、そこで百貨店のバイヤーのかた、お酒造りの責任者のかた、催事担当者と接触する機会がとても多くて、どこの百貨店もイベントとかそういったものに特化している会社を探していらっしゃる傾向が強かったのですよ。
日々人を手配しているだけだったのですが、せっかくだから何か面白いことができないかと思い、他の百貨店にあるような販売コーナーではなく気軽に希少なワインにレアな日本酒を楽しんでもらえるバーを展開したら面白いなというところからスタートしました。
ー確かに販売しているところはよく見ますが、今日伺っている大丸百貨店の世界酒BARセカサケさんに来たときに「こんなの見たことない!」ととてもびっくりしました!
渡邉:それが狙いでもあったのでそう言っていただけて嬉しいです笑
ーでもこちらってフードホールですよね?フードホールって食事するものを買うことがメインでお酒を飲むイメージってあまりないのですが…
渡邉:そうですよね。実はこのフードホールが大人のためのフードホールで、トリュフ専門店やフカヒレ専門店とかアッパーなお客さまが中心に楽しんでいただけるフロアになっているのですよ。
その部分もマッチして、面白いからやってみよう!となりました。
ーそうなのですね!確かに普通のフードホールとは雰囲気も客層も全然違いますし、他にはない面白い試みですよね。
渡邉:しかもこのフードホールで購入された料理はどんなものでもこちらに持ち込んでもらってかまわないので、ソムリエや利き酒師がその料理に合わせたお酒を提案する、というのが醍醐味なのですよ。
ー購入したものをもちこんで良いのですか!買ってきた料理に合わせたお酒をプロのかたが選んでくれるって特別感があって嬉しいですね。
渡邉:例えば2人連れで来られたお客さまで、ひとりは中華、もうひとりはお寿司などでも楽しみ方がまた変わってきますし、より特別感を味わっていただけるかと思います。選ぶ私たちもすごく楽しいですよ笑
ー楽しみ方は無限大ということですね!ずっとお店にいられそうです笑
フードホールでは考えられない、富裕層の方にも対応できる内装づくりを心がけた
渡邉:そうですね笑。食前・食中・食後まで楽しめるような形式にもしているので、お客さまにもとても喜んでいただけています。
場合によってはウェイティングバーとしても使ってもらえるように考えて作っているので、実はこのテーブルやカウンターはとてもこだわりました。
わたしはハイチェアとハイカウンターというのがお食事をするのには向いていないと思っていまして、ゆったり座って楽しんでいただけるように、ローチェアにしたのですが、富裕層の方にも対応できるグレードにしたかったという想いもあって、この椅子に関してはとてもお金をかけているのですよ。
ーバーってハイチェアとハイカウンターですが、確かにこちらは低めですよね。
椅子もフードホールにあるとは思えないぐらいすごくオシャレで素敵だなと思いました。
内装にこだわったことで何か良い変化などはありましたか?
渡邉:その効果もあってか、実際にカウンターに座られた方おひとり当たりの平均単価がお料理も召し上がるとなると、7,000円から8,000円ぐらいなのですよ。
フードホールにしては考えられない単価ですよね。
ポイント
富裕層の方のウェイティングバーとしても活用していただけるよう内装にはこだわった。
椅子はゆっくり食事がしやすいローチェアにし、富裕層の方にも対応できる高級なものを選んだ。
フードホールでは考えられない、おひとりさまの単価は7,000円から8,000円。
最高級ロマネコンティをグラス1杯20ml、8万円で提供
ー確かにフードホールでは考えられない単価ですね!先日HPで拝見させていただいたのですが、最高級といわれているロマネコンティのワインをグラスで提供されていましたよね?
渡邉:はい。こちらでは2回、オープンしたときとお正月のときの目玉で出させていただきましたね。
ついこの間でしたら、阪神大ワイン祭のプレミアムワインバーにてグラスでお出しさせていただきました。
ーロマネコンティって通常グラス1杯数十万円しますが、そのときはおいくらで提供されていたのですか?
渡邉:イベントでは1杯8万円でお出しいたしましたので、ロマネコンティでいうとすごくお安い価格でご提供させていただきましたね。
その分、量は20mlでかなり少なくて、ウィスキーのワンショットが30mlでそれよりも少ないぐらいです。
それでもロマネコンティは1本300万円から400万円で流通していて、3本に1本は偽物があるといわれている環境なので、正規のものを入手するだけでも正直すごく厳しいのですよ。
ー本当にすごく希少なワインなのですね!このイベントにはどのような方が飲みにこられていましたか?
渡邉:半分ぐらいの方は、富裕層の方かプロの方が多かったのですが、他にも全く同じヴィンテージを持っている方が、自分の持っているワインがどういう状況なのかを知りたくて、飲まれる方もいらっしゃいましたね。
ー自分の持っているワインがどういう状況なのか知るためって、とても素敵ですね!
ちなみにロマネコンティでいいますと、1杯8万円はお安いと思いますが、一般的なワインの感覚でいうと20mlで8万円という価格は非常に高価格ですよね。
飲まれていた方はお値段を気にされていましたか?
渡邉:ワインに対して払う8万円は、金額だけでいうともちろん高いとは思いますが、みなさんはワインの価値に手を出されているだけで、ロマネコンティという体験に対しては安いと感じられていましたね。
イベントで33杯お出ししたのですが、10名はおかわりをされていました笑
ーすごいですね!笑。おかわりをする方もいらっしゃったのですか!
渡邉:子供がディズニーランドにいくような感覚と近いですね。
夢の国にいくような。富裕層の方でもお金の使い方に慣れていらっしゃる方って、最高峰のものを体験できる機会ってすごくレアなことをすごく分かっていると思うので、好きなものだったらお金は出せるのですよね。
ー自分の価値につながる、自分のためになるものに関しては、おしまずお金を使われるということですね。
渡邉:そうです。そこで得た体験が、今後の自分の人生に必ず生きるであろうという思いと、富裕層の方は自分への投資として考えていらっしゃる方が多いと思います。
あとは富裕層の方同士の会話の中で、レアな体験をしたことのお話もできますしね。
ーなるほど。そこから人脈にもつながるということもあるのでしょうね。
渡邉:そうですね。お酒がお好きな方でしたら、誰にでも通用するお酒ですし、
無駄には絶対にならないと思います。
ポイント
飲みにこられていたお客さまは富裕層の方やプロの方
中には自分の持っているワインがどういう状況なのか知りたくて飲みにこられていた方も。
ワインの値段としては高いが、ワインの価値にお金を出されているのでロマネコンティという価値では安い
富裕層の方は最高峰の体験をすることにお金はおしまない
<後編>富裕層が魅了されるワインの魅力につづく…