今日本では、少子高齢化が進むといわれていますが、同時に晩婚化も進んでいます。晩婚化が進むことと不動産投資は密接な関係があり、不動産投資をする際には、晩婚化による「変化」も考える必要があります。晩婚化になると不動産のニーズがどう変化するかを知っておけば、不動産投資戦略も立てやすいです。それは、結果的に「継続的に安定した収入を得る」という不動産投資の成功につながります。
日本で晩婚化事情
現在、日本では晩婚化が進んでいます。以下が、内閣府が提示した平成27年版 少子化社会対策白書によると、1970〜2013年の間で婚姻した数の推移は以下の通りです。
・ 1970~1974年:年間100万組超
・ 1978~2010年:年間70万組台
・ 2013年:年間66万組
上記のように、そもそも結婚する組数が減少しています。その上、以下の未婚率から見ても、大きく晩婚化が進んでいるのが分かります。
【25~29歳で未婚の男性】
・ 1960~1980年:50%前後
・ 1980~2000年:70%
・ 2010年以降:71%超
【25~29歳で未婚の女性】
・ 1960~1980年:25%前後
・ 1980~2000年:55%前後
・ 2010年以降:60%超
【35~39歳での未婚の男性】
・ 1960~1980年:10%未満
・ 1980~2000年:25%前後
・ 2010年以降:35%超
【35~39歳での未婚の女性】
・ 1960~1980年:5%前後
・ 1980~2000年:15%前後
・ 2010年以降:23%超
晩婚化と賃貸市場
晩婚化するということは、間接的に賃貸物件の需要が増えると考えられます。住宅は、「分譲マンション」「賃貸マンション」「分譲戸建て」「賃貸戸建て」と大きく分けて四つあります。
晩婚化が進んだ場合、賃貸マンションの需要が上がる可能性が高いでしょう。なぜなら、晩婚化が進むと単身者世帯が増えるからです。もちろん単身者の中にも、マンションや一戸建てを購入することもあります。ただ、ファミリー層よりは、マンションの購入や、一戸建てへの入居は少ないです。単身者には広すぎるため、一戸建ての需要は一般的に低いです。また、一戸建ての賃貸に関しては数自体が少ないという現状もあります。
また、分譲マンションはファミリータイプが多くなっています。コンパクトな部屋で分譲されていることもありますが、比較的2LDK以上の分譲マンションの方が多いです。つまりニーズとしても、単身者は賃貸物件に居住する可能性が高いということです。
単身世帯人口が増える影響
上述したように、晩婚化が増えると単身世帯人口が増え、賃貸物件のニーズが増えます。その賃貸物件の中でも、1R~1LDK程度のコンパクトな部屋のニーズが増えます。単身世帯には広い部屋は必要ないので、コンパクトな部屋の需要が増えるという理屈です。
不動産投資で最も大きなリスクは「空室」であり、晩婚化が進むと、この空室リスクは軽減します。なぜなら、不動産投資用の物件の多くは、1R~1LDKのコンパクトな部屋だからです。そのため、単身世帯人口が増えるとなると、よりコンパクトな部屋の不動産投資が有利になるということです。
逆にいうと、2LDK以上のファミリータイプ向け物件は、ターゲットが減ってくることによって需要は下がってくると考えられます。今後、ファミリータイプ向け物件を運用している投資家は、競合物件との差別化などの「工夫」が必要になってくるでしょう。
晩婚化に伴う不動産投資戦略
このように、晩婚化に伴う不動産投資戦略は、不動産の種類と部屋の広さを考えることが重要です。コンパクトな賃貸マンションのニーズは高まると考えられますが、人口が減るという点は気を付けるべきです。そのため、競合物件も加味したうえで、同じような広さの物件が少ないエリアで投資をする必要があるでしょう。
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