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知らないと損!事業承継は事前準備で8割が決まる!?不動産を活用したお得な事業承継とは!?

(写真=Sergey Nivens/Shutterstock.com)
中小企業庁「事業承継ガイドライン(2016年12月)」によれば、経営者の年齢のピークは66歳に達しており、今後5年から10年の間に多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えようとしているとのこと。皆さんの中にも当てはまる経営者の方は多いのではないでしょうか。

それではすぐに事業承継はできるものか、といえばそうではありません。事業のバトンタッチを円滑に、成功に導くためには用意周到に行う必要があります。実は事業承継は事前準備で8割が決まるともいわれているほど、事前準備が重要なのです。

そこで、どのような事前準備が必要なのかを解説するとともに、どのような点をしっかり検討しておく必要があるのか、解説していきたいと思います。

株価評価がどうなるか?

まず、事前準備を行う前に必要な作業があります。それは株価評価の試算です。

事業承継を自社内(通常は子供など親族)で承継する場合には、株価評価がどの程度になりそうか、試算する必要があります。具体的には顧問税理士などの税理士や会計士にお願いをすることになりますが、仮に現預金がたくさんある、土地を多く所有している、毎年増収増益基調にある、といったケースのいずれかにあてはまる場合、株価は想定よりも高く評価される可能性があります。

M&Aなどにより他社に売却する場合には、株価は高い方がよいといえますが、自社内で事業承継を行う際には、できるだけ株価評価を低くし、負担のないように事業承継したいものです。そこで、株価をどう引き下げていくかを考えていく必要があります。

株価を引き下げる方法としては、現預金を減らす、保有する土地を売却したり有効活用する、分社化するといった方法が考えられます。例えば、現経営者の退職金としてある程度まとまった資金を支払うことで株価評価を下げるといった方法が考えられます。ただし、こうした現預金を動かす場合には、その後のキャッシュフローに問題がないかどうかも検討が必要です。

不動産を活用することで株価評価を下げて承継コストを削減する

既に土地を多く持っているものの、特に利用していないといった場合や、株価評価を大きく引き下げたいとお考えの場合には、不動産を有効活用することを考えてみましょう。

賃貸不動産を持ち、家賃収入をもたらすように運用するのです。これにより、株価評価を行う際には、土地、建物いずれにおいても相続税評価額で計算でき、売買価格よりも低い評価額で株価評価時には用いることができるようになるのです(ただし、不動産取得時から3年以内を除く)。

これは、同じ金額の現預金を持っていた場合に比べて、少なくとも土地で21%、建物で30%の評価減となるため、株価評価を減らすには大きなメリットとなります。もちろん、不動産価格が大幅に上昇するといった場合には、むしろ評価額が大きくなることもありますが、その場合には売却し、その資金をもとに退職金を支払うなどといったことも検討できます。

事業承継には時間がかかることが多いので事前の準備が重要になる

このような株価評価をみてもお分かりの通り、不動産の活用などすぐに完成できるものではありません。ある程度の年月をかけ、確実に評価を減らしていきましょう。

これと同時に、承継する子どもたちがもめることがないように、株式と事業で活用する資産は長男(事業承継)に、二男は事業承継をしない代わりに自宅や現金を贈与や相続で、など細かく決めておくことが重要です。こちらも時間をかけ、皆が納得する方法で行っていく必要があります。

事業承継にかける時間は多いにこしたことはありません。その後の事業を永続的に発展させるためにも、事前の準備を入念に行っていきましょう。