そろそろ定年退職を迎えるが退職金を活用したい。ただ退職金をどう運用していくべきか…
悩まれている方も多いと思います。
退職金をどのように運用していくかによって老後の生活はかなり変わってきます。
老後の生活を豊かにしていくためにも、プランニングは重要です。
ただ何も考えなしに、口車に乗せられて金融商品を買ってしまったら、数年後に失敗だったと気づく可能性もありえます。
定年退職金の相場は、会社の規模によって異なるものの、大卒から60歳まで勤めあげた場合、平均的な数字は1,983万円だそうです。
中小企業の場合、1,000~1,300万円程度で、大手企業の半分とのことです。
(出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」)
どういった会社で、どれだけ会社に貢献したかで退職金はもちろん変わりますが、まとまって入ってくるお金を、いかに適切な運用していくことが重要となります。
本記事では、退職金運用で買ってはいけない金融商品や退職後にどのようなことをやった方が良いのかをまとめました。
老後の生活のための指針となれば幸いです!
定年退職後に注意すべきこと
まず定年退職後に注意すべきことを書いていきます。
退職金が入ると銀行から電話がかかってくることもあれば、退職金運用相談会というような趣旨の面談を紹介されたりします。
なぜ電話がかかってくるのか?
それは大きな単位のお金が振り込まれるので、その退職金をそのままにしておくと金融機関が退職金に狙いを定めて一斉に営業をかけてくるからです。
退職金をどのように運用していくかについて関心が高い事項だと思いますが、「このたびは定年おめでとうございます」と連絡があると軽い気持ちで「まず話だけでも聞いてみるか」という心理が働きがちです。
しかし銀行も、その他営業も自分たちが販売したい金融商品を勧めてくる可能性が高いので、必ずしもぴったりな退職金運用プランとは限りません。
専門家が見たら「もっと良い運用プランがあるのに……。」と思えるような金融商品やマイナスにしかならないような投資案件も中には存在します。
投資の話を興味本位で聞くことはありかもしれませんが、話している内容をそのまま受けとり即決することはせず、内容を理解して選択することが重要となります。
勧められたものを細かくシミュレートし、数年後の予測などと照らし合わせて分析することが必須です。
専門知識がないからといって、営業マンや銀行の言いなりになるのは非常に注意しなければいけない点です。
定年退職後にやるべきこと
退職金をどのように運用していくかを専門家と相談していくことが大事になります。
というのも退職金の額は会社によって違いますし、現在所有している資産は皆さん異なります。
ご夫婦の健康状態やお子さんの年齢や事情、両親のご年齢などによって、お金がかかる時期も違ってきますよね。
当たり前なことですが、どれくらいの生活費を望んでいるのかによっても運用プランは変わります。
毎月25万円を生活費として使うのか、35万円を望むのか・・・考える必要があります。
最良なのは、知らない分からないで任せっきりにするのではなく、自分たちでしっかりとした知識を身につけ、老後のライフプランに即した資産運用を行なっていくことが重要です。
そして、定期的に運用プランを見直し、自身で軌道修正をかけられる状況がベストです。
また、判断を下すために必要な情報が自分のところに集まってくることも大事なことです。
抱えている負債に関してもどのように付き合っていくかを考えましょう。
まとまった金額が入った時に、一括で返済することは可能です。
金利の支払いが発生するため、トータルで見ると損な可能性もあります。
しかし、一括で返済するということは、使えるお金が減るということです。
減ったことによって、投資の幅が減ることも考えられます。
返済した方が良いと考える方もいますが、どのような運用プランにするかが決まってからでも遅くないでしょう。
それより、支出の見直しを行った方が良いです。
自分自身がどれくらいの生活費が必要になるのか。
もちろん生活だけでなく、老後の楽しみや趣味にかかる費用も合わせて考えることが重要です。
自分が望んだ生き方から逆算して、それに必要な金額を得るためにはどうするのか。
そのスタンスが良いでしょう。
退職金で買ってはいけない金融商品の一例
退職金で買ってはいけない金融商品の一例をあげます。
- 毎月分配型の投資信託
- ファンドラップ(ラップ口座)
- 退職金運用プラン
- 元本が切り崩され支払いだされる金融商品
- 外貨建ての蓄財型保険商品
投資信託は、専門知識のない自分が運用するより、知識がある方に任せた方が良いと思って、退職金の一部や銀行の方の言いなりになって、購入してしまう人もいます。
