インフレは皆さんご存じかと思いますが、「ハイパーインフレ」と聞いて、ピンとこない方は多いのではないでしょうか?
「ハイパーインフレ」とは、多くの場合、戦争やその他要因による財政の極端な悪化などで通貨の価値が暴落する、経済的な危機を指します。
本日は「ハイパーインフレ」とは何か?今後日本でも起こりうる可能性はあるのか?をお話していきます!
ハイパーインフレとは?
「ハイパーインフレ」のお話をする前に、現在起こっている「インフレ」とは、物価が上昇することですよね。
実際、経済情勢が好調で人々の所得が上昇すれば、人は物を購入しようという意欲や需要が高まるため、物の値段は上がります。
つまり、景気が良ければインフレになるのが一般的であり、日本の政策では年間2%のインフレ率を目標としているので、インフレ自体は悪いものではありません。
ただし「ハイパーインフレ」となるとレベルが全く違います。
「ハイパーインフレ」とは、行きすぎたインフレによって物価が過度に上昇して、お金の価値が急速に低下する経済現象のことを「ハイパーインフレ」といいます。
簡単にいいますと、国の財政悪化やお金の供給量が増えすぎたことなどが原因でお金の価値が下がってしまい、1つのものを買うために必要なお金の量が増えてしまうのです。
ハイパーインフレの定義
ハイパーインフレの定義は主に2つあります。
経済学者フィリップ・ケーガンの定義
ハイパーインフレを定義する試みとしては、フィリップ・ケーガンという経済学者が、1920年代の中東欧で起きた歴史的なハイパーインフレを分析する論文で用いた定義がよく知られています。
その定義が「毎月50%以上の物価上昇がハイパーインフレ」というものです。
月50%以上のインフレということは、年率換算すると1万%以上のインフレということになります。
インフレは現代では珍しい現象ではなく、年間2ケタ台のインフレは頻繁に観察されていますが、5桁以上のインフレはそう簡単にお目にかかれるものではありません。
フィリップ・ケーガンの定義は現代のハイパーインフレを分析する場合にもよく使われています。
国際会計基準
「3年間で累積100%以上の物価上昇」をハイパーインフレの定義としています。
ハイパーインフレはなぜ起こるのか?
物価の過度な上昇は、深刻な物不足によって生じます。
戦争や大災害は、深刻な物不足を引き起こす要因となるでしょう。
また、通貨価値暴落の原因としては、国が発行する紙幣に対する信用の下落や紙幣の大量発行によって起こると考えられます。
政府の対応や世界各国の救済などによって回避が可能な場合もありますが、複数の要因が同時に発生した場合はインフレに歯止めが効かず「ハイパーインフレ」を引き起こす可能性が高まるといわれています。
ハイパーインフレは日本では起こりえるのか?
実は、日本でも第二次世界大戦の敗戦後「ハイパーインフレ」が起きています。
日本が太平洋戦争のために投じた戦費は当時のGDPの約9倍といわれていて、生産活動や通常の税収で賄えるレベルではなく、その軍事費用は大量の国債で賄ったため、通貨の価値は下落しました。
さらに戦争で空襲をうけたことにより様々な設備が破壊され、生産能力を失い、深刻な物不測に陥ったのです。
これが戦後日本の「ハイパーインフレ」のスタートといわれています。
「今後日本でハイパーインフレが起こる可能性は低い」という経済評論家は多いですが、
「今後ハイパーインフレになる可能性もゼロではない」「ハイパーインフレが起こる可能性がある」と指摘している経済評論家ももちろんいます。
なぜなら、国の財政が急激に悪化し借金が増え続け、日本の信用力が急低下すると日本円の価値が低くなる可能性があるからです。
「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、いつ何が起きても良いように備えておきたいものですね。
まとめ
あまり聞いたことがない「ハイパーインフレ」ですが、知っているのと知らないだけでも大きく変わってくると思います。
現在の日本の情勢を踏まえて、いろいろな対策をしておきたいですね