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知っているようで意外と知らない?繰上げ返済の種類

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(写真=Ruslan Grumble/Shutterstock.com)

不動産を購入する場合、多くの人は住宅ローンを利用することになりますが、繰上げ返済をすることで利息や総支払額を減少させることができます。繰上げ返済は手持ちの資金に余裕がある場合に行うものですが、繰上げ返済にも種類があり、経済状況や今後のプランにあったものを選択する必要があります。ここでは繰上げ返済の特徴を確認し、効率のいい資産運用について考えましょう。

繰上げ返済の重要性

賃貸経営や不動産投資を行う場合、住宅ローンなどの融資を受ける方は少なくありません。当然、月々決まった金額を返済することになります。しかし、契約当初より財政状況が上向きとなった場合は繰上げ返済することで、効率的な資産運用を行うことができます。

繰上げ返済はまとまった金額を一気に支払うことで、借入元金を減らし、利息と最終的な総支払額を軽減させるメリットがあります。また、多額の借金を抱えている状況では、賃貸経営が悪化することによる精神的プレッシャーに苦しむ方も少なくありません。

ただし、繰上げ返済のデメリットは、手持ちの資金がなくなることです。資金があれば不動産以外の投資で運用することも可能で、繰上げ返済は場合によっては機会損失につながる可能性もあります。また、団体信用生命保険に加入している場合は、ローンを完済すると保険期間が終了してしまうことにも注意が必要です。

手持ちの資産や投資、保険の状況などを総合的に判断し、もし資産に余裕がある場合は繰上げ返済することで、借金の総額を減らすことも視野に入れましょう。

繰上げ返済の種類

繰上げ返済には、企業によって名称が異なる場合がありますが、融資期間を変えずに元金部分を返済する「返済額軽減型」と、ある一定期間分のローンを返済する「期間短縮型」があります。どちらもまとまった金額を支払い、総支払額を減少させる点は共通していますが、繰上げ返済後の支払いプランが大きく異なっています。

返済額軽減型ではまとまった金額を借金の元金に充て、残った借入金額は残りの期間で再計算して支払っていく方法です。返済期間は短縮されませんが月々の支払金額は減少します。

一方、期間短縮型ではまとまった金額をある期間の支払いに充てる方法です。こちらの場合は元金だけではなく利息にも充当され、支払期間も支払った金額に応じて短くなります。

また、一般的に住宅ローンは、借入金額と支払期間に応じて利息が決定されますが、実際の支払いは利息を優先して支払うことになっています。そのため、早い時期に繰上げ返済を行うほど利息軽減率が高くなり、総支払額も減少しやすくなる傾向にあります。

繰上げ返済のお得な方法とは

期間短縮型では、繰上げ返済の実行が早ければ早いほど軽減利息が大きくなる一方、返済額軽減型では支払期間が変わらないため、利息や総支払額が軽減されにくい傾向にあります。総支払額のみを比較した場合、期間短縮型の方がお得ということがわかります。

ただし、返済額軽減型は月々の支払いが減るため、繰上げ返済後は資金に余裕を作ることが可能です。繰上げ返済は手元の資金が大きく減少するものなので、その後の大きな出費に備えたい場合や、余裕を残しておきたい場合は返済額軽減型を選ぶのがよいでしょう。

また、繰上げ返済は住宅ローン控除に影響する場合があります。住宅ローン控除のなかには住宅ローン借入期間が条件となっていることがあり、期間短縮型で返済期間が短くなった場合は、条件から外れてしまうことがあるため注意しましょう。また、繰上げ返済は手数料がかかることもあります。借入先にあらかじめ確認しておきましょう。

繰上げ返済は上手に利用しよう

繰上げ返済は、総支払額の低減を考えると非常に有効な手法ではありますが、手元の資金が極端に減ってしまい日常生活に支障をきたすことになっては、本末転倒といえます。また、資産運用を考えている方にとっては、手元の資金が無くなることで大きな機会損失に繋がる可能性も考慮しなければなりません。繰上げ返済は、資金に十分な余裕があるときに行いましょう。

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