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「出会いあっても別れなし」BtoFというビジネスモデル

不確実性が高く、なにかと変化の激しい現代では、日々新しいビジネスモデルやビジネス思考が生まれています。

最近よく聞く言葉のひとつが「BtoF」です。

BtoB、BtoCなどは広く知られていますが、BtoFとは何なのでしょうか。

「BtoB」「BtoC」「CtoC」に次ぐ「BtoF」

BtoFの話に入る前に、BtoBやBtoC、CtoCについて改めて解説します。

Bはビジネス
Cはコンシューマ(消費者)

のことです。つまり、

BtoBとは、企業から企業へのビジネスモデル
BtoCとは、企業から一般消費者へのビジネスモデル
CtoCとは、一般消費者から一般消費者へのビジネスモデル

ということになります。それぞれ、「B2B」「B2C」「C2C」と表記されることもあります。

BtoBやBtoCはイメージしやすいでしょう。あまり聞き馴染みのないCtoCですが、例えばメルカリなどのサービスや、消費者同士のカーシェアリングなどが該当します。

厳密には、サイトなどを管理している企業がありますので、「CtoBtoC」と表現した方が正しいかもしれません。

では、BtoFとは何のことでしょうか?

BtoFは、「企業からファン」へのビジネスモデルです。消費者ではなく顧客を「ファン」と呼び、より関係を深化させるファンビジネスのことを指します。

BtoFのプロセスは、

「認知」→「興味・関心」→「信用」→「顧客(消費者)」→「ファン」

という流れです。

例えば、芸能人や著者、アーティスト、バンド、芸術家などもBtoFのビジネスモデルです。

最近では、ユーチューバーやTwitter・インスタなどのインフルエンサーも、ファンビジネスと言えるでしょう。

BtoFビジネスで成功するには「ギバー(与える人)になること」

今では有名になった芸能人や著者、アーティスト、芸術家、ユーチューバーのような人たちも、最初から有名人だったわけではありません。

多くの人は、下積み時代や無収入の時代を経験しています。

しかし、日々の積み重ねによってブレークスルーしたわけです。

「ギバー(与える人)」や「テイカー(奪う人)」という言葉がありますが、スタート地点ではみなさんギバーです。

ある意味では情報発信をすることで自分の存在や価値を売り込んでいるのですが、必ずしも収入などのリターンがあるとは限りません。

ひたすら与え続け、共感を起こし、ファン化して最後の最後にマネタイズできる、というのが一般的でしょう。

企業なら例えば、

・お試しサンプル品を無料で提供する
・価値ある情報を無償で発信する

などのマーケティングを行い、価値を知ってもらうことからスタートします。

認知され、価値を感じてもらい、信頼を得ることで、共感を得てファンになるというプロセスです。

「ここで買いたい」「この人から買いたい」と思ってもらえる世界観

お気に入りの場所や相性の良い店員さん、「なんとなく好き」な商品などはだれにでもあると思います。

「あのお店だから買いたい」「あの人から買いたい」という感覚や経験は、多くの人にあるでしょう。

・お気に入りのお店
・毎月行きたくなる喫茶店
・毎週のように通っているレストラン
・お祝いのときに必ず行くホテルや旅館

こういったお店や場所がある人も多いのではないでしょうか。

私は以前、インドネシアのバリ島に住んでいましたが「お昼はあのワルン(食堂)で食べよう」「日用品の買い物はあそこの商店で」「ランドリーはあのおばちゃんのところに」など、パターンが決まっています。ガイドをお願いするのは、毎回決まったガイドさんです。

お金は天下の周りものと言いますが、私が使ったお金がその人の生活の一部分になると思うと、「あの人から買いたい(払いたい)」という心理になるのは当然です。

できれば、身近な人から買いたいですから。

ファンを増やすことは、とても大切です。

安定した売上になるのはもちろんですが、営業コストや広告コストの削減にもなりますから、ファンをつくることは最重要課題といえるでしょう。

さらにファンの方をティーアップし、口コミ(紹介)の連鎖をつくることができれば、好循環を生み出せるでしょう。

そんな好循環を築くためにも、人間関係が欠かせません。

世界には80億人もの人口がおり、今目の前にいる人と出会い、会話する可能性は天文学的な確率でしょう。

「出会いあっても別れなし」くらいの姿勢で人と接していれば、自然とBtoFのビジネスモデルを構築しているのかもしれません。

※本コラムは、筆者の許可をとって掲載しております。
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