もちろん市場全体が上昇している時であれば、資産が増える可能性は高いですが、停滞している最中や下落が予測できるならば高い確率で資産が減ってしまいます。
また、高いコストもネックになります。
購入手数料や信託報酬、そのほか細かい手数料などもあり、思った以上に運用費用がかかります。
ノーロードと呼ばれる購入手数料無料の商品もありますが、安い!お得!と思わせるような引っ掛けの可能性もあります。
また、毎月入金があるような元本を切り崩して運用していくプランは、目減りしていくため絶対に手を出してはいけない金融商品です。
ファンドラップは、ラップ口座を開設し、運用などすべてを任せてしまう金融商品ですが、完全に任せっきりというのは危険です。
口座開設時にある程度のヒアリングはあると思います。
しかし、その通りにいかないことも多々あります。
一時的に減ってもリカバリーができるくらいの莫大な資産があるならばまだしも、退職金で行う運用ではありません。
外貨建ての蓄財型保険商品もおすすめできません。
蓄財型や年金保険の様な形のものですが、毎月支払われるものの裏側には、元本から切り崩して支払われているものもあります。
特に外貨の場合は、為替の影響を受けるため、減ってしまう可能性もあれば、さらにそこから手数料が引かれてしまいます。
さらに数字のトリックを盛り込んでいる可能性もあり、数字的には一見増えているように見えても、実は満期トータルの話で、年利に直すと美味しくないことがわかります。
上記のように、状況を考えずとも購入しない方がベターな金融商品は多数あります。
退職金をもらったからといって、すぐに運用方針を決めなければならないわけではありません。
十分検討して、自分にぴったりな資産運用法を見つけましょう!
まず、退職金をどのように活用していくか、運用プランを家族と決めましょう。
ベストは退職金が出た後に焦って話し合いをするよりも、退職金が出る前にあらかじめ余裕をもって家族で話し合っておくことも大切でかと思います。
その中でわからないことがあったら、専門家に相談を乗ってもらうことが良いですね。
ここで言う専門家は、公平な意見と投資家ビギナーだったとしてもしっかりと寄り添って考えてくれるファイナンシャルプランナーが頼りになります。
ただ、ここでも頼りきってはいけません。
ファイナンシャルプランナーと色々と会話できるくらいは、知識を身につけましょう。
知人・友人でなかったとしても、無料相談に乗ってくれる人はいます。
十分な知識を持った状態で臨むことが大事です。
いきなり定年退職後から投資の勉強をするのではなく、できる限り若い年齢から、少しでも慣れておくことが望まれます。
投資はしっかりリスクを学んでからにしよう
大金を手にすると、低い金利で寝かしておくのはもったいないと考える方が多いのも事実です。
ただ「資産運用」するには、リスクについて学ばずに手を出すと痛い目にあってしまう方も多いのです。
勧められた金融商品がマイナスになってから相談をしても、打つ手は少ないので手遅れになってしまう可能性があります。
リスクをとらないとリターンも得られませんが、自分に置き換えたときにそのリスクに耐えられるのか?
家族もそれに対して理解があるのか?しっかり考えることが大事です。
老後の投資はどのようにすべき?
退職金をどのように運用していくか。
選択肢が多いに越したことはありません。
安全に運用する部分とリスクが取れる範囲内で運用をチャレンジするのに分ける方法もあれば、不動産投資ができるくらいのお金があるならば、マンション経営を行うというのもひとつです。
株式投資の場合は、自分が精通している業界や経営者の方針など分かる場合ならおすすめです。
また企業や業界を分析するのに時間がかけられるようになるため、より手堅くできる可能性も広がります。
マンション経営は、住みながらある程度の管理も行うことでコスト削減だけでなく、老後のやりがいにもなります。
退職後はどうしても気が抜けてしまう場合もあります。
生きがいを見つけることも重要なポイントになると思います。
まとめ
定年退職し、まとまった金額の退職金をいただいた場合、浮かれてしまうことは誰しもあるかと思います。
何の知識もなく銀行や営業マンの話を聞くのは絶対にやめた方が良いです。
銀行や証券会社が売りたい商品は、必ずしも老後の生活を豊かにしてくれるものとは限りません。
スタートした当初は良いかもしれませんが、数年経って退職金が半分になっていたなど、よく聞く話なのです。
老後の生活をしていくために、支出の見直しをしっかり行い、どのように運用していくか方針を決める事が重要です。
年金や保有している資産と合わせてどれくらい収入が見込めるかを算定し、退職金で補うように運用していきましょう。
老後破産しないためにも、退職金の運用は慎重に手堅く行い、老後のライフスタイルを幸せに過ごしましょう。