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あなたは知ってる?最近よく聞く「リーテック」とは?

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(写真=Shaynepplstockphoto/Shutterstock.com)

フィンテック(FinTech)という言葉を今はよく聞くようになりました。最近では、新たにリーテック(ReTech)という言葉を耳にするようになってきました。このリーテックとはどういったものなのでしょうか。

リーテックとはなにか

リーテックとはReal Estate Technologyの略で、直訳すると「不動産テクノロジー」です。不動産事業にIT技術を活用することを意味しています。

耳にするようになってきたリーテックですが、日本ではまだあまり導入されていません。そのため、今後どうなっていくのか注目を集めています。どのような戦略を練ることができるのか検討している企業も存在します。

一方、アメリカでは日本よりも格段にリーテックが進んでいます。アメリカの事例をみていきましょう。

リーテック先進国のアメリカの事例

リーテック先進国であるアメリカでは、中古物件の取引をする際に、その物件の正確で細かな情報を入手することができます。それは、「MLS」とよばれる物件システムの登録が、義務づけられているのが要因の一つです。

この物件データの登録とともに、政府機関のデータや公共データが加わった形で、不動産会社や消費者へ情報として提供されています。このように、アメリカは不動産情報について透明性が高いのが特徴です。

日本での展望

日本の場合、賃貸物件や売り出し物件などはチラシ広告から物件情報を入手するか、実際に不動産業者の営業所へ足を運んで物件を紹介してもらうのが一般的な探し方とされています。

インターネット上で物件を閲覧することもできるようになってはいますが、情報が限られていたり既に契約が完了している物件であったりというケースがあるため、日本ではまだまだリーテックが進んでいないといえます。

もちろん不動産事業においては、徐々にリーテックを視野に入れている企業も現れてはいますが、まだまだアメリカのようには進んでいないのが現状です。

今後、日本においてリーテックが進んでいけば、従来の不動産仲介業は業態が変化していくことでしょう。他業種での例をあげるとすると、保険業界があげられます。

インターネットによってダイレクト契約が盛んになり、従来の営業マンが営業をかけて保険に勧誘して契約を取るという代理店業務だけではなくなりました。保険の見直しのアドバイスを提供し、保険に勧誘するという手法が出てきたのが保険業界です。

もちろん従来の保険代理店も多く残っていますが、ずいぶんと業態が変化しました。不動産業界も、リーテックが進んでいくことによって、さまざまな変化が生じることが予想されます。

日本でリーテックが進むと人々の生活がどのように変わるか

日本でリーテックが進むと、不動産取引においてより適切な価格で取引が可能になるでしょう。なぜならば、現在の日本では中古の不動産を購入しようとするときは、売主との交渉により決まることが多いからです。元々の売主の売却希望額と、不動産鑑定の結果などによって価格は決まっています。

しかしリーテックが進めば、同一市町村などにおいて、類似物件の取引価格を簡単に知ることができるようになるためそれほど金額に差が出せなくなります。よって、より適正な価格での不動産取引が増えるはずです。

また、個人において物件を売り出したい場合、インターネットを利用すれば仲介業者を利用しなくても売却可能になるかもしれません。従来のように、多額の仲介手数料を払わなくて済む時代が来るかもしれないのです。

今後の動向に注目が集まる

日本においてリーテックはまだ始まったばかりです。今後日本ではどのようにリーテックが展開されるのか興味深いところです。不動産投資の場面において、リーテックは重要なツールとなっていくことでしょう。

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